王座戦3日目

ここからは王座戦3日目について書いていこうと思います。
朝食を取ろうとロビーに行くと見覚えのあるスーツ姿の男が部員と喋っていると思ったら去年まで大将席で闘い続けた某OBだった。
出張のついでに朝早くに差し入れをしに来てくれたとのことだった。
仕事が終わったら応援に来てくれるとのことで『ドラマを見せてやりますよ』と意気込んだ。
会場に着いて主将が出場していないメンバーに出る意志があるか聞いたところ性格的に遠慮するかなと思っていたメンバーが『出たいです』と言ってくれたので迷わず出すことを決めました。

7回戦 山形大学戦
強力な1年生が加入したのもあり東北大学を倒して代表になり、チームとしてはまだ勝ちは無いものの内容としては勝ちになっていてもおかしくないものばかりなので油断の出来ないチームです。
オーダーは基本的に無難に対応したものを出したつもりでしたが、オーダー交換で…
~大爆死しました~
完全に切っていたオーダーを出されて筆者か主将が勝たないと負けという感じに
筆者の相手はエースの小野氏で居飛車穴熊vs三間飛車の将棋になりました。
金銀3枚の堅い穴熊に組めて評価値的にも実戦的にも勝ちやすいと思ってました。

この局面は後手に龍は作られているものの穴熊と5筋の拠点が大きく次の3五歩で龍が捕まる(と思っていた)のでいいと思っていて読みは3六龍だったんですが、3六歩とされてから3五歩に1四龍があることに気づきました(アホ)ここから穴熊の固さを過信して無理やり動いてまたひどい勘違いで悪くしてしまいそのまま粘れない形にしました。
対局の途中で主将の投了の声が聞こえ3-4で負けかと思い残っていた僅かな希望が無くなり絶望しました。しかしながら対局後に部員に結果を聞くと4-3と伝えられて理解が追いつく前に1年の小倉が格上相手に金星を挙げてチームを救ったと聞き感謝してもしきれなかったです。消えかかっていた闘志を再び燃やして残りの2戦を頑張ろうと思いました。

京都大学が立命館大学に敗れたので次の8回戦の直接対決で勝利することが出来れば自力4位が目指せる状況になりました。

8回戦 京都大学
夏の強力なメンバーに大中氏の復帰と新鋭の中崎氏が加わってより手強いチームになってます。
上に厚いオーダーなので國井を四将まで下げて下側で勝ち星を稼ぐ作戦にしました。
読みとしては外れましたが、その分勝負の当たりが多くなり嬉しい誤算という感じでした。
筆者の相手はエースの生川氏で角換わり腰掛け銀の将棋になりました。OBの先輩に教わった研究が炸裂して優勢になりましたが、生川氏も百戦錬磨なので勝負形に持ち込まれました。
そこから指し手の方針がちぐはぐで徐々に差を詰められて気付いたら逆転されているいつもの負けパターンになってしまいました。
チームも2-5と完全に力負けでした。

上位4校は決まりましたが、静岡大学が山口大学に勝利したため勝ち点3で3大学が並んで最終局の東京大学に勝てば自力5位が狙えますが、
東京大学に勝つのは現実的にかなり厳しいです。
時間の関係か京都大学に負けて希望がなくなったからか某OBは帰ってしまいました(泣)
これから劇的なドラマが起こるとも知らずに…

9回戦 東京大学
絶対王者の天野倉氏を筆頭に経験も実力も兼ね揃えた4年生が中心の強力なチームです。
正直なところ戦力差からオーダー読み&誰かが格上相手に勝つことが必須条件です。
最終戦の結果がどうであれ順位が変動しないからかフル戦力でなかったのと初出場の卜部がエースの天野倉氏に当たったことで厳しいことには変わりないですが、当初の想定よりも勝利がかなり現実的なものになりました。
筆者の相手は三塚氏で石田流に対して角交換相振りで対抗する形になりました。

何気ない局面ですが、ここで5四角と打つのが研究で先手で角を設置して2筋を狙う&8五歩~8六飛をやりづらくする攻防の角です。

先手が2筋からの攻めを緩和しようと4八玉とした局面ですが、ここで4五角が厳しく放っておくと角と飛車の交換ですが、こちらは角の打ち込む隙が無くてかと言って6六飛には5五銀があるので有利になりました。

徹底的に自陣の隙を無くしてから銀を繰り出してから8八飛としました。8五飛成となるとジリ貧なので勝負と8六角打としてきましたが、自然に2枚替えをして勝勢になりました。流石に勝ったかな~と思っていたらいつもの終盤力(笑)が発動したのと三塚氏の勝負術にやられてアヤが生まれました。そのまま差が段々と縮まって逆転されて一時は負けを覚悟しました。しかしながら最後に不甲斐ない形で終われないと意地で粘って再び逆転しました。泥仕合になったからか周りの対局は終わっていましたが、そんなにギャラリーが多くないので2-4だと思い込んでいました。
最終盤で詰まされなければ勝ちという局面になりましたが、最後の最後まで頓死や二歩をしないように細心の注意を払いながら指していました。
余談ですが、筆者は2大会連続二歩をしてからことあるごとにイジられていて実況にもそれが表れています。
なんとか詰まなかったことで相手が投了して最後に勝って終われてよかった~と思っていたら
結果が4-3と知らされて思わず感極まりました。
ちなみに3-3だったのにギャラリーが少なかったのは寂しいなと思ったら早稲田大学と立命館大学の全勝対決で3-3になっていたからみたいですね。
むしろギャラリーがこっちに集まっていたら緊張で二歩か頓死していたと思うのでそれでよかったのかもしれません笑
嬉しさのあまり無意識に声が大きくなっていたようで三塚氏をはじめ周りの方にご迷惑をおかけしたことを謝罪させて頂きますm(__)m

総括

  最終結果は上記の通りです。
個人的に7人制でメンバー14人全員出場&5位は地方大として快挙だと思います。事前の想定ではメンバー全員を出すのは難しいと考えていたのでこのような結果を残せたのは忖度なしでメンバー全員のチカラによるものだと思います。
とはいえ所々に取りこぼしがあったのは事実なのでそこら辺は反省して今後に生かして貰えればと思います。幸い今年度の王座戦メンバー14人の内1,2年生が9人とフレッシュなチームなので伸びしろしかないですね~(某芸人風)
おじさんがこれ以上チームに余計な口出ししても仕方ないのでここからは個人の振り返りを。
5勝4敗で最後の最後でようやく勝ち越しすることが出来ました。目標は7勝2敗でしたが、この当たりで勝ち越しなら及第点ですかね。
とはいえ終盤がお粗末で逆転され過ぎなので後輩達には反面教師にして貰えればと思います笑
入部した頃(ウォーズ二段程度)は全国で1勝すればいいかなと思っていたことを考えると少しは強くなったのかなと。これは自力で強くなったのでらなく偉大な先輩方をはじめとする周りの方々のおかげだと思います。ありがとうございます。
まだまだ書き足りませんが、たたでさえ脱落してる人が大半なのにこれ以上やると完走する人がいなくなるのでそろそろ締めようと思います。
ここまでお付き合い下さった方はありがとうございます。(4記事で約9000字)
最後になりますが、これからも金沢大学将棋部を応援して頂ければ幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?