学生選手権 振り返り

金沢大学次期主務の春日です。今回は学生選手権団体戦の振り返りを書いていきたいと思います。

第一回戦 灘高等学校

金沢大学が二年連続で敗北している灘高校が初戦でした。個人的には部員全体のレベルが高く油断できない印象を持っていました。高校選手権をはじめとする多くの大会で結果を残している所氏が出場することにおびえていたのですが、メンバー表に名前が見当たらず、これなら勝負になるだろうと感じました。層の厚さでは劣っていないだろうと思い、単純に棋力順にオーダーを組みました。筆者はもちろん五番手です。筆者は早石田に対して角交換型の陣形を組み桂頭攻めを目指しましたがうまく逆用され、必敗の形勢になりました。金銀四枚の攻めをこらえきれず死にかけましたが、時間切れ勝ちだけを目標に耐え続け、何とか勝利することができました。チームも全勝で幸先の良いスタートが切れました。

第二回戦 立命館大学A

第二回戦は立命館大学Aとの対戦でした。立命館大学は学生強豪が多く在籍する大学で真正面からぶつかっても戦力の違いで勝つのは非常に困難です。誰と当たってもしんどいので初戦に三将だった楠本氏に筆者をぶつける狙いで筆者が三将席に座りましたが、そんな安直な予想が当たるはずもなく村井氏と対戦することになりました。村井氏とは中学時代に何局か関西将棋会館で指したことがあるのですが、筆者が勝利した記憶がなく、かなり厳しい戦いになることが予想されましたが、手の内を知っている分、他の人と当たるよりましだと思い対局に臨みました。筆者の先手番でゴキゲン中飛車対超速早繰銀になりました。早めの64歩を見て雁木穴熊に組み替え、相手の陣形の隙をついて仕掛けましたが、うまく反撃され自信のない展開になりました。

その後上の図まで進み、以下36飛から角を手にして先手指しやすくなりました。その後も難しい局面が続きましたが先手が余していたようでなんとか勝利することができました。
チームも3-2で勝利し、二連勝で昼休憩に入りました。

第三回戦 山口大学

第三回戦は山口大学との対戦でした。金沢大学は去年王座戦で敗北を喫しており厳しい戦いになることが予想されていました。学生十傑戦準優勝者の山村氏が大将戦に来ると予想し名誉当て馬である筆者が当たりに行きましたがずらされてしまい國井と山村氏が対戦することになり金沢大学にとっては苦しい当たり方になりました。筆者の対戦相手は王座戦にも出場していた長坂氏で戦型は雁木対エルモ急戦という経験したことのない形になりそのまま長坂氏にペースを握られてしまいました。

その後なんとか盛り返して上の図になりました。筆者はここで44銀成同歩53角成と指し、以下はそのまま抑え込んで勝利することができました。しかしながらチームは2-3で敗北し、二日目に残ることが非常に困難になってしまいました。

第四回戦 龍谷大学

第四回戦は龍谷大学との対戦でした。龍谷大学は関西の学生団体戦では上位リーグに入っており油断のならない相手です。特にエースの三好氏は元奨励会員で誰が当たっても厳しい戦いになりそうでした。國井と三好氏は同郷で相性が悪いことを事前に聞いていました。三好氏はこれまでの三局で大将席に座っているため大将に藤原をおいてあわよくば全勝を目標にオーダーを組みました。筆者は将棋大会で初めて袖飛車に遭遇しましたが、相手の駒をすべてかっさらって完封モードに入り、そのまま押し切りました。藤原が三好氏に勝利し、チームは5-0で勝利し最終戦になんとか望みをつなげることができました。

第五回戦 慶應義塾大学

最終戦は慶應義塾大学との対戦でした。慶應義塾大学は去年王座戦に出場しておらず、学生強豪の藤井氏と石野氏を除いて全く情報がありませんでした。金沢大学は最低でも4-1で勝利しなければ二日目に残ることができないと思い込んでおり、藤原を藤井氏に当てることだけを考えてオーダーを組みました。オーダーは的中し、最高とまではいかずともまずまずの当たりになりました。筆者の対戦相手は田中氏で筋違い角をさされて序盤に時間を消費してしまい形勢は難しいながらも持ち時間に十分以上の差がつき非常に勝ちづらい展開になりました。

迎えた上の図で筆者は34金と指しましたが23歩成同玉66歩で拠点を消去されはっきり不利になり、そのまま押し切られて敗北しました。チームも2-3で敗北し二日目に残ることはできませんでした。

結果


金沢大学の順位は七位でした。勝ち数は三でしたが勝ち点が圧倒的で三勝したチームの中では一番順位が高かったです。順位が発表されたとき、最終戦で3-2でも上位四位に入ることができていたことを知り、慶應義塾大学戦での方針ミスに気づきました。

振り返り

今回の大会では一試合ごとにメンバーの順番を入れ替えることができ、相手のオーダーが非常に読みにくい大会でした。二日目に残ることはできなかったものの全体順位は七位でまずまずの結果でした。立命館に勝てたことは大きな自信につながりましたが、点数状況の確認を怠るなどのミスなど反省すべき点も多く見つかりました。これらの反省を生かして春大会に向けて調整をしたいと思いますので応援のほどよろしくお願いします。拙い文章でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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