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貧乏人が名古屋遠征するとこうなる

※下書きに眠っていた没ネタです。昨年12月10~11日の話です。

 21時30分、横浜駅直結のスカイビル。
 今からここで3時間弱も夜行バスが来るのを待たねばならない。
 一応、セブンイレブンの隣に座れるスペースはある。座れはするのだが、12月上旬のビルの通路は肌寒い。某声優が薦める東野圭吾氏の『時生(トキオ)』を読み進め、余計なことを考えないようにする。

 音楽を聴こう。骨伝導ワイヤレスヘッドホンを使用したいところだが、今使い過ぎて名古屋でバッテリー切れになったら困るので、見た目は良くないが有線のイヤホンをiPhoneの底に差す。今更ずとまよの2ndアルバム『ぐされ』にハマっている。14曲全てが当たりで1曲も飛ばせない。長時間流し続けるBGMとしては最適である。

 23時45分、集合場所のYCATとかいう場所に移動。アメリカ国旗を模した衣装を着て踊るのだろうか。ボケが古い。24時5分にスタッフに呼び出され、ようやくスカイブルー色のバスに乗車。

 そこは絶望の世界だった。たったの3200円ということもあり過度な期待はしていなかったが、それでも驚かざるを得ない。4列シートってこんなに狭いのか。私の席は通路側だったが、既に寝ている隣の男子学生風の客の身体は明らかにはみ出しており、数センチほど私のエリアに進出していた。私が座っても目を覚まさず、避けようとする意思すら無かった。全員一人客だったようで、誰も言葉を発しないし、刑務所に向かう囚人のように表情が暗い(私もである)。

 24時17分、定刻より少し遅れて発車。しかしカーテンは全て閉まっており、眠る街の僅かな灯りを拝むことすら許されない。加えてものの5分で消灯。これから旅が始まるワクワクというものは全く感じられなかった。

深夜3時、休憩ポイントの掛川PAで下車。何故か土産屋がこの時間も営業していた。

 朝5時20分、囚人を乗せたバスは名鉄百貨店の前に到着。夜明け前の静かな街に降り立つ瞬間は嫌いではない。名古屋駅の上に高く生える2本の円柱を写真に収める(なんちゅう表現だ)。

 10月の大阪は新幹線で往復したが、今回のLiella!のライブを観る為の名古屋遠征は急遽組み込まれたもので、予算を捻出できなかった故に貧乏旅行となった。よって移動も夜行バスを使用したし、朝食はマックだった。

マックグリドルソーセージとソーセージマフィン。朝は毎回これ。

 とはいえ、マックを出て地下街を歩いていると、時折見かけるモーニング喫茶の誘惑に負けそうに……ならなかった。入店制限を設けていたり、10人以上の行列が出来ていたりで、すんなり入れる気配すら無かったからである。日曜とはいえ朝8時半でこれである。

 結局スタバに入り、今回もアールグレイティーラテのグランデ、シロップ半分のオールミルクを注文(最近これしか頼まない)。今のところ名古屋らしさゼロである。

飛行機雲を見つけたから撮っただけ。

 13時。新幹線で来た友人と合流し、『山本屋本店』に向かう。約7割が空き店舗という閑古鳥状態の堀内ビル地下フロアの中で、唯一この店は10人ほどの行列が出来る人気店だった。これは期待が持てると思い、15分ほど並び入店。

 滞在時間の半分が過ぎたところでようやくご当地グルメにありつく。味噌煮込うどんである。1199円と少し高めだが、満足のいく味だった。これは並んででも食べる価値はある。

 14時、名鉄の駅から電車に乗り、ライブ会場のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)へ向かう。1時間弱もの長距離移動だったが、終盤のセントレア大橋から眺める伊勢湾が絶景だった。終点の中部国際空港駅を降り、他の大勢のオタクたちとぞろぞろ歩き、会場に到着。

開演前の会場。青空が綺麗。

 16時半開演。ライブの感想は以下の記事に書いてあるので省略。

 19時半頃に終演し、再び1時間弱の電車移動の末、名古屋駅に戻る。駅構内の居酒屋で少しだけ打ち上げをした後、新幹線で帰る友人を見送ったのが21時半。

 私はここから2時間ほど、夜行バスが来るのを待たなければならない。暇つぶしに名古屋駅周辺を歩くもとにかく寒い。駅前の大名古屋ビルヂングなる高層ビルに入り、『肉そば けいすけ』でラーメンをすする。

肉そば醤油 830円

 23時40分、バスに乗車。往路と同じ4列シートなのだが、明らかにこちらの座席のほうが広々としていた。その分、中央の通路を狭くしているのだろうか。往路の絶望を味わったからこそ復路は何倍も快適に感じられた。休憩所で目を覚ますことも無く6時間安眠を貫き、貧乏人の名古屋遠征はこうして幕を閉じた。

 関東に住んでいるとライブで遠征する機会はなかなか無いので、こういう形で旅行気分を味わえたのは新鮮だった。スタートの夜行バスに乗った時はどうなるかと思ったが、終わってみればそれすらも味があって良かったと思う。ただ次に夜行バスに乗る際は多少高額になっても3列シートを予約したい。

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