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東北沢『千里眼』を例に「二郎系ラーメン」の攻略法を詳しく解説

※シリーズ#ブログアーカイブ
 2019年12月27日、gooブログに投稿した記事を加筆修正したものです。

芋子「滝口君(彼氏)が『ラーメン二郎』に行ってみたいそうです」

小野「ああ、二郎なら最近行ったよ。新宿の店舗に」

ラーメン二郎 新宿小滝橋通り店 ラーメン小 野菜マシ ニンニク アブラ

芋子「ええ、都心部の混雑していそうな店に行くとは難易度高いですね」

小野「確かに混んでいたし、ルールを熟知している二郎経験者のサラリーマンも多く居たけど、3割くらいは二郎に関して無知なパリピ系の学生だったんだよ」

芋子「『二郎行こうぜ、いえあ』みたいな軽いノリですか?」

小野「『俺ぶっちゃけ大盛、いえあ』みたいなね」

芋子「で、『食べきれないよ、ぴえん』となるわけですね」(←言いたいだけ)

小野「あの日は幸いにも店員が優しかったから軽い気持ちでも何とかなったけど、基本的に二郎や二郎系はもっと殺伐とした空気だからね。あまり調子に乗りすぎると恥をかきかねない

芋子「そこで今回は、『ラーメン二郎』や『二郎系ラーメン』に軽い気持ちで行こうとする学生を撲滅する為に、押さえておくべきルールや攻略法などを解説します」

小野「入店してから食べ終わって退店するまでの時系列順にポイントを言っていくよ」


1.まずは二郎系に行くべし

芋子「二郎の攻略法なのに、結局本家の二郎には行かないのですね」

小野「最初から二郎は止めたほうが良い。まずは二郎系の店に行ってコールの仕方とか麺量がどの程度かを学んだほうが良い」

芋子「確かに二郎系ならルールが緩和されていたり、店員の優しい確率が高かったり、敷居が低い感じがしますからね」

小野「二郎系でも当方さん(ブログの管理人)が2017年に行った店はオススメしないけどね」

 ようやく当方が呼ばれ、店内に潜入。意外にも学生風の若い男が多いが、二郎系特有のむさ苦しい空気に相違は無かった。そして事件は起きた。

店員「そこの人、蓮華取って!」

男C「ハ、ハイ!」

店員「お前、前にも注意したよな!」

 店員が客にキレるという、普通の飲食店では有り得ない事態が。どうやらこの店では客自らコップと蓮華を取ってから着席しなければならないルールがあるようなのだ。怒号を間近で聞いた当方は恐怖で身体を震わせた。

gooブログ『二郎系ラーメン屋に行ったら凄絶な恐怖を味わった(前編)』より引用

芋子「ああ、店員が客に激怒していた店ですか。当時のブログ記事には店名や場所を伏せていましたが、たぶん小田急線の向ヶ丘遊園駅から徒歩10分くらいのところの街道沿いにあるあの店のことでしょうね」

小野「その情報だけでもう特定できちゃうんだけど、店員がキレていたというのはあくまで2017年の話なので、今はどうなのかは分かりません! かといって当方さんはトラウマを抱えていて確認しに行きたくもないとの事なので、その点もご了承下さい!」

2.初心者は『野郎らーめん』『郎郎郎』などがオススメ

芋子「初心者はどの店に行ったら良いですか?」

小野「あまり多く食べる自信がないなら、盛りが控えめの『野郎らーめん』を強くオススメするけど、そこはコールを必要としないイージーすぎる店で、逆にコールの仕方とかは覚えられないから、本家二郎に行く練習にはならない」

芋子「じゃあ盛りの量が本家二郎に準ずるレベルで、最低限のルールやマナーは存在して、でも店内は殺伐としていないし、かつ店員も優しいから委縮する必要もない店だと良い練習になるかもしれないですね」

小野「そうなると『郎郎郎(さぶろう)』(※現在は『ぶっ豚』)とかが良いかもね。前述の向ヶ丘遊園にも駅のすぐ近くにある」

芋子「二郎系なのに、店内の雰囲気は普通のラーメン屋そのもので、入りやすいらしいですね」

小野「まあ今回は『千里眼』を例に解説するんだけどね」

芋子「あ、『郎郎郎』は写真データが無いんですね」

小野「というか基本写真は撮りづらい雰囲気だからね、二郎も二郎系も。『千里眼』の写真データがあるだけ有難く思って欲しい」

3.混雑しない時間を狙って行く

芋子「行く時間は何時ころが良いですかね」

小野「とにかく初心者は並ばないほうが良い。混雑しやすい昼の12~13時や、夜の19時以降は避けよう

芋子「となると14時とか18時とかですかね」

小野「夜営業が18時開店の店も多いけど、18時前から並んでいる店も普通に存在するから、行ってみたいと思う店は事前に下見に行って混雑状況を調べておいたほうが良い」

4.それでも行列ができていたら

芋子「でも、いざ行くと運悪く行列ができていることも考えられますよね」

小野「二郎や二郎系は基本的に店内が狭いので、店の外で並ぶことになる。店によってはどちらの方向に並ぶかが決まっているので、店頭の貼り紙に書かれてあるローカルルールを全部チェックしておこう」

芋子「東北沢にある千里眼の場合、並び始めてから着席するまでの手順を知りたいのですが」

小野「良い質問だ。大体こんな感じかな」

~~~

(1)最初に店の外で並ぶ(図の左方向)

(2)食べ終わった客が外に出る

(3)そのタイミングで、店員に『次のお客様どうぞ』と呼ばれる

(4)店内に入り、食券を購入し、3人ほど座れるベンチに座って待つ

(5)ベンチ待機の間に店員に『お客様ラーメンですか、ニンニクザンマイですか?』『麺の量は?』などと聞かれるので、正直に答える(この店は怖くないから落ち着いて言おう)

(6)先頭の時に店員に『先頭のお客様、何番席へどうぞ』と呼ばれたら、コップに水を入れて、横にあるレンゲを取ってから着席する

(7)カウンターとキッチンを仕切る台の上に食券を置く(あとから店員が回収に来る)

~~~

芋子「なるほど、確かに普通のラーメン屋より少し複雑ですね」

小野「先に食券購入してから並ぶ二郎系も多いから、食券購入のタイミングは事前にネットで調べておこう。それ以外のポイントはレンゲを取ってから着席すること。そして水の入ったコップの上にレンゲを置いて待機する」

芋子「コップの上にうまく載せられないときは?」

小野「最悪の場合はレンゲを水に浸したり、カウンターに直置きしても何も言われないけど、コップの上に置くのが本家二郎のやり方であることは覚えておこう」(※それも店によります。細かいルールは周囲を見て合わせましょう)

5.初心者は絶対に「普通」や「小」、女性は「少なめ」にしてもらう

芋子「次に食券はどれを購入すべきかという問題ですね」

小野「初心者は絶対に『大』や『大盛』は避けよう小や普通でも一般的な特盛レベルに相当すると思うくらいが丁度良い」

芋子「女性だと小や普通でも多いかもしれませんね」

小野「それなら『麺の量は?』と聞かれた際に『麺少なめ』や『麺半分』と答えれば良い。とにかく二郎も二郎系も『食べ残し厳禁』だけは共通ルールだから、必ず食べきれる量で注文しよう」

6.着丼の直前にコールを聞かれる

芋子「麺が茹で上がったら、いよいよコールですね」

小野「千里眼の場合は店員の『何番様、ニンニク入れますか?』という質問がコールのタイミング」

芋子「とりあえずニンニクを入れるかどうかだけ答えれば良いのですか?」

小野「いや、分かりづらいけど、『ニンニク入れますか?』に対して『野菜マシ、ニンニク、アブラ』みたいに、ニンニク以外の項目も全部一緒にコールしてしまうんだよ」

7.初心者は絶対に「マシマシ」厳禁!!

芋子「あ、この写真はありがたいです。こうやってコールについて解説してくれているのですね」

小野「初心者は『ニンニク、アブラ』だけにしておいたほうが良い。『野菜マシ』は2回目以降かな。ちなみに千里眼特有の『辛揚げ』は途中から味変したい場合に『辛揚げ、別皿で』とコールしよう」

芋子「先輩、そろそろ着丼の写真を見せてくださいよ」

小野「いよいよ行くか。せーの、どーん!」

千里眼 ラーメン大盛 野菜マシ アブラ(※諸事情によりこの時はニンニクを入れなかった)

芋子「うわ、野菜が多いですね」

小野「いや冗談抜きで洒落にならない量だからね。麺よりも野菜を食べきれるかがポイントになる。

芋子「これ、ひたすらもやしを食べ続けないと麺にたどりつけないですよね」

小野「慣れてくれば、写真の状態から『天地返し』をして、麺を上にすることも出来る」

芋子「どさくさに紛れてAV女優の動画を載せないで下さい!

小野「天地返しが出来ない場合は、取り皿をもらって一旦それに野菜を入れておけばすぐに麺を食べることができる」

芋子「なるほど」

小野「ちなみに、初心者でなくとも初めて行く店なら『野菜マシマシ』は絶対にコールしてはダメ。以前『立川マシマシ』に行った時に『野菜マシマシ』でコールしたらとんでもない量が出てきてマジで死にそうになった」

某所の立川マシマシ 中ラーメン 野菜マシマシ アブラマシ

芋子「えーっ、野菜が別の丼で盛られて来るのですか!?」

小野「あのね、食べきれないと悟ったときに『食べ残し厳禁』のルールが脳裏によぎって、逃れられない恐怖に苛まれるからねマジで。それでも死ぬ気で完食したけど」

芋子「経験者の言葉は重みがありますね。皆さんは絶対に食べきれる量を注文しましょう!」

小野「とにかく初めて行く店で『マシマシ』は絶対にNGだ!!」

8.撮影禁止や携帯電話使用禁止の店もある

芋子「着丼したら、まずはスマホで写真を撮ってインスタに上げて~」

小野「おい、それを当たり前だと思うな! 千里眼は禁止じゃなかったからこうやって写真を撮ったけど、店内の貼り紙を見渡せば『撮影禁止』や『携帯使用禁止』の旨が書かれている場合があるから、店内の貼り紙も全部チェックすべし」

芋子「携帯も使えないって厳しすぎませんか?」

小野「いやそれが意外と多いんだよ。スマホのカメラを起動して写真を撮ってSNSを開いてコメント書いて写真を添付してUPするまでに大体1分以上はかかるわけじゃん。あと、途中でLINEが来たら食べるのを中断して読んで返信までしちゃったりする人もいると思うけど、こだわりのある店員なら麺が伸びてしまう前に1秒でも早く食べてほしいと考えている」

芋子「なるほど……」

小野「そういう貼り紙が無くても、店内の雰囲気的に写真を撮りづらいこともあるから、マジで写真は諦める覚悟で二郎系に臨んでいただきたい」

芋子「じゃあ、動画モードでこっそり撮って、あとでスクショすれば良いんじゃないですか? それならシャッター音も出ないし」

小野「それは最終手段だと思って欲しい」

9.早食いの練習もしよう

芋子「千里眼の話に戻りますけど、さっきの写真、『野菜マシ』でも結構盛られていましたね」

小野「あの盛りは他店なら『野菜マシマシ』に相当する場合もある。それくらい多かった」

芋子「でも、休み休み食べて、30分くらいかければ何とか完食できるかも」

小野「いや、まだ並んでいる客も多く居るかもしれないし、できる限り早く食べたほうが良い」

芋子「ああそうか。なら私は尚更『野菜少なめ』とかが丁度良いかもしれません」

小野「早食いを推奨するのはもう一つ理由がある。あくまで本家二郎の練習という前提で言うと、『ロット』を乱さないためである」

芋子「ロットって何ですか?」

小野「本家二郎では1回で6人分の麺を茹でる。これを『1ロット』という。理論上は、全ての客が1人前を15分で食べきれば、効率良く回転できるので、このロットを乱さずに客に提供できるらしい。30分とかかかってしまう客が出てしまうと『ロットが乱れ』てしまうとか」

芋子「もう本家は行かなくて良いんじゃないですか?」

小野「二郎系だけで満足できるならそれで良いよ。でも一度二郎系にハマってしまうと、『本家も食べてみたいなあ』って思うようになるよ」

10.丼とコップを台に置いてカウンターを布巾(またはティッシュ)で拭く

芋子「完食すればいよいよゴール、店を出るだけですね」

小野「いや、最後まで油断をするな。食べ終わったらまず、カウンターとキッチンを仕切る台みたいなところに丼とコップを置いて、台の上にある布巾を取って、客自らカウンターを拭くのが暗黙のルールだ」

芋子「もし布巾がなければ?」

小野「ティッシュで拭いちゃって良いよ。ただしティッシュはなるべくゴミ箱を探して捨てよう。丸めたティッシュも台の上に置いちゃう客も居るんだけど、マナーとしてはやはりゴミ箱だよね」

11.美味しいならルールやマナーを守ろう

芋子「というわけで、東北沢の『千里眼』を例に、二郎系ラーメンの複雑なルールやマナーを見ていきましたが、何故こんなに客が気を遣わなければならないのでしょうか」

小野「美味しいのなら、最低限のルールやマナーは守るべきだと思うよ。しかも二郎も二郎系も基本800円を超えることは無い(※2019年当時)し、それであの量を食べられるのだから、コスパの面でも最高だといえる」

芋子「あと、これだけの記事を書くのに3時間以上もかかってしまうの、何とかできないですかね? 結構速めにタイピングしているんですけど」

小野「ほんとそれな」


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