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EP.51【台湾発】新たなアイデア、startupsへ

2004年以降、イギリスはデニムに関する検索で世界第2位の国となっており、2023年には検索数が過去最高を記録した。

毎年2月からデニム関連の検索数が上昇し始め、6月にピークを迎える。

デニムへの願望:イギリスの青ジーンズ愛が色あせない

流行り廃りの激しいファッション業界において、1つの生地が揺るぎない人気を保ち続けている。それがデニムだ。かつては金鉱夫やカウボーイの作業着に過ぎなかったこのタフでスタイリッシュな生地は、その humble(卑賤な)な起源を超え、今やグローバルな現象となった。多くの国がデニムの魅力に酔いしれているが、イギリスはデニム愛好国として確固たる地位を築いており、2004年以降、世界第2位のデニム国と評されている。

数字が物語る通り、検索データによると、イギリスのデニム憧れは2023年に前代未聞の高みに達した。国民からのデニム関連検索が過去最高を記録したのだ。しかしながら、この飽くなき渇望は目新しいものではない。年を追うごとに正確に繰り返される周期的なパターンなのである。

冬の寒さが和らぎ、春の兆しが見え始めると、イギリスのデニム熱は目を覚ます。きっちり組まれた振付のようにデニム関連の検索が2月から上昇し始め、月を追うごとに勢いを増していく。そしてこのデニム願望の頂点が6月に訪れる。その時期、国中が青ジーンズ、デニムジャケット、時にはデニム風のアクセサリーに包まれるのだ。

だが一体デニムにどんな魅力があり、イギリス国民をこれほどまでに魅了するのか?おそらくそれはロンドンのファッションランウェイでも、市街地でも似つかわしい、その柔軟性にあるのだろう。デニムには社会階層を超越する不思議な力がある。すべての人々を等しく包み込む、生きた絆(いけにく)となっている。

一部のデニム愛好家にとって、この生地の魅力は使い込まれた頑強さ、働く階級の証にある。彼らは無垢の生デニムを求め、体や人生にデニムが馴染んでいく過程を体感する。それぞれのシワやあけ色に物語が宿るのだ。一方で他の人々は、デニムを自己表現の道具と捉える。デコレーション、ダメージ加工、個人的なカスタマイズの絶好の素材なのである。

そしてまた、デニムをタイムレスなクラシックの着物の定番と見なす人々もいる。この愛好家たちは強迫ともつかずつかれぬ執念で完璧なジーンズを探し求める。適したジーンズが見つかれば、人生の上り下りを共に歩む信頼できる相棒となるはずだ。着るごとに馴染の度を深め、愛着が芽生えるのだ。

実用性とスタイリッシュさを兼ね備えたデニムは、イギリスの文化にも深く根付いている。パンクロック黎明期のアイコニックなデニムスタイルから、現代のファッショニスタのデニム・オン・デニムまで、デニムは世代やサブカルチャーを超越する共通語となっている。

時代は移り変わり、新しい流行が次々と現れては消えていく。しかしイギリスのデニム愛は決して色あせることはない。年を重ねるごとに、デニム熱は過去への懐かしさと現代への造形美への賞賛から、燃え上がる思いを新たにする。

気温の上昇とともに、検索エンジンがデニムのクエリで煌めく中、イギリスは胸を張って言えるだろう。デニム狂はたんなる一過性の現象ではなく、世代を超えて息づく文化の深い痕跡なのだと。


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