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EP.56【台湾発】新たなアイデア、startupsへ

ネットワーク効果: Andrew Chenの「コールドスタート理論」part-3

2人より大きな原子的ネットワークはあるのか?

ハーバード大学発のFacebookは、まずハーバード大学内でネットワークを構築し、次に他の学校、社会へと広がり、最終的に世界中に拡大しました。Facebookにとってキャンパスごとのネットワークが、初期の原子的ネットワークだったのです。Airbnb、Uberなどの共有サービスについては、両面市場の性質上、多くの供給者と需要者がいなければネットワークは安定しません。

より伝播しやすく、つながりやすい製品を作る:製品のインターフェースや機能が使いやすく、製品の概念と価値提案が簡単に説明できれば、厄介な需要側のユーザーを説得しやすくなります。例えばZoomの「リンクをクリックするだけで参加できる」ビデオ会議ソフト、YouTubeの「様々な動画を閲覧できる場所」などがその例です。  

一部のネットワークには容易な面と困難な面があります。が、コミュニケーションソフトや SNSプラットフォームのように、製品の特性上そうした区別がない単一のネットワークもあります。

YouTubeを例にとると、動画を視聴する消費者は容易な面ですが、動画をアップロードするクリエイターは困難な面です。クリエイターはより多くの労力と時間を費やす必要があるからです。プラットフォームにとって、困難な面はより高い価値を生み出します。大多数の視聴者は、ごく一部のクリエイターのコンテンツによって惹きつけられているのです。  

ここで問題が出てきます。困難な面は通常、供給側です。つまりコンテンツクリエイター、宿泊施設を提供する家主、移動サービスを提供する運転手などです。しかし製品の初期段階で、どのような価値提案がこの困難な需要側のユーザーを惹きつけることができるでしょうか?

ここでの洞察は、人々が手持ちの遊休資産や時間を活用し、何らかの目的や欲求(収入獲得、注目獲得、パートナー探しなど)を満たすことを可能にすることにあります。例えばUberやAirbnbでは、自身の空いている車や家を賃貸するという共有サービスを提供しています。YouTube、TikTokでは、人々が自身の時間を使ってコンテンツを作り、その中から注目や収益を得ることができます。


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