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「ちょイケじぃじぃの独り言」: 日経ビジネス「ストップ水素敗戦」【技術一流、戦略三流を繰り返すな】

1  はじめに

  私の頭の老化防止のため、関心があった「日経ビジネス」を定期購読してい
 て、自由時間は十分あるので、気になった記事を整理しました。

2  今回の特集 :   「ストップ水素敗戦」【技術一流、戦略三流を繰り返すな】

 (1) 「水素」は脱炭素社会の基幹エネルギーとして期待され、現状、日本は技術
  力でリードしている。
   だが、「石油・天然ガスのように必要とされる量を十分確保できるのか」
  「まだまだ高い水素価格を引き下げることができるのか」と、「水素をつく
  る・運ぶ・使う社会」の実現は簡単ではない。
   既に諸外国は水素社会の実現に向けた布石を次々と打っている中、日本は
  技術は一流だが、国の戦略は緩慢で三流と、このままでは電池や半導体に続
  く「水素敗戦」となりかねない。
 (2) 政府は現時点で年200万トンと推計される水素供給量を2050年に年2000
  万トンに引き上げる目標を掲げるが、一般社団法人の試算によると、2050年
  の潜在需要は6945万トン以上で、格差はあまりにも大きい。
   山国の日本は再生エネルギーの適地が乏しく、石油や天然ガスと同じく水
  素も海外からの輸入に頼らざるを得ないが、海外の再生エネ権益をより多く
  押さえようと各国の争奪戦が加熱するのは必至である。
 (3) 日本は島国で水素を海上輸送しなければならないが、欧米はパイプラインを
  通せばそのまま使えるため、2050年時点で日本における1kg当たりの水素調
  達コストは2.85ドル(420円)と、欧米の約2倍で世界一高くなると試算されて
  いる。
 (4) 「インフレ抑制法:米国」「リパワーEU・ネットゼロ産業法案:EU」など、
  欧米は具体的で思い切った政策誘導を進めるが、日本政府の「水素」に対す
  る支援策は、まだはっきりしておらず、企業は「事業予見性と経済合理性が
  なければ、大規模な投資がやりにくく、具体的に動きにくい」と話している
 (5) 欧州では、再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の商用生産が始ま
  り、生産に使う装置やタンクの実需が生まれ、欧州企業は大型投資を続けて
  いる。
   いち早く実績を積んで先行者になり、グローバルスタンダードやデファク
  トスタンダード(事実上の標準)をものにして世界市場の覇権奪取をもくろん
  でいる。
 (6) 新エネルギーのサプライチェーン(供給網)を築き上げるのは並大抵のことで
  はないが、かつて日本は液化天然ガス(LNG)をゼロから基幹エネルギーに育
  た軌跡を教科書にすれば、「水素敗戦」を避けられるかもしれない。
   * 「水素敗戦」を食い止める3ヶ条
     ① 大規模な需要の創出
     ② リスクを軽減する販売価格制度
     ③ 技術のデファクトスタンダードを握る

3  その他の内容

 (1) 軽くて曲げられ、次世代の太陽電池の本命ともいわれる「ペロブスカイト太
  陽電池」は日本発の有望技術で、日本の大手企業が開発で先行するが、ここ
  のところ中国勢が特許出願数で躍進し、量産化で日本を逆転しようとしてい
  る。

4  「ちょイケじぃじぃの独り言」

  今回の特集「ストップ水素敗戦」は、以前の特集記事「窮地のEV電池」と
 「半導体雪辱戦」の続編で、「窮地のEV電池」では、①「21世紀のガソリン
 といわれる車載電池」は近年、中国の電池メーカーが中国政府の多額の補助金
 による多額の設備投資での安さと品質を売りに世界を席巻し、日本の「車載用
 リチウムイオン電池出荷量シェア」は21%(2019年)から8%(2022年)に低下し
 世界をリードしてきた勢いは見る影もない②中国は、電池の主要部材(正極材・
 負極材・セパレーター等)分野すべてで世界シェア上位を独占しているなどを掲
 載している。
  「半導体雪辱戦」では、①1980年代後半、日本は半導体生産で5割の世界シ
 ェアを握っていたが、バブル崩壊等の「失われた30年」で、今やそのシェアは
 1割以下となり「焼け野原」になってしまった②先端半導体生産で世界シェア9
 割を占める台湾企業が、ロジック半導体の3ナノの量産を始めたが、日本企業は
 40ナノが最先端で微細化競争では2周遅れであるなどを掲載している。
  この3つの「特集記事」で共通することは、①中国や欧米などが具体的で思い
 切った政策誘導を進めるが、日本政府の支援策は緩慢で三流であること②日本
 企業の設備投資が消極的で、かつ緩慢であることのように思える。
  この3つの事業は、これからの社会にとって大切な事業だと思うが、(1)「国
 の借金」は2022年度末時点で約1270兆円で、国民1人あたりで単純試算する
 と約1000万円の借金となり、また日本の債務残高は国内総生産(GDP)の2倍を
 超え、先進国の中で最悪の水準であること(2)バブル崩壊後の日本企業の設備投
 資が①過剰な設備投資の存在②金融システムの不安定化③国内需要の低迷など
 の外部環境の悪化で低迷し、現在では持ち直しつつあるもののそのスピードは
 緩慢であることを勘案すると、世界的な競争が激化する中、過去の栄光を取り
 戻すことは、そう簡単な話ではないと思える。
  年金生活である私にとっては、企業のために多額の政策誘導を進めるのなら
 わずかな年金を上げて欲しいのが正直な気持ちである。
  一方、日経平均株価は、海外投資家が新NISAの導入などからマネーの逃避先
 として「消去的」に多額の売買代金を伴い日本株式を購入し、今週末では、海
 外の主要株価指数が低迷する中、15%上昇(昨年の上昇率:28.2%)していて、上
 記の記事とあまりにも隔たりがあり、私にはピンとこない。
  * 参考(海外の主要株価指数:今週末)
    NYダウ(2.6%)、ナスダック総合(5.4%)、ドイツDAX(2.2%)、上海総合(
   △3.7%)、オーストラリアAORD(1%)、ムンバイSENSEX(0.3%)、ブラジ
   ルボベスパ(△3.9%)など
  最後に、私は運動での「体」の筋トレやnotoなどでの「頭」の筋トレで「老
 いと闘える最後のチャンス」である70歳代を私なりにチャレンジする一方、「
 宝物の孫」の世話をして、働きながら(夫は単身赴任中)子育てをする一人娘を
 サーポしていきたい。


 

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