見出し画像

戦慄迷宮に入ったらお化け屋敷オタクになりかけている

大学の前期レポート課題にて取り上げた戦慄迷宮。「腰抜かしてリタイアした」「失神した」「怖くて逆走した」と、とにかく恐怖レベルが高いと噂のあるアトラクションだが、本当に怖いのか気になったので入ったよ〜という記録兼感想。富士急ハイランド帰りのバスの中でメモに走り書きしたのでテンションが非常に高い。

⚠️一部アトラクション内容のネタバレを含みます⚠️


私はエンタメとしての恐怖が好きだ。しかし、お化け屋敷に足を運んだことは片手で数えられる程しか無い。お化け屋敷初心者といっても過言ではない。
なぜなら、大のビビリだからだ。

お化け屋敷が大の苦手で東京ディズニーランドのホーンテッドマンションでさえ怖くてマスクで顔を隠すレベルのビビリだった。恐怖は好きだけど得意ではなく、無意識で身体が反応してしまう。好きと得意は紙一重じゃない。恐怖は刺激があるから好きなだけ、急に真横から驚かされたら大抵の人は怖いじゃん?それゆえにザ・古典的なお化け屋敷経験は小学生の頃、栃木の遊園地で古びたからくりお化けがギィギィと音を立てながら同じ動作を繰り返すような、古典的なタイプに入ったきりだった。

でもちょっとお化け屋敷って気になる存在じゃない?いやでも怖いしなんか呪われそう…と興味は抱きつつも、その恐怖を実際に体験することもなく、今まで過ごしてきた。


先日、姉と2人で富士急ハイランドに遊びに行った時のこと。
ええじゃないか、FUJIYAMA、トンデミーナ…数々の絶叫アトラクションにはしゃいだ私たちは、次なる絶叫を求めてスマートフォンに表示された園内マップで待ち時間を確認した。すると、そこに映し出されたボロボロの建物。

あ、前回のレポートでテーマにした戦慄迷宮だ。怖いらしいよね、これ。





あそうだ!!!せっかくだし戦慄迷宮に入ろう!!!!!!


戦慄迷宮


利用料金はフリーパス(他アトラクションが乗り放題のチケット)とは別料金の本アトラクション、なんと1グループで4000円。今回は姉と2人で体験したため1人あたり2000円、気軽に入れるような場所ではないな…という渋る気持ちもあったがこの機会を逃せば今後一生行かない可能性が大きいと思ったため、姉を説得して購入(姉は幽霊が得意ではなかった。ごめん)。

この時の私は、久々の遊園地に浮かれアドレナリンが出まくっていた。失神する客もいるというのに、お化け屋敷初心者がノリと勢いで入るようなアトラクションでは無いとこの時は気が付かなかった。9時間睡眠が基本の人間なのに4時間しか眠れなかったからかもしれない、とにかく何も考えずにチケット購入ボタンを押していた。
ノリと勢いって怖い。

🏥___    👭<ヒェ〜(入場前の私たち)



入り口では色褪せたインフルエンザ予防を促すポスターや、頭皮ごと剥がされた毛髪?が置いてある警備員室がお出迎え。私たちの前で並んでいた4人組の女性達が埃だらけのドアの前で決めポーズをしてインスタに載せようかと話し合っている。そんな彼女らを横目に、私はだんだんと恐怖を感じ始めてきていた。

あれ?これって無謀な挑戦じゃないの?今までお化け屋敷苦手だったのに、人生初の本格的なお化け屋敷が一周40分もかかる大掛かりなやつだなんて即失神コースじゃない?

後戻りは出来ないとわかっていた。だって1人2000円だし、乗り気でない姉を誘ったのは私だし。館内にリタイア口はあると知ってはいたけど、こっちにもプライドというものがある。膝を震わせながら入場した。


どうだったのか、結論から言うと………




思ったより怖くない!!!!!そして楽しい!!!!!!!




と、言うよりも、どうやら私は怖さを紛らわすために無意識のうちに口が回ってしまうタイプらしく、暗闇の廊下の中でどうでもいいことばかり喋っていたから恐怖が半減してしまった。入室前にはクリアリングを徹底し、己を奮い立たせるため(恐怖への対抗ゆえに出された威嚇だったかも)に入室時に「失礼致します!!」と空に向かって挨拶。何しに来たんだろう、この楽しみ方って合ってるのかな、と反省しながら暗い道を進んでいった。

さらに、お化けの数が案外少なかったのも怖さを感じなかった要因かもしれない。後半に同じことを述べるが、思っていたよりもお化けはいない。このお化け屋敷の怖さの真髄は雰囲気全体なのだと思った。冗談抜きでマジでお化け出ない、ゆえに「怖い雰囲気」に耐えれる人なら入れる。是非とも一度は入ろう。館内の作りがすごすぎるから見に行ってほしい。


⚠️以下、若干の館内のネタバレが含まれます。


よかった点書いちゃうよ?

いいね?




アトラクション説明のお姉さんが格好いい!!

これは今回の担当者がそうだっただけ。アトラクション体験前に医師から説明を受けるのだが、ハリーポッターに出てくる飛行術の先生にそっくりなベリーショートの女性でとっても格好良かった(フーチ先生で検索!)。

懐中電灯が味を出している!!

カッコいいお姉さんから説を聞いた明後、1グループに1つ懐中電灯を手渡され、その微かな灯りをもとに歩いていく。おそらく本作の「肝試し中に幽霊に遭遇した」設定(だった気がする)に浸れるよう、懐中電灯を使うのだと思われる。正直明かりは小さいしなんならスマホのライトの方が明るいが、雰囲気がかなり出て私は興奮した。

館内のボロさがリアル!!

このアトラクションで特に感心したのは、全体的な作り込み。廃病院や廃屋系アトラクションに必須の埃がかな〜りリアル。ウォークスルー型アトラクションのために小物や戸棚が手の届く範囲内に配置されており、ライトを照らすと埃の被ったガラスの先で私たちの姿が映る。もしかしたら肩に知らない人の手が乗っているのかもしれないな、なんて想像も容易だった。

病院の独特な冷たさのある渡り廊下の再現度がエグい!!!!

はへ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(敬服の念)

中はひたすらに長い、暗い、そして廊下がまさに本物の病院。幼い頃に通っていた市立病院にそっくりでおったまげた。ライトが緑と赤しかないため、廊下のシワ?に緑色の光が反射する。異空間でありながらも「あぁ、この病院懐かしいな」と存在しない記憶を植え付けられる。視覚上の色の無さが、余計に冷酷さを引き立てている。怖い、しかしこの怖さが心地いい。これだよこれ、私はこの空気を求めていた!!!普段外さないマスクを外して空気を吸ったら、意外にも澄んでいた。おいしかった。

お化けが追ってきてくれる!!

う、嬉しい〜!!!!!!!!!ハピネス〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!

アクターだと理解はしているけれども、常軌を逸した行動を取る存在が追ってくると己の本能が危険を察知するのか、気がつけば「失礼しました!!!!」と叫びながら本気で逃げていた。緑色に照らされた廊下を駆け抜けた時の、病院でやってはいけない事をやってのけた快感を感じた。私の声がデカいせいでお化けが放った唸り声が一切聞こえなかった。姉が隣で珍しく悲鳴をあげている。これこれ!!!!!これが欲しかった!!!楽しすぎる。一生味わっていたい。

エレベーターエリアがすごい!!!!

これ映画版バイオハザードで観た!!!
完全ネタバレになるから詳しくは言えないが、エレベーターは中々面白い発想だった。幼い頃に見たバイオハザードのせいでエレベーターに若干の抵抗感を持っているので、ここは本気で怖かった。

そして本当にアイデアが素晴らしいと、1人心の中で静かに涙した。地方の遊園地がかける労力をとうに越している。こんなん人気になるしかないやん。


ただ一つ、少し残念(というよりも想定していたのと違った)のは、脅かしてくる幽霊が案外少なかったこと、さらに全員背後から来たこと。幽霊達は皆私たちが通り過ぎて3歩進んだ後に出てくるため、常に喋っていた私は自分の声のデカさゆえにその気配に気づけないことが多々あった(完全に私が悪い)。あれ?てっきり隣からワッと脅かしてくるのかと思っていた。もしかしてコロナ流行後に接触を控えるようになったか、「怖すぎる」と苦情でも来て変えちゃったのかな。ちょっと悲しかった。


・・総評・・

楽し〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!!!!!!!!!(高速三点倒立)

全体的にジャンプスケアが苦手な人でも怖くなさそう。ストーリー的に一部ツッコミを入れたくなるようなエリアもあったものの、館内の病院特有の冷たさだったり、病院って本当は裏商売として人身売買やってるんじゃない、という都市伝説としての恐ろしさを具現化させた、運営側の技量が目に見える凄い作り込みだった。それなりに恐怖耐性がある人なら、出口に辿り着いた時は安心感と開放感で爆笑が巻き起こるはず。幽霊だったりドッキリが苦手な姉も「怖かったけどトラウマにはならないし夢には出てこない」と言っていたので、ホラーの雰囲気が苦手でなければ本当に入れる気がする。私の言う事は鵜呑みにはしない方がいいとは思うが。
心地のいい怖さが楽しめる、作り込みが満点なアトラクションなのでホラー耐性のある人は是非行ってみてね。さぁ帰宅!




…なにか足りない




…恐怖が足りねぇなぁ!!!!!!




この恐怖に耐えることができ、そして楽しんだ私は逆にエンタメ的恐怖に飢えてしまい、恐怖を求め彷徨うゾンビにようになってしまった。ビビリがこんな成長を遂げるなんて。恐ろしや。

帰宅後すぐに全国のお化け屋敷調査を始めた私は、来週にはお化け屋敷展開コンテンツとして有名な「オバケン」さんの『畏怖 咽び家』へと足を運ぶ。なんとこのお化け屋敷、お化けではなく殺人鬼が屋敷を徘徊し捕まらないように隠れながら脱出を試みるという恐怖体験と脱出ゲームのいいとこ取りウルトラハッピーセット恐怖人間屋敷なのだ。ホラー映画の登場人物になれるじゃんこれ。怖そうだけど面白そう。

姉を説得し(今回は興味を持ってくれた)、チケット購入ボタンを押した。あぁ、やっちまった。この人、またノリと勢いと興奮で怖そうなやつに挑んじゃったよ。
楽しみ半分、恐怖半分の複雑な気持ちのせいで昼飯が喉を通らなかった。メンタルが雑魚すぎるが、果たしてどうなってしまうのだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?