トリプルアイズ杯振り返り(藤原)

金沢大学2年の藤原です。主将命令ということで渋々noteを書きたいと思います。

私の昨年のトリプルアイズ杯は7勝2敗だったので8勝1敗以上を目標にしていました。今回は印象に残っている対局を通して大会の軽い振り返りを行いたいと思います。


1日目


1局目 vs那須氏(山形)
事前情報では那須氏は三間がメインだと思っていましたが実際は四間にしてきました。こちらは安定のミレニアムですが、相手の対策があまり見たことがなくあっさり悪くしてしまいました。以後は相手を称えるしかない完璧な指し回しで完敗。これで団体戦の全国は3連続初戦負け。冴えないジンクスを早く壊したいものです。
2局目は経験のある形から抜け出してそのまま押し切る、3局目は良くしてからグダグダしながらもなんとか勝ち切るという内容で、2-1でした。

2日目


4局目 vs金澤氏(東京)
少々苦い思い出の多い右玉との対戦となりました。序中盤は上手く指すことが出来てリードを奪いますが、中段玉を寄せるのに大苦戦。ド必勝形から負けを覚悟するほどに追い込まれましたが、なんとか余していたようで勝つことができました。
5局目 vs大宮氏(立命館)
大宮氏は対抗系党というイメージで、こちらのミレニアム-先手四間という構図になりました。下図の72飛がこちらの趣向で56銀には7筋交換の方針で指そうと思っていました。大会に向けての用意が生きたというのは自分の研究に自信が持てて嬉しいものです。

その後難解な中盤戦を経て、迎えた下図。ここまでは我ながらかなり上手く指しており、手応えを感じていました。しかしここでの26歩が全く見えていませんでした。突かれてすぐに16桂を考えますが27玉と上がった形が妙に寄りづらく、読み切れません。15香は14飛と回られてひどいしな…そんなことを考えているうちに秒読みが迫り、慌てて16角と打ちましたがこれが酷い手でした。25桂が絶好の一手であっという間に逆転です。以降は相手の的確な指し回しに為す術なく負かされました。戻って26歩には32歩が正着だったようです。私は斬り合う棋風ということもあり、どうしても相手玉にプレッシャーをかける手ばかり読んでしまうので悪い癖が出たという感じです。読み切れない時は一旦自陣に手を入れて安易に崩れないようにするのも大切な力だと感じました。

6局目vs早稲田で岸本氏に裏芸三間穴熊を採用しますが良いところなく押し切られてしまいます。この時点で3-3となり前回の成績を下回ることが確定しました。正直かなり萎えていましたが、チームのメンバーの状態も良かったため金沢大学は入賞を狙える位置につけていました。最終日こそチームに貢献しようと心に決めます。

萎えた心を癒してくれた1杯

最終日


7局目、8局目と良い内容で勝つことが出来たため今日はいけると自信が持てました。
そして運命の最終局の静岡大学戦。勝ち数の関係でこれが実質3位決定戦となりました。
9局目 vs河合氏(静岡)
お相手の河合氏はここまで6-1。勝っている相手も強豪ばかりと、完全に勢いに乗っているようでしたのでより一層気を引き締めて望みました。
河合氏は角桂交換の駒損で猛攻を仕掛けてきました。さすがに少々無理筋だとは思いましたが、勢いのある相手の攻めは怖いものです。ここで長考に沈み54銀44銀64角46桂45銀と進行しました。この手順が見えたことで優勢を意識しました。以後は自玉に詰めろがかかりにくい形を作りながら一手勝ちを目指す得意の展開となり、勝利を収めることができました。最後にようやく自分らしい将棋が指すことが出来てホッとしました。

感想戦を終え、祈るように仲間の観戦をしました。結果は3-2で金沢大学の勝利となりました。勝利が決まった瞬間はあまり実感が湧きませんでしたが、徐々に3位という成績を残せたことへの喜びがこみ上げてきました。

今回あまりに長くなりそうだったので割愛させていただいた対局もどれも難しい将棋ばかりでした。ぎりぎりの戦いの中でメンバー全員が役目を果たしてくれたおかげで3位を勝ち取ることが出来たと思っています。チームのメンバーには何度も助けられて感謝しかありません。また、3位という結果は非常に喜ばしいことではありますが、立命館大学・早稲田大学との大きな壁も感じることになりました。今後はその差を少しでも埋めるべく、チーム全員でさらに強くなりたいと思います。私自身も6勝3敗と不甲斐ない結果でしたので、次こそは個人としても納得出来る成績を目指したいと思っています。
また、この場をお借りして大会に携わって下さった全ての方々に感謝したいと思います。ここまで拙い文章にお付き合い下さりありがとうございました。


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