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【緊急討論】オタクに陽キャ増えすぎ問題

芋子「日本は今、空前の“推し活ブーム”ですね」

小野「いや良いんだよ。良いんだけどさ……やっぱ言わせて。オタク界隈に陽キャ増えすぎ!

芋子「それは良い事なのでは?」

小野「あのー皆さん、オタクのそもそもの意味、分かっていますか?」

お‐たく【御宅】

ある事に過度熱中し、詳しい知識をもっていること。また、そのような人。「アニメ—」

[補説]5は1980年代半ばから使われ始めた言葉で、当初はやや軽視する言い方だった。仲間内で相手に対して「おたく」と呼びかけたところからという。多く「オタク」と書き、また近年は「ヲタク」と書くこともある。

goo辞書(デジタル大辞泉)より引用

芋子「『当初はやや軽視する言い方』だったんですか?」

小野「当たり前だろ。モーニング娘。の全盛期(2000年頃)に、学校や職場で『俺モー娘。のファンなんすよ』なんて言ったら笑いものにされていた時代もあった、要するにオタクが“陰キャの象徴”だったわけよ。ところがAKB48の全盛期(2010年頃?)になると、AKBファンで居ることがそんなに恥ずかしく無い風潮になっていた。そして近年はそのへんにいる陽キャが普通に深夜アニメを観る時代に」

芋子「やっぱり良い事じゃないですか。オタクが市民権を獲得したのですから」

小野「オタクにコミュ力が問われる時代になったということでもあるんだよ。そこに疑問を感じるわけさ」

芋子「小野先輩が陰キャすぎるんですよ。推し活を純粋に楽しめていなさそう……」

小野「というわけで今回は、令和の推し活文化の実態と、陽キャオタクについて言いたいことを言わせて欲しい」

芋子(あ、これ、否定的な意見を架空の人物に代弁させてマイルドにする作戦ですね……批判コメント来なきゃ良いですけど)


1.ライブ全通組の実態

小野「今回は『ごちうさ』『五等分の花嫁』など出演作多数の人気声優・水瀬いのりさんのオタクを例に挙げます」

芋子「彼女は昨年夏から秋にかけてライブツアーを開催しましたね。5都市6公演でしたっけ」

小野「当然のように全通する人も少なくない。今回のツアータイトルは『SCRAP ART』だけど、ツアー名が刻印された物販のラバーバンドを6個持っていれば全通の証になる。ちなみに↓の人は過去のツアーもほぼ全通している模様」

芋子「全通って凄くないですか? セトリほとんど一緒なのに6回も観るって。お金めっちゃかかっていそう……」

小野「金額については別の全通したファンが計算していたけど、打ち上げやお土産、グッズ代なども含めれば約30万円も費やしたらしい」

芋子「え、お金ってこんな使い方して良いんですか? 老後大丈夫ですか?

小野「こんなので驚いてもらっちゃ困るよ。日帰りでもギリ行けるはずなのに、有休まで取って2泊3日の旅行をする人まで居るんだから。そういう人は現地の観光名所を巡ったり食べ歩きまでしているから、30万どころじゃ済まないかもね」

アカウントのログを辿ると、その声優のライブを観る為にわざわざ関東から仙台に遠征していた模様。ライブ自体は日曜の夜なので、新幹線を使えばギリギリ日帰りも可能なはずだが、そのファンはなんと前日の土曜から2泊3日で遠征していたのだ。牛タンを始め様々な仙台グルメを食べ歩き、ライブ後はフォロワーとエンカし居酒屋で打ち上げ、ホテルは1泊1万2000円で豪華な朝食付き。ただの推し活を「2泊3日の旅行」にスケールアップしてしまったのだ。しかも、会社が土日休みだとしても月曜は確実に有休を取っている。

当方128『健康診断とアブノーマル』より引用

芋子「これ、金土日か土日月で4都市を遠征し、地元の神奈川公演もライブ翌日(月曜)は休んでいますから、2ヶ月弱の間に5日間も有給休暇を取得したということですよね? 普通は会社が許してくれませんよ」

小野「お金や有休の問題もあるけど、『ライブ後はフォロワーとエンカし居酒屋で打ち上げ』の部分に注目して欲しいんだ」

芋子「Xのフォロワーとエンカウントするという新たなオタク文化が生まれ、オタクにもコミュ力が問われる時代になったわけですね」

2.同性ファンの実態

小野「次に同性ファンの実態について。水瀬さんはここ数年で女性ファンをかなり増やしており、女性オタク同士のコミュニティーまで出来ている模様。例えば↓の女子ね」

芋子「この人も全通しているじゃないですか! まだ21歳ですよ!?(※平均年収258万円) 実家暮らしならお金に余裕あるかもしれないですけど」

小野「ポイントは写真3枚目ね。8人も居るのに、1人を除き全員がビールを注文していない。男だけの飲み会ではまずあり得ないことだ」

芋子「全員女子ってことですか!?」

小野「まあそうなるよね。ちょうどハロウィンの時期だったからお菓子の交換までしちゃって女子力MAXだし」

芋子「オタクにコミュ力どころか女子力まで問われる時代ですか……」

3.楽観主義者の実態

小野「今度は楽観主義オタクの実態について。今回、水瀬さんはライブ中に深い話やお気持ち表明を何度もしており、個人的には色々考えさせられたんだけど、それに対する反応が軽いファンも少なくなかった」

芋子「例えば?」

小野「俺は神奈川公演しか観ていないけど、福岡公演(10/14)の幕間映像の内容をまとめてくれた人が居て、そこで水瀬さんはこんな発言をしていたらしいんだ」

Q: 1stライブ(2017年12月)と今で気持ちに変化はあるか?
・今はスタッフに「チームいのり」として何でも話せるようになったが、当時は人見知りしていた。セッティングや特殊な演出などしてくださるが、失敗したら嫌われてしまうのではないかという気持ちもあった。

・ファンの期待が大きい公演だった。上手にパッケージのようにお届けしなくては! という気持ちに駆られてしまい、のびのび歌うというより、自分の中のノルマを達成することに一生懸命だった。

・今は皆さんを楽しませるけど、なによりも自分の心が楽しめているか、というのを一番に考えるようになった。

有志のまとめより

芋子「深イイ話ですね……」

小野「俺はこのまとめを見て色々考えさせられたけど、なんか軽いというか楽観的な感じの人も居るんだよね。例えば↓とか」

いのりちゃんが1stライブとの心境の変化を語っていたけれど、自分も最初のツアーの時は地元の名物を食べるのに必死だったけれど、最近は名物にこだわらず、地元の美味しいお店(洋食屋さんとか喫茶店とか)に行くようになったのが一番の成長。

有志のXより、一部改

芋子「いや、これはこれで良い話ですよ。食べることが生き甲斐の人からすれば、これも立派な成長です」

小野「確かにそうなんだけどさ、この人、悩みが無さそうじゃん。『5年前と比べての変化』だったら、例えば仕事で昇進した、何かの賞を獲った、彼女が出来た、結婚した、環境が変わった……そういう大きい話が真っ先に思い浮かぶものなんじゃないの? そこで食べ物って……それが『一番の成長』だと言うのなら、仕事やプライベートの悩みも無さそうだし、人生が安定して楽しめているんだろうなって」

芋子(やっぱり、ただの嫉妬になってきた……)

小野「で、俺が現地参戦した肝心の神奈川Day.2(10/29、千秋楽)なんだけど、そこで水瀬さんは泣きながらこんな発言をしていた」

「“チームいのり”には、しんどい時とかでも弱音を吐けるようになって、みんな本当に優しくて大好きで……(涙)」

(中略)

 初めて水瀬のネガティブな感情を目の当たりにした私は戸惑うしかなかった。(中略)弱音を吐いた先が“チームメンバー”だったからだ。弱っていた水瀬を直接的かつ本質的に支えていたのは周囲の人々であって、我々ファンは1対1で会話することすら許されない遠い存在であることに気付いてしまったからだ。

(中略)

 私なんて、居ても居なくても変わらないのである。私が応援してもしなくても水瀬に何の影響も与えず、支え合ったチームメンバーの誰かといずれ結婚してフェードアウトするのだろう。

当方128『水瀬いのりの涙を見て、また自分の無力さを思い知る。』より引用

芋子「当方128さんが闇落ちしてしまった伝説のライブですね」

小野「そうなるくらい深く考えさせられるライブだったわけよ。今回のツアーはマジで楽観的に考えちゃダメだと思う。なのにさ、なのにだよ。これを見てくれ」

4.ファンサうちわの是非を問う

芋子「ファンサうちわ!? 非公式グッズを持ち込んだのですか?」

小野「非公式なのはまず置いておくけど、ファンサービスを求める行為って倫理的にどうなの?

芋子「うちわなんて今は珍しくないですよ。SMILE-UP.のファンとか当たり前のように持っていますし」

小野「スマイルアップって何?」

芋子「ジャニーズの新社名ですよ。いい加減覚えて下さい」

小野「特に水瀬さんに関しては、今回のツアーは“しんどかった”わけよ。それをMCで涙交じりに話していたにもかかわらず、最後退場する時にこのうちわを出して、『投げチューして』だの『エアハグして』だの、しんどい人に無茶ぶりまでさせて良いの? 頑張ったんだから最後くらい自由にさせてあげなよ」

芋子「うーん……全部終わった後なら良いんじゃないですか? 緊張も解けているでしょうし」

小野「俺、ファンサうちわって手作りで、ほんの一部の熱狂オタクが勝手にやっていると思っていたのよ。でも最近は完成品が市販されているらしいじゃん。だからスマイルアップやLDH、AKBなどのメジャー界隈はもちろん、ニッチな声優界隈でもうちわ勢が増えてきた。これは深刻な問題だと思う」

芋子「当方さんみたいに闇落ちする人も居れば、投げチューやエアハグをされて喜ぶ呑気な楽観主義オタクも居る。同じライブを観たのに不思議なものですね」

5.フラスタが唯一の救い

小野「そんな陽キャだらけの水瀬いのりオタクの皆さんだけど、一つだけ感動したことがあって、それがフラワースタンドの贈呈だ。コロナ禍では禁止されていたから、実に4年ぶりの解禁となる」

芋子「凄いですね。現代のフラスタはここまで進化したのですか」

小野「こういうのが1つや2つじゃない、たくさん飾られていた。その一つ一つに苦労や協力があって、それを詳しく書いてくれた人も居て、オタクの結束力って半端ないなって思ったよ」

芋子「これ、本体を作ったり業者に依頼するのはもちろん、絵師の協力も無いと成立しませんよね」

小野「そうなんだよ。だから水瀬さんのように同性ファンが多いのは強みなんだよね。女子には絵が上手い人が多いのは言うまでも無いし」

芋子「↓の衣装レポ凄いですね。イラストが上手いのはもちろん、枠線などトータルデザインにも凝っている。文章もオフショルとかエクステとか袖のぽわぽわとか、女子だからこそ気付ける視点なのも良き」

小野「彼女たちのイラストを見るだけでも癒されるから、なんやかんや俺は水瀬いのりさんのオタクを続けてきて良かったのかもしれない」

芋子「フラスタの話だけで良かったですね。前半のネガティブ要素、要らなかったじゃないですか」

小野「3時間もかけて書いたから、勿体無いので全部載せます」

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