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怒られないようにするだけでも成長できる

 先日、部屋の片付けをしていたら、前々職のコンビニ店長時代に書いた文章が発見された。

 この紙を事務室の掲示板に貼ったのか、画像化してスタッフのLINEグループに投稿したのかは覚えていないが、『緊急提言』というタイトルからして余程のことが起きたのだろう。うろ覚えだが、能力の低いスタッフを怒らない私にヘイトが集まったとか、そんなところだったと思う。

 前半部分のみを以下に引用する。

 社会人経験8年半の中で、苛立ちと闇落ちによる大きな失敗が数え切れないほどありました。

 1つ目はこの仕事を始めて2年目、まだK店で店長の下に居た頃のことです。
 怒られる回数も減ってきたある日、新入社員が入りました。
 その男は最初こそ店長に怒られてはいたものの、ある日を境に新人時代の私と同じ失敗を繰り返しても怒られなくなったのです。
 加えて社員とは思えないほどお気楽で調子の良い言動がとどめを差しました。
 私は納得がいかず、2時間もかけて男の勤務の様子を防犯ビデオでチェックし、粗を探してはメモを取り、それを本人にぶつける予定でした。

 しかし、その様子を見たスタッフが店長に報告し、結果的に怒られたのは私でした。
 ようやく気付きました。男の人柄が店長に気に入られたのだと。

 補足すると、コンビニ時代は入社して最初の一年半は怒られまくった。社会的にパワハラがうるさくなる前の時代だったこともあり、相当酷い言われ方をしていた。例えば「揚げたてを冷まさずにお客様に提供してんじゃねえよ。熱すぎて食えねえんだよ。食ってみろやオラァ!」とか、そんな感じである(揚げ物はマニュアル上は揚げ後3分ほど常温で冷ましてから什器に陳列することになっている。実際その通りにしている店は少ないだろうが)。

 強い言われ方をされすぎて、「怒る上司が嫌だ」「何故そこまで怒られなければならないのか」という鬱な気持ちにしかならなかった。加えて、この新入社員のように“陽キャ”というだけで怒られない人も居るのは不公平だと感じた。そうやって余計なことばかり考えてしまい、「怒られないようにするにはどうすれば良いか」というシンプルな思考の切り替えには辿り着かなかったのである。

 ***

 飲食業に転職して3週間が過ぎた。昨日は30代中途組のLINEグループにこんな質問をした。

『ちなみに、忖度せずに教えて欲しいのですが、皆様はまだ誰かに怒られたりしていますか?』

 二人から『誰かにがっつり怒られた記憶は無い』『そんなに怒られたことは無い』と返ってきた。一人は無回答だが、おそらく同じような感じなのだろう。中途はそんなものなのだと初めて気付かされた。現実を知る意味でもLINEグループを作って良かったと思う。

 一方、私は未だに怒られまくっている。人事部の方は「口の悪いスタッフも居るけど気にしなくて良い。そういう人は皆に怒っているから」と言ってくれたが、では何故怒られない人も居るのか。

 そして、どうしても比べてしまうのは学生スタッフである。先週、こっそりやっているブルースカイにこんな日記を書いた。 

 ここに挙げている女子高生スタッフは入社から半年以上も経過しているが、週3~4回、夕方の2時間しか勤務していないのに上達しているのだ。加えて二回りほどの年齢差を考えると、やはり自分の愚かさが目立つ。もっと言うと、彼女だけではないのだ。しっかりしている学生スタッフを既に何人も見てきた。

 学生に教えてもらう時は「これやんないと店長に怒られるから」みたいな言われ方をする。未成年の思考回路は良い意味でシンプル。ただ「怒られないようにする」だけなのである。それを意識するだけでも実際に成長できるのだ。

 私も余計なことを考えず、ただ怒られないことだけを考えれば良いだけなのだが、16年間怒られすぎて感覚が麻痺してしまったようだ。どうせ怒られると諦めの感情にすらなってしまう。今更シンプルな思考に戻るのは難しい。昨日の夜は『ジョンソン』を観ている間さえもそんなことばかり考えてしまった。


【おまけ】創作小説進捗状況

 現在、連続小説の第一話を執筆中である。連続といえど、今作も各話ごとに独立したストーリーにはなっており、第一話はアイドルの話とだけ予告しておく。そして、起承転結の“起”がようやく終わったところである。さてさて何文字になったかな……。

 長いよ。

 全体で8,182字と長めの『ガーリーな魔法少女』ですら起は2,152字にしかならなかったのだが、今作の第一話は起だけで既に3,000字を超えている。大丈夫か? あまり長すぎると最後まで読んでもらえないかもしれない。削れるところは削ったほうが良いかも。このペースだとアイドルの話は第二話までかかりそうである(何となくだけど一話あたり7,000字以内か、長くても8,000字以内にしておきたい)。

 ちなみにタイトルは現時点で『陽キャになれる島』というダサい感じですが、あまりそこだけに惑わされずに読んでいただけると嬉しいです(完成してから言え)。第一話サブタイは『かげりとあかり』です。このタイトルの記事が上がったら、それだと思って下さい。4月中に投稿できるか微妙ですが。

11:07追記

 このタイミングで『創作大賞2024』の情報解禁かよ……7月23日までに完結させないといけなくなったではないか……長いような短いような……。

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