ゴルフボールをより飛ばすために必要なヘッドスピードの物理的視点解説

ボールをより飛ばすためにはヘッドスピードが速くある必要があるが、ヘッドスピードとはそもそもなんなのか物理的視点で考える。
ドライバーを例に考える。
まずドライバーなどのクラブは振り回す。
振り回すということは手もしくは体を支点にヘッドが回転するということ。
回転運動を行うためには向心力(一般的には遠心力と呼ばれているもの)が働かなくてはならない。
回転運動の公式は以下になる。 

書き換えるとこうなる

ヘッドスピードは「向心力」「回転半径」「ヘッドの質量」に依存する
「向心力」は後で説明
「回転半径」はドライバーの長さや腕の長さ
「ヘッドの質量」はそのままヘッドの質量
※式を簡略化させるためシャフトの質量などは無視

これらの増減でヘッドスピードを大きく(速く)することができる

しかしこの中でも「ヘッドの質量」に関しては軽ければヘッドスピードははやくなるものの良い訳ではない。
ゴルフはクラブのヘッドにボールを当てて飛ばすという前提なので、もちろん軽ければヘッドのスピードは速くなるが、インパクト時運動量保存の法則によりボールに運動量を与えることができないからボールが飛ばせず本末転倒になる。

つまりボールを飛ばすためにはヘッドの質量をあまり変えずにヘッドスピードをあげてやらなければならないので残りの「向心力」「回転半径」を変える必要がある。
まず「回転半径」は腕の長さは変えれないのでできるだけクラブを長く持つ必要がある。
「回転半径」についてはこれだけで、あとは「向心力」次第になる。

「向心力」について説明する
実際ドライバーを振るさいライ角が60°ぐらいだとしてこのような回転になりさらにインパクト時「向心力」は常に中心方向なのでこのような方向になる。

座標を設定してx方向、z方向に分解する。(y方向はこの瞬間は0)

インパクト時

向心力はNcos30°とTcos60°の合成になる。

z方向のNの力は上方向の力で主に地面の反力で生み出せる。
この力は向心力の方向に対して√3/2倍(0.87倍)しかされず、ヘッドのスピードにとても大きな影響を与える。
下半身の力で地面の反力を生かして振れ」とよく言われるのはこれで説明できる。

次にX方向のTの力だがこれは自分の背中方向の力であり後ろに壁でもない限り反力も生かせずあまり大きな力をだせない。さらに向心力に対して1/2倍(0.5倍)も減りNの力と比べて影響が少ない。
このTの力に関しては無理くり手に力を入れて大きくしようとするよりはそもそもヘッドが自分を支点に回転できてるか?を考えた方が有益だ。
例えば下のようにアウトサイドインの軌道になってしまえば回転運動ででなくなるのでTの力が影響しなくなる

ヘッドが綺麗なインサイドインの軌道をとれば回転運動としてヘッドが走るのでTの力の影響が出せてくる。「インサイドイン軌道にしなければならない」とよく言われるのもさらにこれで説明できる。

まとめるとボールをより飛ばすために必要なヘッドスピードは物理的視点でみると「向心力」「回転半径」「ヘッドの質量」の3つが影響を与える。さらに重要な「向心力」は地面の反力を生かすことやインサイドインの綺麗なスイングが物理的な視点を持ってみても必要だということがわかる。


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