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【ネタバレ注意】King Gnu FCツアー大阪1日目ライブレポ② 〜どうやら今回のライブは予測不能らしい

はじめに

この記事はFCツアーのライブ演出やセットリストに関するネタバレを含みます。幕張公演に参加予定の皆様は、特に今回のライブに関してはライブを最大限に楽しめなくなるおそれがありますので、閲覧の際は自己責任でお願いいたします。

こんな人たちが2人いてたまるか

前の記事でも書きましたが、私は生で見るまではKing Gnuが実在していると認めない派でした。今回のライブでも、暗がりで遠目に見ていて肉眼では顔が識別できないため、「まだだ、歌い出すまでは風貌が似ている別人かもしれない」と、頑なに認めようとしませんでした。しかし、1曲目の「カメレオン」が始まり、井口さんの透き通る歌声や常田さんの即興的でジャジーなピアノ、新井先生の包み込むようなベースの重低音、せきゆーの人間味あふれるドラムのサウンドを聴いた途端にとうとう観念しました。そこで私はこう思いました。「いやこんな凄い人たちが2人いてたまるか、彼らの正体は紛れもない、本物のKing Gnuだ」と。

とにかく綺麗で上品な1曲目

それにしても、カメレオンの歌声はすごく美しく、演出も相まって、まるで天使かなんかの歌声かと思いました。「寂れた駅のホーム」に吹き抜けた隙間風というのはこんな感じだったのだろうかと思うほどに、まるで肌を撫でる風のように、優しく穏やかで、私たちの耳にスッと入ってきました。そんな上質なしらべを聴きながら、私はふと、不思議な感覚に包まれました。「あれ?これってアンコール1曲目だっけ?」。そう勘違いしてしまうほどに、今回はしっとりしたオープニングでした。(2020ツアーや2021フジロックの「三文小説」的な)実際、私は今回のセトリ予想で「カメレオン」をアンコールの1曲目に置いていました。いつものようなアゲアゲな始まりではなく、「カメレオン」で静かに始まるライブ、「King Gnuのライブ」としては今までなかったつくりで、すごく新鮮に感じました。

2曲目はあの曲、これをここに持ってくるか...!

カメレオンが終わりに差し掛かった頃、私はふと、こんなことを思いました。「そういえばカメレオンを1曲目に持ってくるなら、2曲目では何を演奏するのだろうか」。そんなことを考えながら、カメレオンの終了を迎えた舞台を眺めていると、聞き覚えのあるイントロが...。常田さんのピアノの伴奏(常田さんはまだギターを持たない)に合わせて井口さんがコーラスを入れます。「Sunshine〜

それを聴いて、私は驚愕しました。「この曲をもうやるのか...!」2曲目はライブ映えがえげつないと噂の隠れた名曲「Hitman」でした。この曲の見どころというとなんといっても井口さんの超絶フェイク、常田さんがピアノを演奏するために、原曲ではギターソロを演奏しているところで挿入するライブ限定アレンジになっているのが定番です。普段のライブでは常田さんがずっとギターを弾いてきて、そろそろ飽きてきたかな、ってくらいのタイミングでピアノに移動してこの曲が演奏されるため、まさに「ライブ中盤の幕開けを宣言する曲」というイメージがあるのですが、今回のFCツアーではまさかの2曲目です。普段のライブではあのフェイクを聴いて無事死亡するファンが大量発生すると噂で聴いていましたが、こんなん「早すぎた埋葬」じゃないか。そんなくだらんことを考えながら、骨の髄まで響いてくるフェイクを浴びて私はひそかに鳥肌を立てていました。

とにかく、ここまでの流れで私の予想セトリは完璧に打ち砕かれました。「カメレオン」→「Hitman」なんて誰が予想できたでしょうか。確かにどっちも常田さんピアノだから連続で来るのは自然と言えるんだけど、予想なんてできひんやん普通、そんなんできる?言っといてや、できるんやったら。

短めのMCを挟んで3曲目へ

「Hitman」が終わると、井口さんの短めのMCを挟んでから3曲目に移りました。ここのMCでは確か「今日はFCライブですから、いつもよりちょっと温かいライブになりそうですね」的なことを言ってたと思いますが、当方は「カメレオンHitman事件」に見事心臓を撃ち抜かれており、気が動転していたため、あまり記憶がありません。MCが時間を稼いでいる間に、常田さんがピアノからギターに持ち替えたのを見ていると、いよいよ3曲目です。そのMCで匂わせた通り、3曲目は温かい曲「BOY」です。

BOYのアレンジは、ストリングス各楽器のバランス的になんとなくですが3月21日のLove Musicのアレンジに近かった気がします。(2021AWの配信を見送ってしまったため、分からないですが、2021AWでも同じアレンジだったらすいません)同期音を駆使して、原曲よりもご機嫌な調子のストリングスが活発に鳴り響く会場の中で4人のセッションが活発に轟いている、いるだけで幸せな空間がそこにはあったと思います。ライブで聴くと中間の間奏のギターソロパートの時の常田さんのソロはもちろん、新井先生のベースやせきゆーのドラムの凶悪さ、わんぱくさ、やんちゃさが際立つ気がして、曲調の変化が楽しかったです。

4曲目はまさに実家のような安心感

BOYの演奏が終わるとすかさず4曲目に入ります。何度もライブ音源で聴いたギターリフから始まる曲。ライブ定番曲ということで聴けて良かったという気持ちもありましたが、ここまでの並びのあとで出てくると、ライブ序盤でこの曲が聴けるという事実に対する安心感しかありません。4曲目はライブの序盤御用達「Sorrows」です。演者もパフォーマンスし慣れていますし、観客も聴き慣れている楽曲ということで、この時は全員が安心して乗れていた気がします。自分もHitmanの時には混乱していてうまく手振りができなかった(もちろん楽しんでいたんですけどね、ビックリが勝っちゃってて笑)のですが、このSorrowsが始まる頃には周りの人に合わせてノリノリで手拍子していました。自分としてはとにかく常田さんの「ソッロオオオオオオウズ!!!」を聞けたことが何よりでした笑。自分の記憶が正しければ確かこの時、常田さんはマイクから離れてギターをかき鳴らしながらスタッフと何やら話をしていて、シャウトするタイミングでマイク前に戻って叫んでたような気がします。ものすごいプロ意識、天晴。

つづく

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