見出し画像

「ちょイケじぃじぃの独り言」: 日経ビジネス「アクセンチュア膨張」【DX1強、異形のキメラ経営】

1  はじめに

  私の頭の老化防止のため、関心があった「日経ビジネス」を定期購読してい
 て、自由時間は十分あるので、気になった記事を整理しました。

2  今回の特集 :   「アクセンチュア膨張」【DX1強、異形のキメラ経営】

 (1) 奇妙にも見える異業種へのM&Aを重ね、日本法人の社員数は8年間で4倍の
   2万3000人、売上高も同4倍の6500億円に膨らんだ。
    今や、デジタルトランスフォーメーション(DX)の伴走者として、「1強」と
  も呼ばれる異例の企業で、既存の業界秩序を意に介さず遺伝子を取り込み続
  ける姿は、ライオンの頭、山羊の胴体、蛇の尾を持つ神話の生き物キメラの
  ようである。
 (2) 既存のしがらみに一切頓着せず、目的達成のみを徹底的に追求する企業文化
  こそが、アクセンチュアの経営を根底で支え、同社をパートナーに選んだ顧
  客企業の証言から、3つの強みが浮き彫りになった。

   『強み1』:  DXの「何でも屋」【DX関連を広範囲にカバー。IT刷新からSN
                  S教育まで】
         *アクセンチュア5本部
           ①経営戦略立案②製造や物流のデジタル化支援③ITシス
           テムの立案・構築や保守運用④オペレーション業務の自
           動化(BPO)⑤消費者の体験設計(ソング)
   『強み2』:  ゼロイチのビジネス支援【新ビジネスもゼロから構築。AI・時
                     差活用で超高速開発】
         *プロジェクト側が必要なスキルを入力すると最適な人材をA
          Iが世界中から推薦する仕組みで、時差を利用したバトンリ
          レー方式での開発
   『強み3』:  ボーダレス連携【国・組織を超えやり取り円滑。全世界共通の
                  5本部制】
         *プロジェクト案件の総括担当者が決まると、人事権がその
          人に委ねられ、各国の拠点から必要なスキルを持った社員
          を集めて対応
 (3) 事業領域を拡大することで、コンサルの常識外にいる新しい社員が大量に入
  社し、脱・体育会系に急旋回して10年近く取り組んできた働き方改革が異文
  化を束ねる基盤になっている。
   今では残業時間1人当たり月20時間程度まで減り、離職率もほぼ半減した
  が、「その実態は管理職が仕事を肩代わりしているだけ」との指摘もある。
   ホワイト時代だけを生きた社員たちが管理職の大半を占める時代が、すぐ
  そこに迫り、アクセンチュアが業績を伸ばし続けられるかの真価が問われる
  のは、その時かもしれない。
 (4) アクセンチュアは変革に必要な機能をワンストップで備えることで成長して
  きたが、既存秩序を揺るがす異変に気付いたライバル達は変革に動き出し、I
  Tサービスはもちろん、広告代理店や商社などとの衝突が激化している。

3  第2の特集 :  「罰ゲーム化」を避ける部長と課長のよい関係【管理職罰ゲー
         ム】の続編

 (1) 企業の中核を担う管理職には多くの課題がのしかかり、「罰ゲーム化」が
  ささやかれる中、同じ管理職でも部長と課長には役割に違いがあるため、力
  を発揮するには両者の関係性が重要である。
 (2) 「仕事・業務」で最も期待されるのは、部長、課長とも「トラブル対応」
  で一致し、「組織・人」では、部長は「統率力」、課長は「周囲の巻き込み
  」である。
 (3) 部長は課長の統率力に影響を与えるため、適切な距離を保った部長と課長
  の連携が大切で、「従来のやり方や前例を壊すことを認め推奨する部長」と
  「部下と日常的に対話する課長」の共同関係が活気ある職場には大切である
 (4) 丁寧な対話と仕組みづくりが信頼関係を生み、部長と課長の活性化につなが
  り、「次を育てる」好循環を生むため、企業の取り組み方法を紹介している
   ① 新任と2年目の課長に対して、別の部署の部長がメンター(指導者・助言
    者)になる仕組み
   ② 管理職のキャリア相談を重視し、部下との1対1の面談での研修を実施
   ③ 部長のマネジメントについて課長がフィードバックする形式 など

4  その他の内容

 (1) 中国に投資する海外投資家には、中国不動産市場の未曾有の低迷に苛立ち、
  拡大する損失にうんざりし、数年前の中国投資ブームから一転、中国以外の
  アジアに目を向けようとしている。
   大手資産運用会社は「中国を除く」新興国ETFを次々に立ち上げ、資金は
  インド、台湾、韓国、日本へと流れている。
   これらの市場は中国の代替にはならないが、中国経済や米中関係が変わら
  ない限り、この流れは続くだろう。
 (2) 2021年の経済協力開発機構の調査によれば、日本人の平均睡眠時間は7時
  間22分で、調査した33ヶ国中、最下位であり、背景にあるのは日本人の労働
  時間の長さである。
   今や、人手不足は加速度的に進行し、もはや人材の「使い捨て」はできな
  いため、ビジネスパーソンの睡眠時間の確保策として、「勤務間インターバ
  ル制度(終業時間から次の始業時間までに、一定以上の休息時間の確保を義務
  付ける制度)」が活用され始めている。
 (3) 日本人の英語力は世界で相対的に低く、英語能力テストTOEFLではアジア
  の約30ヶ国・地域で、下位3位に入る。
   生成AIを相手に恥ずかしさも感じずに会話でき、月額数千円でどこでも手
  軽に英会話を学べる「人工知能(AI)英会話」の人気が高まっている。

5  「ちょイケじぃじぃの独り言」

  世界のアクセンチュアの全従業員数は70万人(世界4位)で、売上高は近年2桁
 成長を続け、約9兆円を突破し、日本は全体の1割弱(国別では2位)である。
  「異形のキメラ経営」の強さから、東大生・京大生の注目企業ランキング1位
 で、若手社員が離職するたびに「あいつもアクセンチュアにいくらしい」とい
 う言葉が出ているらしい。
  ただ、2022年3月、ある社員に月143時間の違法残業をさせたとして、アク
 センチュアと上司1人が書類送検され、10年近くかけて「働き方改革」を進め
 てきたものの、全てが成功するはずもなく、様々なひずみも生まれているらし
 い。
  本誌を読んでわかったが、米国企業の調査によると、日本は①「熱意あふれ
 る」社員の割合が6%②「エンゲージメント(会社・職場などに対する信頼や貢
 献意識)が高い」社員の割合が5%と世界の中でも最低レベルで、さらに、若い
 世代の価値観の多様化や日本の昇進の遅さ・給料の低さなどを勘案すると、『
 管理職罰ゲーム」もわかるような気がする。
  ただ、管理職はAIでの代替が難しい「対人関係職」で「有能な管理職」のス
 キルを身につければ、マネジメントが問われる時代では「大きな武器」となり
 転職市場でも価値が上がると思う。
  本誌でも書いているように、まずは、管理職(例:部長と課長、課長と課長)間
 での信頼・連携・コミュニケーションを大切にして、管理職間だけでも仲良く
 助け合うことが「管理職罰ゲーム」を解決する一つの方法のように思える。
  間違っても、管理職間でいがみ合うことなどがあると、「管理職罰ゲーム」
 は、さらに悪化するように思う。
  ホワイト時代だけを生きた社員達が管理職を占める時代では、どのような
 「管理職」の形になるかと期待するとともに、企業業績も一つの指標になる
 ような気がする。
  今年1月の日経平均株価が、海外の主要株価指数が低迷する中、多額の売買
 代金(4〜5兆円)を伴い、8.4%【昨年:28.2%】上昇している一方、中国(上海
 総合)指数は△6.3%【昨年:△3.7%】と気になっていたが、海外投資家の「中
 国離れ」によるの資金が、新NISAの導入もあり日本に流入していることがわ
 かり、私なりに納得できた。
  私の保有する日本株式は、経営成績の悪化などがあり散々な状況であるが、
 年金生活である私は、日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政
 法人「GPIF」の運用成績には期待したいと思う。
  最後に、私は運動での「体」の筋トレやnotoなどでの「頭」の筋トレで「老
 いと闘える最後のチャンス」である70歳代を私なりにチャレンジする一方、「
 宝物の孫」の世話をして、働きながら(夫は単身赴任中)子育てをする一人娘を
 サポートしていきたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?