見出し画像

赤羽線の痴女


現在は埼京線に組み込まれているが、
昭和40年代
赤羽駅〜池袋駅を結ぶ、全長
5.5kmと極めて短い路線の
赤羽線が運行されていた。

赤羽〜池袋間のラッシュ時は
すし詰め状態の混雑を見せた。

赤羽から乗り込んでくる30歳前後の女がいた。
多分、池袋付近に努めるビジネスガール(今のOL)が、赤羽駅で、赤羽線に乗り込んできていた。

春ともなると、高卒の新入社員の男が乗り込んでくる。

その女はその男に対面して、密着した。

男根と恥骨が密着する。
女の乳房は男の胸に密着する。
女は手を男の腰に当てる。

電車がガタゴト音を立てて揺れる。

女はその揺れに合わせて腰を振り、手は男の身体をまさぐる。

電車の音と振動で。他の周りの乗客には女の動きはわからない。

女は新入社員の男の耳元で囁やく。

「坊や、気持ちいい?」

新入社員は恥ずかしくて、口を聞けない。

赤羽線の運行時間はとても短い。

池袋に近づくと、

「いけぶくろ〜」のアナウンスが聞こえる。

電車は、ギギギーとブレーキ音を発し、ガタッガタッと激しく揺れる。

女は一気に激しく腰を降る。

新入社員はたまらず放出する。

電車が池袋につき、ドアが開くと、乗客は一斉に降り始める。

新入社員の下着は濡れて、
困った顔をした。

女は新入社員のそんな光景を眺め、ニヤリと笑った。

    



           完

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?