見出し画像

#121 あまんきみこ『きつねのおきゃくさま』(1場面):ChatGPTとの対話を通した実証実験

前回は、きつねのおきゃくさまの1場面の読み取りと、AIのチャッくんと一緒に読み取る授業を行いました。

くわしくはこちらをご覧ください。↓

ここでは、心情メーターを活用して読み取っていきます。
きつねがひよこたちを食べたい気もちを指数で表した
「食べたいメーター」と
きつねが、ひよこたちと仲良く暮らしたい気持ちを指数で表した
「仲良く暮らしたいメーター」の
2つです。

この2つの心情メーターを活用しながら、AIが対話を通して、きつねの葛藤を読み取ることができるのかという実証実験を行っています。

その途中経過報告です。

はじめチャッくんは、食べたいメーター6だったのに対し、最終的には9まで指数を上げています。
ここから、きつねのひよこを食べたい気持ちが、1場面では高いという読み取りができてるのがわかります。

また、仲良く暮らしたいメーターは、はじめ8だったのに対し、6に指数を下げています。
ここから、きつねがひよこと仲良く食らいたい気持ちは、1場面では、どちらかというと低いという読み取りができてるのがわかります。

表の数値をたてにみると、その変化の様子がよくわかります。

つぎに、表の数値を横にみていきます。
すると、
はじめ、
食べたいメーター<仲良く暮らしたいメーター
となっているので、チャッくんは、仲良く暮らしたい気持ちのほうが強いという読み取り方をしていました。
しかし、対話を通じて、その数値が逆転しました。
結果、
食べたいメーター>仲良く暮らしたいメーター
となったのです。

表を横に見ることで、きつねの葛藤のベースとなるよみとりができました。

2年生の算数で、表の読み取る学習があります。
もっとシンプルな表ではありますが、国語で表を活用することを事前に意識しながら指導していけば、このような表ぐらいは読み取ることができるようになります。

国語の学習で、登場人物を読み取る際、心情曲線を活用する事例が多くあります。
例えば、このように、登場人物の気持ちの変化を折れ線グラフのように表したものを、「心情曲線」と呼んでいます。

この心情曲線のよさは、自分の裁量で気持ちを「・」であらわし、線でつなぐことができます。
さらに、その時点における登場人物の気持ちをメモすることもできます。

この心情曲線は、気持ちを「・」で表したことで視覚化され、気持ちの変化が読み取りやすくなっています。
しかし、その「・」の位置は高い、低いなどを表すことはできますが、定量化されていないため、他の子の考えを比べにくく、焦点化できていません。

ところが、心情メーターの場合
表にすることで、視覚化されるだけでなく、数値で表されるため、考えが焦点化され、他の子と話し合いやすくなります。

ここが、心情曲線と心情メーターの大きな違いです。

自分の考えを表にすることのよさを低学年のうちから知っておくと、学びもふかまります。
カリキュラムマネジメントの視点からも有効です。

特に、心情メーターを2つの視点からとらえることができる物語においてはかなり有効な手立てと言えそうです。

はたして、チャッくんはこの後、どんな読みをしていくのでしょうか?

お楽しみに!



この記事が参加している募集

AIとやってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?