リア友0でTCGの交流会を開催してみた結果

はじめまして、そよぎやと申します。
私は先日、愛知県の刈谷市にて、タイトルの通りカードの交流会を主催し、11名の方にお越しいただいて大会をしたりフリープレイをしまくったりすることができました。

今回はそのレポートをまとめることによって、私のように交流会の運営側に興味はあるけどもどうしたらいいかわからないという人の一助になれればと思い記事にすることにしました。

・まず初めに

今回催したカードタイトルは「カードファイトヴァンガード(Vスタンダード)」です。(以下VG)
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、前提知識としてこのタイトルの置かれている状況について少しお話しします。

VGにはいくつかのレギュレーション(スタンダード)が存在しますが、このうちVスタンダード(以下Vスタ)は既にスタン落ちし、店舗大会は続いているものの、1年半ほどは新商品の発表のない状態となっています。
が、私は周囲の友人がスタン落ちからVGを離れた後もリモートや店舗大会で相手を探して今日まで細々と生き延びてきました。
最近になりリアルの余裕が生じた時、もっと色々な人と遊びたいと考え、今回交流会を開催しようと決意しました。
しかし定期的に会う仲間は皆引退し、頼れるのは大会や交流会に出た際に認知していただいてる程度の仲か、リモートで遊ぶ遠隔地の方々ばかり。
そもそも需要も不明。
そんな中で自分が参加者の方々を集めた方法や反省、途中で思いついてできなかったことなどを紹介しようと思います。

1.来場者の想定

最初に行ったのは来場者の想定です。
VGのVスタの交流会を行うのは決めていましたので、来場者は当然にVスタのプレイヤーです。
ではどこから来るか。
愛知県内からというのはもちろんあります。私自身、Vスタを愛知県で開催するという点にこだわったのは県内の交流もありましたが、自分が栃木や神奈川に行ったように県外からも来ていただきたいというのもあり、そこが企画までにおける軸になっていました。
また、自分がリモートで知り合った方、交流会で知り合った方は関東・関西の方が多く、宣伝にはその方々にも頼らざるを得ないだろうという考えも念頭にありました。
なお、Vスタプレイヤーのボリュームゾーンは現行のスタンダードと並行している方のため、ここの考察がもう少し深掘りできていればというのがあったのですが、その点は総括にて後述します。

2.開催地を選定しよう

来場者を県外・県内ともに集めると決定して、開催地を選定しました。
今回私が選んだのは刈谷市、JR刈谷駅前の公共施設の会議室です。
まず、カードゲームの交流会を行うのであれば必要なのは机と椅子、そして広いスペースというのは想像に難くありません。
一般人が用意できるのは貸し会議室、カードゲーマーならどこかのカードショップのスペースと言ったところですが、残念ながらホームショップを持たないぼっちには貸し会議室一択となります。
机と椅子とスペースが用意できるのであれば他の選択肢もあるかもしれません。
刈谷駅という土地ですが、これは「県外から来る人、特に新幹線を使う人は名古屋駅を経由する」という、来場者予想に基づいています。
県外から来る=愛知県に土地勘がない、となれば会場まで迷わず行けるという条件は必須です。
よって迷駅とまで揶揄される名古屋駅での乗り換えは簡素でなければいけません。デラックスなどで名駅を歩かれている可能性はありますが、あの時の会場は空気を運ぶあおなみ線、JRとの乗り換えが一番容易な線のためあまりアテにできません。
この時点で愛知県内のJR沿線というのはほぼ確定しました。名古屋駅、金山、大府、刈谷、安城、岡崎です。
人口的には名古屋に寄った方がいいですが、名古屋駅金山駅周辺の貸し会議室の相場はやはり頭一つか二つ抜けています。大府、刈谷、安城を比べると刈谷はJRだけでなく名鉄線が止まり、公共施設として比較的安価に借りられる会議室が駅から連絡通路で直通するという良立地であることに気づき、刈谷駅を開催地としました。

3.広報について考える

次に考えるべきは広報です。
私は実際には企画から考えてしまっていますが、途中でこれがミスであったことに気づきました。
トナメルにてページを作成してから開催までは2ヶ月間、企画内容はその間でも余裕を持って考えられますが、広報は開催を告知した瞬間から始まります。
なので、企画よりも先に広報の方法を考えなければなりません。

当初私が考えていた広報手段は以下の通り

①Twitterによる告知と折りに触れての引用ツイート


これはメインです。カードゲームの情報と言えばTwitterです。インスタは良くも悪くも陽キャのSNSで、動画投稿などの媒体とてそもそもTwitterで告知しなければ人が集まりません。オタクの情報はTwitterから始まります。
ちなみに募集当時の私のフォロワー数は43名、単独のポストで稼げるインプレッションは30そこそこ、交流会用にハッシュタグ盛ったポストでも150届くかどうか。
どこにいるかもわからない、まだ見ぬVGプレイヤーに届けるにはあまりにも非力なアカウントです。こんなザマでよくも「やれると思った」などとのたまったもの、真性のバカです。

②店舗大会に出ての直接の声掛け

知らないVスタのプレイヤーを探そうと思ったならVスタの大会に出れば良いという発想です。間違いなくそこにいるわけですから……とは限りません!
なぜなら現在のVスタの店舗大会は一定の店舗以外は2人集まって試合が成立するかも怪しい過疎っぷり。行ってもプレイヤーがいません。
「一定の店舗」の常連プレイヤーには協力してくださる人がいらっしゃったのでそちらに甘えて、私は県内の他の店舗を周りましたが実際に営業を掛けれたのは10人に届きませんでした。

途中からやってみたこと
③Twitter広報の見直し

Twitterを使わないと始まらない、この点に異論はありません。
まず初めに交流会告知の引用ツイートを毎日行うこととしました。もちろん、ハッシュタグも付けます。
後で調べましたが、告知の元ツイートのインプレッションは概ねこの引用ツイートの合計と同数です。千、二千ほど引用の合計の方が少ないくらい。つまり引用すればするほど元ツイートのインプレッションは増えていきます。
そしてインプレッションが増えればフォロワーの多いプレイヤーにリポストしてもらえる機会も増えます。
いわゆる有名プレイヤーにリポストしていただければそのインプレッションは跳ね上がります。
私の引用ポストで1番多かったインプレッションは5000を超えましたが、これはとある方にリポストと引用をしていただいてから急激に伸びました。虎の威は借りまくりましょう。繋がりのないところから人を呼ぶのにはインプレッションを稼ぐのが正義です。

④Twitterで主催者の人柄がわかるようにする

私はカード用のアカウントでやっているため、普段何をしているかという発信はあまりありませんでした。
知らない人について行ってはいけませんではないですが、主催者がどんな人間かを発信しておくことで不安を一つ解消できると考えました。
とは言っても容易に顔出しに踏み切るのは難しいSNS、私は声入りの動画の投稿を行うので精一杯でした。
できれば動画投稿などをして素の自分を出したいなとは思いましたが、後述のアンケートを見るとあまり気にしなくてもいいかもしれません。
また、人柄の発信の一環としてこの前記事でデッキに関する考察を投稿しています。
閲覧数が見えないのでこちらはどの程度伸びたのか手応えのわからない売名ではありましたが。

やってみたかったけど間に合わなかったこと
⑤名刺を作る

店舗大会での対面に営業を掛けるのはいいのですが、大会ページをスマホに出して説明するのが精一杯です。
実際に参加者の中には店舗でお話させていただいたものの、名前を忘れてしまい、Twitterで偶然再発見していなければ辿り着けなかったという人もいました。
名刺にTwitterのアカウントのQRコードを入れておけば、そこで交流会の情報を発信できるので営業が無駄になってしまうリスクを避けられます。

⑥現行のレギュレーションの大会に出る。

Vスタの店舗が過疎っているので現行レギュで人に会うしかありません。
先述しましたがVスタンプレイヤーのボリュームゾーンは現行レギュとの並行であるため、このコミュニティに飛び込んで行くのは割と効果が高いと考えます。

4.企画について考える

今回の場合、企画についてまず考えなければならないのは運営1人でできるかどうかです。
上記の理由から、催し物はスイスドローでの順位決めとガンスリンガーでの連続フリー対戦と決まりました。
スイスドローは各参加者の勝ち負けの回数をメモしておくだけでマッチングができますし、ガンスリンガーはフリーならば空いた参加者と合わせるだけなので1人でも管理ができると考えたからです。
また、参加者が少なかった場合に備えた企画などもある程度用意していました。人が少なければギリギリの変更も、その場での話し合いや提案もしやすいためこれこそギリギリまで考えられます。
広報より後回しでどうにか間に合うわけです。

大枠が決まればそれぞれのシーンでどうするかの想定です。
スイスドローのマッチング→来場時にネームプレートを書いてもらってそれをシャッフルしながら机に置く
勝敗管理→対戦終了時に両者でネームプレートを持って運営卓へ来てもらいそこで報告、ネームプレートの裏に戦績を書きこめるようにしておく。
参加者が奇数だったら→不戦勝として、主催者と運営卓で対戦。会の進行によっては中断のおそれがあることを事前に説明しておく。勝敗報告は運営卓まで来てもらうので対戦しながらでも対応可能なはず。
と言った具合です。
この辺りから用意しなければならない物も見えてきます。大体のものは100均かAmazonで揃いますし、ネームプレートや名簿、その他進行に必要なものはExcelや Wordで作ってコンビニで印刷できます。便利な時代です。

5.賞品、景品について考えよう。

割と初期の方での不安はどの程度の賞品、景品を用意すればいいかという点です。
交流会全体の予算に関わってくるのでなるべく抑えたいですが、少なくて何か言われるのも怖いと感じます。
そもそも貸し会議室を1日借りようとすると1万円前後はかかります。
仮に参加費500円で募集した場合、20人集めないと会場費すら賄えません。
1000円だと参加を躊躇われてしまいそうですし、700円などにするとお金の管理が難しくなります。
3000円5000円の参加費で瞬時に枠を埋められる人もいらっしゃいますが恐らく一握り、零細は赤字覚悟で突っ込むしかありません。
私の場合はプレイマットを優勝賞品に、その他サプライをなるべく安く集めて参加者の半分になるようにしてくじ引きの景品としました。
残り半分の方はパックで、という想定です。

6.実際に1人での運営は可能なのか

今回の11人スイスドロー及びガンスリンガーで言えば、可能であると言っていいと思います。
参加者の勝敗管理がしやすいように準備をし、想定を重ねて重要な説明のカンペを書き、リハーサルをすれば十分に間をもたすことができると思います。
ただし、11人という人数に対して1人はかなりギリギリだったかとも思います。
12人、14人ならまだどうにかなりますが、13人で、不戦勝の方と対戦しながら勝敗管理をするのはかなり難しいです。実際に自分は1回、勝敗を逆に書いてしまい、ギリギリで気づくミスをしています。上手く表現できませんが、1人で同時にできるタスクには限界があるということでしょう。
会の直前で1番怖かったのは自分の体調管理です。
体調不良になってしまえば多くの方にご迷惑をかけることになります。そういう意味でも、仲間と運営した方が安心ではあります。
やってやれないことはありませんが、仲間と運営した方がメリットがあるのは確かなようです。

7.アンケート結果

実は今回、参加者の皆様にアンケートをお願いしました。
以下、その内容と考察です。
全て複数回答可、無回答可として選択肢に丸を付ける形式となります。(「その他」の選択肢を選んだ場合は記述)
また、参加者1名が途中退出のため回答者10枚となります。

1).VGの交流会に参加するとして、参加しやすいと思う場所をお教えください。

①名古屋駅周辺  7名
②大須周辺 3名
③刈谷駅も悪くない 6名
④その他 (刈谷も良い!!) 1名

まずは開催地に関する質問です。
開催地を決定してからの疑問は、行ったことのある場所の方が参加しやすいと感じるのではないかという点です。
愛知県及びその周辺に暮らすカードゲーマーならば、名駅と大須商店街は訪れたことがあると予想されますが、刈谷駅に訪れる愛知県民はそう多くはいません。刈谷よりも名古屋、大須にかなり票が集まるのではないかと予想していました。
しかし予想に反して大須は3票に留まりました。
回答者ごとにみると大須を選択している人は全員が大須単独ではなく名古屋駅と共に選択している点は注目すべきです。大須にアクセスが良いのと名古屋駅にアクセスが良いのは愛知県北西部ではほぼ同義です。刈谷よりも大須となるのはそちら側にお住まいかもしれません。
また、刈谷駅を選択した6名のうち3名が単独で刈谷駅としている点も興味深く、推測ですがこの3名は三河地方側の人かもしれません。
要するに「参加しやすい場所」の要因は自宅からのアクセスであり、行ったことあるかどうかはあまり関係ないと考えられます。
さらに、今回の交流会では車やバイクで来場された方が5名いらっしゃいます。県外組の方々は当然に名古屋駅で降りたいでしょうが、鉄道を使わずに来られた方々に取っては名駅や大須などは車で行くところではありません。車社会愛知県、車での来場はもっと想定して然るべきだったかもしれません。
名駅、大須に比べて劣るという考えと、参加者は既に刈谷に訪れた方という考えから「刈谷も悪くない」という選択肢としましたが、その他で「良い!!」とおっしゃってくださったのは励まされました。ありがとうございました。

2.参加を決めるにあたって不安と感じたことがありましたらお教えください。


①聞いたことのない(行ったことのない)土地である。3名
②変なプレイヤーがいないか心配 3名
③主催者の人間性がわからない 0名
④疎外感を感じないか不安 3名
⑤交通費や参加費に見合ったメリットがあるかわからない 1名
⑥その他
(参加者が集まらなくて人数が少なくならないか不安) 1名

こちらは参加者を集めるにあたって何に気をつけるべきかを知りたくての質問です。
まず第一に見ておきたいのは「変なプレイヤーがいないか心配」だが「主催者の人間性は問わない」という点。Twitterで落第点でなければOKというところでしょうか。
「変なプレイヤー」の定義は人により、またこちらから中々警戒しにくいところがあります。これは来ないことと問題を起こされないことを半々にお祈りでしょう。
いざという時は毅然とした態度で臨む覚悟だけ固めておきましょう。その場の最高権力者は自分です。
「疎外感を感じないか不安」、これはもうこちらから話しかけていくしかありません。正直、運営的には参加者にお聞きしたいことは山ほどあります。どこからどうやって来たか、どのくらいvスタをやっているのか、どうやって交流会を見つけたのか、次回のために集めておくべき情報は沢山ありますし、お聞きしていけば自然と会話は弾みます。
今回では幸いにも参加者皆さん紳士的で、2人しかいないテーブルでも和気藹々としていただいてましたので杞憂に終わりました。
「交通費に見合ったメリット」というのも人によっての定義ですが、交流会に参加する以上は「楽しい」ことと「嫌な思いをしない」ことに重点を置くべきでしょう。
自論としては趣味をやってる限りは運営の頑張りは「楽しい」にはそこまで寄与しませんが、運営のしくじりは「嫌な思い」に直結します。準備は入念にしなければならず、その様子をポストするのもいいかもしれません。
「聞いたことのない土地」について不安を感じたというのはやはりそういう気分もあるのかというところ。ただ調べて来てくださり、迷うこともあまりなかったという声が多かったので、現時点ではそこまで気にせずに捉えようと思います。

3.同様の交流会を行うとして、参加したいと思うものをお教えください。


①参加費500円の参加賞、優勝賞品あり 7名
②参加費300円の参加賞のみ 2名
③参加費300円の優勝賞品のみ 0名
④参加費200円の商品なし 2名

参加賞と優勝賞品どんなもん必要かなというところからのアンケートです。
先述の通り赤字は覚悟ですので今回以上の物は出てこないでしょう。
それでもこのままでいいのか、少なくていいのかというところに焦点を置きました。
失敗したのはこの直前で開催費用について聞かれて答えてしまったこと。
もっと金取っていいと①を選んでくださった方も多かったのでアンケート分析の観点からだけ見ると信頼性に欠けるかもしれません。
優しい声をかけてくださった方々には本当に励まされました。
ありがとうございます。

4.スケジュールで感じたこと


①スイスドローが長かった 0
②ガンスリンガーが長かった 0
③お昼休憩が欲しい 2
④交流会全体の時間が長い 0
⑤交流会全体の時間が短い 2
⑥その他 なし

選択肢でネガティブにしないと反省点はいただけないだろうということでなるべくポジティブな意見は外しています。
票が集まったのはもっと長くという内容でした。
今回は会場の都合で12時から開始というスケジュールになってしまいましたが、やはりせっかく集まるならばなるべく長い時間カードをしたいということでしょうか。疲れとかはとりあえず気にしない方向で。
ただやはり慣れない閉鎖空間に平気な人だけではないという点も理解しておかなければなりません。
長時間行うならば、休憩ができるようにしておくというのも可能ならば検討すべきだったかと反省しています。

5.今の想像で構いません。3ヶ月後(2024年3月ごろ)のVスタンのモチベーションはどのくらいだとお考えですか?


下がるだろう1名
現状維持 4名
上がるだろう 5名
(実際は現在を5としての9段階評価)

これはVスタがスタン落ちしたゲームという特殊な立場であるため、個人的にはどうしてもお聞きしたくて入れた質問です。
この交流会を受けて、というよりは実際にお一人お一人がどう考えているかというところで3ヶ月後としました。

8.統括


1人での運営は難しいと言われ、やれるにせよやれないにせよ前例になってやる、やれなかったらみんなやめとけと声を大に言ってやる。そう思って準備した2ヶ月でした。気分は半分人柱です。
主催者体調不良によるリスクがあるためお勧めはできませんが、やれます。
フォロワーが少なくてもリア友がいなくてもカードゲームの交流会はやれます。
公式に見放されても、モチベーションは続くと答えた人が9割いました。いろんなカードがきっとそうです。みんな誰かが手を挙げてくれるのを待っています。
VGプレイヤーに関わらず、もしこれを読んだ人の中から1人でも手を挙げる人が出てきたら嬉しいです。
最後になりましたが、ご参加いただいた11人の方、皆さんが笑顔でいてくださったことが本当に幸せに感じました。
そしてTwitterで励まし続けてくださったそれ以上に多くの方々、本当にありがとうございました。
皆様のおかげで私の自由研究は結論を得ることができました。人柱は人柱でも、本当に報われた人柱です。
これからもやれる限り、Vスタを盛り上げていく所存であります。

以上、長々とお読みいただきありがとうございました。












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