あなたが答えだよ

いつだったか、娘から突然に質問がとんできました。
娘「ねぇ、私の名前ってなんで○○なの?」
へっ?7歳ってそんなこと聞くの?な私。これはふざけたことは言えません。
私「それはね……」

娘の名前(音)は私が考えました。まだ娘(赤ちゃん)がお腹の中にいる時に働いていた私は、手があくと男の子と女の子の名前をひらがなで思いつく限り書き留めていました。なぜなら検診に行っても行っても性別が分からなかったからです。いや、分からなくてもいい、元気に生まれてきてくれたらそれでいい、本当にそう思っていました。が、私はすぐに決められない、実際赤ちゃんが目の前にいるってなった時に名前を冷静に考えつけられるだろうか…となり、先生に毎回たずねていました。
先生「あー、この子隠してるわー。元気だからいいでしょう。(笑顔)」
私「それはそうなんですが…名前を…」
先生「んん~、ま、楽しみにっ(もっと笑顔)」

そんなやり取りを続け、いつもと違う立体で見れるエコーだったか、特別な検査の時に主人も初めて同席しその検査専門の先生に2人で懇願しました。
先生「あー、本当やね。恥ずかしがりやさんだねー。」
一所懸命あっちからこっちからお腹の中の赤ちゃんを見てくれました。
先生「あっ、・・・はい、女の子ですねぇ。間違いない。」
私たち「そうですかぁ、これで名前を考えられる。」

とにかく考えて考えて、でも考えれば考えるほど出てこないものです。まず、私たちは若くない、キラキラネームはやめよう、名字との字数が…や画数が…など絞ることはしました。
主人は画数を気にしたので住んでいた地域では有名な神社に行くことにしました。主人もそちらで名前をつけていただいたそうです。
神社で聞く所によると、
①全く何も決めずに行ってつけてもらう
②音を決めてきて漢字を考えてもらう
③自分たちで漢字まで決めて行って良し悪しを言ってもらう
このパターンがあるとのことでした。③についてはたくさん考えてきてね、とも言われました。

ある夕方、主人は台所の隣にあるお風呂に入っています。私は夕飯の支度をしています。なにげにブツブツとひらがなで名前を考えていました。私は「あ・い・う・え・お」をパズルのように響きがステキなものを並べて、書いた時には字面がかわいいものにしたいと思っていました。こんな普段の至って特別でない時に「降って」くるのです。お風呂へ急ぎ扉を開けて前置きなしに叫びます。
私「○○は?」
主人「・・・・・」
意味が分からなかったのか、私が何を突然に言い出したのか、と考えているようにとれました。私も忘れたくないので他の言葉を口に出来ません。
主人「・・・、・・・いいんじゃない?」
通じていたんかーい、考えていたんかーい、と私もポーっとしてしまいます。
私「本当?」
主人「おう、いいわぁ。いい。」
そこからは漢字を考えます。素直にそう読める字、バラバラに考えてそれらしく、主人のお休みに神社へ向かいます。
私たち「考えてきました。どうでしょう?」
神主さん「おー、はいはい、たくさん考えてきたねぇ。ちょっと待ってて。」
なんとも軽ーい方でした。神主さんぽくない、本物?な感じで、でもベンチで任せて待ちます。たくさんあったからなのか、本当に待ちました。やっと出てきて説明が始まります。
神主さん「これはまぁ丸かな。これは70点。これも、ん~…」
主人「いいの無いんですか?」
神主さん「まぁ丸なんやけど、、、」
主人「いや、いいやつつけたいんやけど。」
神主さん「これは悪くないんやけどね。」
主人「あのー、そしたらここで考えて下さいっ。いいやつっ。」
どうしても満点だというものをつけてあげたい主人は神主さんにゆだねました。それからどれほど待ったでしょう。座ってばかりも疲れてくるので少し立ってまた座り、何度かしているとやっと、やっと神主さんが再び現れました。
神主さん「いいの出来たよ~。これ、これ。」
私たち「へぇ~、これで読めるんですか。これ、何点ですか?」
神主さん「120点。」
私たち「はい、決めました。」

こうして生まれてくるまでに娘の名前は決まりました。なので漢字に関しては私たちが入れたかった字だけではないので後付けの意味、と言われても仕方ありません。希望していた字も入っているのでそれはハッキリと言えますが無理やりと言われればハイ…となります。

今、娘から名前の由来を聞かれて答える時は漢字を見せて漢字の意味を伝えます。
私「明るくて温かくてキラキラした人生にしてほしいからこのお名前にしたんだよ。あなたはこのお名前、嫌い?」

名は体を表す、娘はまさしくその通りになってくれました。

娘「だいすきっ!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?