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死霊館

「・・・おかずです」

「・・・ずーこです」

「2人揃って」

「映画に・・・ブクブク~~」

「・・・したいけど」

「・・・けど~~~」

「これは・・・・」

「これは!だわよね~~~!!!!」

「ううっ!!」

「ううううっ!!!!」

「もうねえ、独りでこれはじっくりと」

「・・・うううう」

「・・・うううう」

「・・・帰りましょうか」

「・・・帰りましょうか」

「・・・って、やっぱりその前に、ちゃんとここは言わなくちゃ!!!!」

「そうね。そうじゃなきゃ、この作品を大プッシュの、ホラームービー大好物、おかしなあいつの思うツボ!!!」

「ツボ!!!!」

「負けない!!!」

「負けないわっ!!!」

「えっと、割とクラシックな作りのホラー・・・ってか
エクソシストものだわよね」

「うん。あたし達は、キリスト教徒でもなんでもないから、実際問題
ここに描かれる悪魔の恐ろしさってのは、今ひとつ、わかっていなかったりするんだけど」

「うん。でもさ、一生懸命買った家に、「いわく」があったなんて恐ろしさや、「なんで引っ越さない?」「有り金叩いて家を買ったっていうのにどこへ引っ越すと言うんだ?」とかいう恐ろしさなんてのは、すご~~~~~~~~~くわかるじゃない?」

「そうそう。
中古物件のおウチに残されてたクローゼットにある、な~~んか不穏なムードとかさ」

「ああああああああ~~やめて~~~~~~」

「「顔の見えない」者・・・確かに何かいるんだけどってのは、判るの。
でも、結局なにをしていたのか、なにを考えていたのか、わからない」

「だけど、確かに痕跡はあって・・・」

わからないから恐怖が増殖するってことを、上手く見せているよね~~」

「音」

「鏡」

「背後」

「クローゼットの中」

「人形」

「地下室」

「拾ったオルゴール」

「夢遊病」

「風」

「時計」

「・・・ううううううううう」

「・・・・ううううううううう」

「ほんっとこれ、独りの時に観たら、かな~~り・・・」

「うううううううう」

「そんでさ、途中、エクソシストっつうか、心霊現象の研究家夫婦がさ
「これは、霊でもなんでもありません。
床に湿気が溜まって家なりの音が鳴ってるだけ」
とか、
他の家族の事例で説明したりするじゃん?」

「うんうん
科学的視点をちゃんと持っているんですよ~~
そんな頭からなんでもかんでもって訳じゃないんですよ~って、
あそこらへん巧いよね」

「なのに~~~~~~~~」

「なのに~~~~~~~~あの家じゃ~~~~」

「ひ~~~ん」

「ひ~~~~ん」

リリ・テイラーなんて好きな女優さんが出ていたりするし」

「ほんと、よくできている作品ではあるのよね」

「うん」

「でも、いや~~~~~っ!!!」

「いやよね~~~~~~っ!!!」

「あたしが面白かったのはさ」

「え?お、面白かったの???」

「うん。ある部分は、ね」

「急にあーたとの間に、ガンジス川が・・・」

「なんでガンジス川なのよ」

「ほら、あーたってさ、いらん情報通だったりもするじゃない??
キリスト教徒でもないのに、悪魔が現れる時にはもんのすごい匂いがするとかさあ・・・そういう「情報」をいつのまにか持っていたりしている所が、よ」

「・・・あーたこそ、なんのかんの言いながら、ホラー映画の観過ぎなんじゃないの~??」

「・・・やっぱりいっちゃん怖いのは、繰り返しになるけれど
「なにかわからないけど、そこにいる」って奴ね」

「あ~~~~~~~~
もう、神経に触るよね~~~」

「その正体チラッと、化物っぽく姿映る瞬間があるんだけれども」

「きゃーーーーーー!!!

「あたし、あそこで不思議と落ち着いちゃったのよ~~~」

「あ~~~そっかーー。
それなんかわかる~~~」

「今、叫んでいたくせにー!!!
怖いのよ。
怖いんだけど、リアルな「姿」をとられると、不思議に冷静になれたっつうか、ね~~~」

「うんうん。

あの「お姉ちゃんの後ろにいる~~~!!!」とかはめっちゃ怖くて、冷静になんてなれないのにね~~~」

「ね~~~!!!」

「やっぱ怖いのは「気配」なのよ。
そこのところ、この監督、すっごくわかってるよね~~~。

あとさ、これ実話っちゅうじゃない?」

「あの最後の「実際の家族写真」!!!」

「ううううううううううう」

「ううううううううううう」

「反則」

「反則」

「・・・とにかく、よくできてはいるよね」

「うん。認めます。」

「・・・でもさ~~~~」

「・・・でもね~~~~」

「うううううう~~~~」

「ううううううううう~~」

「さ、早く違うの観て、気分を変えましょ!!!」

「そうね」

「なにを観る??」

「えっと・・・・あれ??」

「な、なによ」

あーたのうしろっ!!!!

「・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!」

「きゃ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」

「おほほほほほ。
わんっ♪」

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