【オーストラリア海外研修】#2 飛行機での絶望編


羽田空港到着


無事にパッキングも事前申請も終えて、ついに出国当日を迎えた私は、期待と不安を抱えて、羽田空港に出発しました。
初めての空港に着いた途端、不安は全てふっとび、「すげえー!!」と大興奮。
第三ターミナルには、日本の古き良き建築を模したような、巨大な建物がそびえたっていました。空港の中に、お城がある。天井も奥行きも広すぎる。カラフルできらびやかなお店が、所狭しと並んでいる。展望デッキからの景色も風の心地よさも最高……!
出国の時間まで、私は見送りにきてくれた家族とともに、空港内を観光しました。こんなに広い空間だなんて、全く知りませんでした。
仲間たちとも合流し、いよいよ出国審査!家族にも手を振って、勇ましく歩き出す。
初めての飛行機なので、それはそれはわからないことだらけでしたが、とにかく前の人の動きをガン見して、なんとかついていきます。顔認証については、カメラが斜め横にあると知らず、正面を向き続けました。
ゲートも突破し、あとは本当に乗るだけ。
パスポートと航空券を握りしめ、ひたすら前の人に従う。道を進んで……って、いつの間に飛行機の入口!? なに、つながってるの、建物と?どうやって?
話が逸れてすみません。この辺はカットしましょう。

いざ、飛行機に搭乗、したけれど

私は、元々乗り物酔いをしやすいタイプです。
しかし、周りの家族や友達は口をそろえて言います。
「飛行機? 全然揺れないよ!」
「離着陸のときは揺れるけどさぁ、あとは本当に平行に進むって感じで、全く揺れないよ!」
「深夜のフライトなんでしょ? 寝れば9時間なんてあっという間だって!」
私は、ほな、揺れないか、と油断していました。
しかし、もはや結論を言ってしまいましょう。
離陸の瞬間。空に飛ぶ瞬間。
がたがたがたあああっっっ!!!!!
いーや、めっちゃ揺れる!!!!!!
しかも、ただの揺れじゃない。
体は下に押し付けられるのに、魂は脳天からはみ出そうになる。ぐわんぐわん揺れたり、小刻みに揺れたり。
「みんな嘘つきーーーーー!!!」と心中叫ばずにいられませんでした。
そして、これで話が終わらない絶望。
何時間経っても、飛行機の揺れが収まらない。なんか、常に揺れている。
あとで知ったことですが、どうやらこの日は天候が悪かったらしく。
しかし、そんなことを知らない私は、「あ、飛行機ってこんなに揺れるんだ」と希望を失い。
気持ち悪い。非常に、気持ち悪い。
食欲がわかず、機内食が食べられない(目をつむっていたら、いつの間にか回収されていた)。座席についたモニターで、映画を見る気分にもなれない。しかも寒い。狭い。横になれない。飛行機内、消灯したら真っ暗じゃん。
と、このように、全ての不安と緊張と乗り物酔いが重なり、私は飛行機内で思いきり体調を崩したのです。

ここから先、乗り物酔いにまつわるものが苦手な方は、読み飛ばしてください。
正直言って、私は吐きそうでした。
でも、我慢しよう。吐こうと思って吐けるものでもないし。
私はスマホで音楽を聞いたりして、とにかくこの長い長い夜を過ごしました。結局寝られたのは2、3時間でしたが。
飛行機内が点灯し、窓の外も明るい。着陸まで、1時間を切った。
私はあと少しだと自分に言い聞かせ、ペットボトルの水をひたすらに飲み続けました。
あと10分、あと5分、あと3分、とタイマーを睨み続けて。
しかし、吐き気も絶頂に達している。
飛行機が陸にタイヤを滑らせる。がたんがたんと機内が上下する。
あと少し、あと少し……!
着い……!
はい、吐きました。
最後の最後で、吐きました。
ビニール袋は、頭上の荷物置きのリュックの中でした。
え、なんで手元に用意しておかなかったのか、だって?
だって、吐くなんて思っていなかったんです。実際、飛行機停車の15秒ほど前でした。
おそらく、安心感が生まれてしまったのでしょうか……。
あと、なにぶん初めての飛行機だったので、機内持ち込みのリュックサックがパンパンで、荷物置きに置くしかなかったんです。手元にリュックサックが置けると思ってましたから。
膝掛けブランケットに2回吐いた私。左右は幸い、同じ仲間でしたが、最後の最後で吐く奴に相当驚いたと思います。(ちゃんとその後、謝罪のラインを送りました。)
CAさんが来て、袋や、除菌シートのボトルを渡してくれました。あー、久しぶりに吐いてしまったと悲しくなり、とりあえず口を拭こうとボトルを開ける。
くっっっっっっさ!!!アルコールの匂い、つっっっっよ!!!
それはともかく、服も汚れてしまい。
最悪の気分でも、降りなくてはならないので、荷物をかきあつめて降車。
「降りるときビートルズやるんだ!」と、出国前、友達に言いまわしていましたが、すっかり忘れて。
ついにオーストラリアに着いたのに、異国の地に足をつけたのに、気分は地の底に落ちていました。
入国手続きも、全て汚れた服の状態で。水を飲みたいけど、手元にない。
最終的に、スーツケースを受け取ったあとに、トイレに駆け込み、着替えを済ませました。
シドニー空港から、滞在する都市まで送迎バスで移動。
しかし、気分は下がったまま。
「最悪の幕開けだ」、と心の中でつぶやきました。

飛行機なんてもう乗りたくない!
え、じゃあ帰りどうするの?(笑)
なんて幼稚な会話しかできず。
この時点で、というか今も少しそうですが、飛行機が怖くなりました……(笑)
さあ、最悪の幕開けといった海外研修。
次の話は、ホームステイでより絶望編。
こんな話ばかりで、本当にすみません。
ここまで読んでくださりありがとうございました。今回はこの辺で。

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