「人生は苦である」

　お釈迦さまが言った言葉です。
　たしかに、生きていれば嫌なこともあります。苦しいこともあります。
　病気にもなるし、別れもあるし、最後は誰しも死を迎えます。
 
　でも、お釈迦さまは「苦である（思い通りにならない）」と言いましたが、だから、悲しいとか、悪いとかは言っていません。
　ただ事実として言っただけで、それ以上の言葉は言っていません。
 
　どうしてでしょうか？
 
　私の勝手な解釈ですが、

「思い通りにならない」からこそ、楽しいからではないでしょうか？

　最初は、苦しいこともあるのですが、それが、楽しみに変わるからではないでしょうか？
 
　ゲームで考えてみます。

　特にロールプレイングゲームでは、いろんな敵が出てきたり、トラップや課題を乗り越えたりしてレベルが上がっていきます。
　最初はレベルが低いので、すぐに負けたり、あちこちへは行けず、不自由な思いもします。

　でも、ここで、すべて思い通りになったらどうでしょうか？

　どんなに強いボスがいても、すぐに勝ってしまう。
　なぞ解きをする前に、すぐに答えが出てきて課題をクリアできてしまう。
　
　はじめは、楽々クリアできてうれしいかもしれません。
　でも、きっと、すぐに飽きるかつまらなくなります。退屈します。
　そして、嫌になってしまうのではないかと思います。
　全然、楽しくないからです。
　だからこそ、

「思い通りにならないからこそ、楽しい」と言える

のかもしれません。
 
　病気になるから健康のありがたみが分かります。

　なかなか首を縦に振ってくれない上司がいるから、挑戦し甲斐があるし、自分の企画が通った時、達成感も大きくなります。

　相手と喧嘩することがあるからこそ、相手の事を考え、理解しようとして、仲も深まります。
 
　「人生は思い通りにならない」。

　これは確かです。
　
　でも、「だからこそ　楽しい」、と付け足したいです。
　そして、そうやって、楽しむ気持ちでいるからこそ、そういう心の状態であるからこそ、よいことや嬉しいと思うことを体験できるのかもしれません。
 
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです