旅をしたい。
目的地のない旅を。意味を求めない旅を。

どこへ行こうか。繁華街はつまらない。
青い空。広い大地。そんなところへ行きたい。
北海道か?行ったことはないのだが。あるいはモンゴル高原か?こちらも行ったことはないが。

そんな場所を歩こう。のっしのっしと。
どうせすぐに飽きるのだろうが。

旅は戻ってくるのが前提だ。「いってきます」を言うものである。
だから、旅に出たところで、それが旅である以上は、出発地から心理的に離れることはできない。
いつかは帰るのだ。いつかは終わるのだ。
祭りを楽しんでいるときのように、終わりを常に感じながら過ごすのだ。

それでも、終わっていない間は、離れられる。自分ではない自分でもいられよう。

ふらっと旅に出て、ふらっと帰る。自分を固定化しないで済む。
そんな遊民に、できれば高等遊民に、私はなりたい。

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