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【笑道】「R-1グランプリ2024」印象

R-1グランプリは、ウエストランド前後で、変化した。

だいたひかるが優勝した第一回は、リアルタイムでは見てないが、それを入れても、おそらく過去最高レベルの今大会だった。
まだ、興奮で震える手で印象する。

クリーピーナッツの旋律、映像の煽り、出場者の情熱、否が応でも、テンションが上がる。

審査員の5人、素晴らしいバランス。
クセ強独自ワールドの4人に、真ん中にバランサーとして、小籔千豊がいるのがいい。
この大会では、小籔さんが実はバランス型だと発見した(座長だもんね)ほか、ザコシが熱い常識人、バカリズム氏を筆頭に陣内さん・野田さんまでもある程度、理詰めなのが面白い。

霜降り明星や広瀬アリスの司会ぶりも板に付いてきたが、やはり本家M-1の今田-上戸彩のゴールデンコンビには遠く及ばない。だが、好感はとても持てる。

変な(基準の)敗者復活や(下らない)企画などが、無かったのも良く、ネタ時間が3分→4分に増やされた。賞レースはそうでなくちゃね。

「決勝」
真輝志、4位タイ
ルシファー吉岡、1位
街裏ぴんく、2位
kento fukaya、8位
寺田寛明、7位
サツマカワRPG、6位
吉住、3位
トンツカタンお抹茶、最下位
どくさいスイッチ企画、4位タイ

本当に、全員良かった。
それぞれのベストを尽くして、得点や順位も高水準であり、審査も妥当である。
このハイレベルで4位タイの素人、どくさいスイッチ企画さんは、過去3大会ならば優勝していたかもしれない。
あえて言うなら、サツマカワさんが4位だと思ったが、1点差なので、ただの誤差。

個人的には8位までが、過去ファイナリスト級の出来だったので、勿体ない。
審査員が「今回はレベルが高すぎる」と連発していたが、それに尽きる。
芸歴制限って何だったんだ、ある意味、面白かったが…ねぇ。

ファイナル進出者3人は、文句なしの面子。
ルシファー吉岡さん「婚カツパーティー」は通常ハイレベル運転で、街裏ぴんくさん「プールで偉人てさに出会う」の見たことない勢い、吉住さん「デモする嫁」は演技や構成クオリティが凄い。鳥肌も凄い。

さぁ、ファイナルファイト。
まず吉住さんの「鑑識彼女」、吉住ワールド全開で、彼氏(名前忘れた)が犯人だと思いきや、なんと浮気していて、彼女が捏造しちゃうかも方向へ、狂気と独創性が凄い。
次に街裏ぴんくさんの「モーニング娘。入り」、なんなんだこの熱量、ただただ圧倒的された、突拍子もない発想と熱漫談語り口が凄い。
最後にルシファー吉岡さんの「隣人視聴者」、通常運転でこのハイクオリティだが、前2人が凄すぎて、通常の範疇ゆえに脱落。跳ねられないのが弱点か。

さぁ、一騎討ち。
発想は両者互角と見て、クオリティの吉住さんか、熱量のぴんくさんか…もう完全に分からない。
陣内さんから、順番に投票オープン。

吉住、吉住、ぴんく、ぴんく・・・
(ザコシ残しで、吉住の顔が曇る)
・・・ぴんく!!第22代王者に輝いた。
(野田が吉住でない限り、ザコシは良くてルシファー投票だよね、と吉住の顔だったんだ。)

その瞬間、時は止まり…
芸歴20年目の大男が、膝から崩れ落ちて、号泣した。
新王者は震える手で涙を隠しながら「R―1には夢があるんですよ!!」と、雄叫びをあげた。

それは自らも含めて、苦労を重ねて、辛酸を舐めて、腐りそうになりながらも、それを超える熱量で、頑張り続けているピン芸人への魂の叫びだと…僕には聞こえて、心から涙が溢れ出した。

カッコいいのは、M-1グランプリだけじゃない。
一人で全てを背負うから、純粋さが昇華するんだ。


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