見出し画像

年末のフン騒動。ハトからも丁寧なごあいさつされた話、今年もおつかれさま。

御用納め。クリスマスをすぎれば年の瀬となり、各地では忘年会が騒がしくなるのだが、今宵の夜は少しばかり雨模様でもあり、人通りは少なめ。「今年はお世話になりました。」と挨拶もさることながら、「来年もよろしくおねがいします。」とお世話になりっぱなしのご丁寧な切り返しも忘れない。素敵な年末を過ごすべく、せかせか帰ろうと足早にデスクを立ったところで、今日の昼間のみょうな出来ごとを思い浮かべた。

いつものようにお昼ごはんを食べて、昼は公園でイヤホン片手に散歩へと出向くが、今日は何気ない空きのベンチに腰掛け、入りたての音楽配信サービス「Spotify」で選曲していた。ところが、一羽の鳩が近くを羽ばたきながら横切り、私の真上の木々に止まる。もしかしたら、例のハトフン落としか。」さて、スマホ画面を見つつも、上への意識にも気を配ることで全然集中できなかったところ、鳩はささっと地上に降りてくる。私との距離2m範囲まで一気に距離を縮めてきた。

人懐っこさを見せる鳩に親近感が湧き、もはやスマホなぞ見もせず、鳩に釘付けの状態だった。すると鳩は顔を合わせることは一切せずに、手で触れられる程のパーソナルスペースまでやってきた。逆に私のほうが物音を立てないように気を使わねばならず、その場に凍りつき目を合わせることができない。

数秒間。イヤホンの音が止まり沈黙が続く。次の瞬間、鳩は「ささっと旅立った」。しかし、私は鳩を見れなかった。なぜなら、鳩がベンチの横に”白き液体上の物体”をしっかり残していったからだった。乾きもない、すばらしいハトフンをさぞご丁寧に。

まあ、考えてみれば来る前から至るところに鳩のフンが見られたわけで、このベンチが自然と鳩の便所と化していたのは自然と想像ができた。公園を使う時は、下の汚れを見るだけでなく、上を向いてさらに”横”も意識する必要があると心得た。

それでも、今年の御用を納めた日に私は思うのだ。あれは、上から目線ではなく、同じ立ち位置からエチケットとして差し出した、今年最後のごあいさつだったのだと。目も合わさないハトの素敵なあいさつと、年の瀬を感じる時間に少しほっこり出来た。仕事をがんばれた自分とハト、1年間おつかれさま。また来年も良い1年を迎えよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?