見出し画像

円谷英明のつれづれなるままに==番外編①==

こんにちは!
円谷英明です。今回は父親「円谷一」(つぶらや はじめ)について書いてみます。概略は円谷一 - Wikipediaを参考にしてください。

父はじめはとても子煩悩でした。
ウルトラマンシリーズの撮影中はとても多忙で帰宅はいつも深夜になることが多かったです。
私が幼い頃は東京都北多摩郡狛江町に住んでいたので仕事には自動車で通勤していた記憶があります。当時(1963年頃)の狛江はまだ道路が舗装されてなく車通りも頻繁では無かったです。周囲の住宅にもガレージがない感じだった。
私は、父親がどのような仕事をしているか認識が無く(幼稚園だから仕方ない)休日に遊んでくれることがとても楽しかったです。
まだ、日曜日しか休日が無い時代なので印象が深いのかも知れませんが!

円谷家はクリスチャンなので日曜日は教会に行くのが習わしでした。
狛江から成城の教会まで車で行き、その後は祖師谷の家(円谷英二の家)で時間を潰していました。祖父の家は庭が広くそこで遊んでいる8ミリ映像や写真は多数残っています。撮影は円谷英二、円谷一!なんと豪華なカメラマンでしょう。
祖父円谷英二との思い出は別の機会に掲載します。

父の印象はとても明るい性格だった記憶があります。
私はかなりの悪ガキ(当時の表現)だったのでかなりの悪行をしましたが父から怒られた記憶がありません。ただ記憶が無いのか、上手く忘却したのかは確認が出来ません。我々兄弟と遊んでくれる時はいつもふざけて子供達を笑わせてくれました。写真もそのような写真が多いです。
優しい父は、夏休みの早朝から虫取り(カブトムシ、クワガタ)に私の気配を察知して態々起きてきて虫取りにつきあってくれたこともよくありました。多分、夜中まで仕事していたのに。その時はとても嬉しかったので今でも映像が鮮明に残っています。(狛江に住んでいるとき)

私が小学校2年(記憶では)の時に祖師谷の英二の自宅敷地内に新築をして引っ越しました。同じ敷地に祖母マサノの妹夫婦(今津三郎さん)も住んでいたのでかなりの敷地面積。今津さんは長く円谷プロの総務で活躍しました。
この頃は父がウルトラマン関係の仕事をしているのをようやく私は理解した気がします。
ウルトラQの最初の放送は怖くて見られなかったですがウルトラマンの放送はテレビにかじりついて観ました。この感じは他の子供と一緒です。
ただ、テレビはカラーテレビでした。ウルトラマンの前の番組は白黒放送だったので番組冒頭に「カラー」と表示されていたのが印象的です。
当然父は多忙なため一緒に観賞できませんでしたが!

上記の写真は同時期の物だと思います。
祖父円谷英二が所有していた伊東市八幡野の別荘の屋上で撮影した写真です。縞のセーターを着ているのが私、白のセーターを着ているのが弟の寛です。円谷浩 - Wikipedia
この撮影時にもみんなで空中に浮いている(当時の表現では飛んでいる)写真を撮るために何度も撮影した記憶があります。
伊豆の別荘には円谷家はよく行っていたので思い出はたくさんあります。
円谷英二が亡くなったのもこの別荘になります。
ちなみに左側写真に写っている奥の山は大室山(通称はげ山)です。

父は学習院大学を卒業していますが高校は?
祖母マサノに聞いたことがあります。
世田谷学園??と言われた記憶があります。
部活は野球をしていました。よくキャッチボールをしましたが片鱗を垣間見た記憶があります。グローブ、バットの野球道具に関してはよく買ってもらいました。大学では野球をせずにホッケー部に所属していました。
写真も残っています。

仕事中の円谷一はどんな感じだった?
現場ではかなり厳しかったみたいですが私の知っている仕事中の父は(いつも酒席ですが)まったく違いました。スタッフと飲んでいる時は優しい語り口で声を荒げること無かったです。ほぼ毎日でしたが主要メンバーはほぼ固定??(編集の柳川さん、脚本の金城さん、名前を覚えているのは)
脚本家の人たちは祖師谷の近くにあった「よさこい」(多分合っている)に滞在して執筆活動していました。当然、台本の変更、新台本の打ち合わせ、みなさんとても忙しかったと思います。
彼らも父の悪ふざけのターゲットになりました。
高山さんが作った怪獣の着ぐるみを着て彼らの居留していた軒先に現れ驚かしたエピソードは有名です。

亡くなる間近の父は数多くの作品の企画、撮影に携わっていました。
かなりの心労だったでしょう!
前日も隣の今津さんの家で頭が痛い、頭が痛いと言いながらお酒を飲んでいました。(私も最初だけ同席していた)
翌日の早朝にその時は来てしまいました。
隣が幸野病院(救急病院)ですが私は救急車に電話して傍らに佇むしか出来なかったです。
悲しい知らせは三時間後にきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?