見出し画像

愚痴は不安の裏返し

「こんなこと愚痴っても仕方ないんだけどさ」

なによ
どうした??

「1か月に1度
2時間くらい来てさ
車椅子押して
「大丈夫か?」とかちゃらちゃら言ってさ」

あ、お兄さん??

「この間、親戚の集まりがあったんだけど」

うん。

「そんな感じで
な~~~んにもしている訳じゃないのに
「まあいろいろと、大変ですわ」って、なんか
まるで何から何まで一人で動いているみたいにさあ~~~」

あははははは

「何笑ってんのよ」

お客さんなんだね。

「何よ、お客さんって」

お兄さんは
精神的に、お客さんなんだってことよ。

深入りはしたがらないけど
アピールはしたい。
そういう立ち位置の人に限って・・・だよねえ。

「・・・そうなのよ。
別にいいっちゃあいいんだけどさ」

あははははは
良くないから怒っているくせに。

「だ~~って腹たつじゃん」

まあね。

そういう「お客さん」って立場をとるってことは
けして深入りはしたくないんだけれど
でも後ろめたい気持ちも、ちょっとあって
だから必要以上に第3者にアピール・・・なんじゃない?

「あ、そうかもね~~~。
そんでさ
親戚の連中が「お前も大変だなあ~~」とかさ
妙にあいつに同情しててさ

あーーーーーーーもうッ!!

そんだけアピールしてても
いざって時には・・・肝心な時には!!!なのにさ!!!」

はははははは

でもさあ
ほんとは、お兄さんに腹がたっている訳じゃないんじゃない??

「何?」

疲れてくるとさ
どうしても不安になるよね。

「・・・そうかもしれない」

基本的にさ
お兄さんに腹立ってても、別に「私ばっかり」とか
「損している」とか、思っている訳じゃないでしょう??

「あーそりゃね。そんなこと言ってたらキリないし」

だよね。
だったらまあ、あったかいもんでも食べてさ。

「・・・・はああああああああ・・・・・・・・・だね~~~」

大丈夫。あんたのお母さんは、あんたの頑張り、わかってらっしゃるから。

大丈夫。
あんたは、やれてるよ。

「・・・・そうかなあ」

電話口の向こうで、ちょっと少しだけ、涙ぐんでいる彼女。

そうだって!!
コツコツひっかかるそんな不安な気持ちは
湯気と一緒に食べちゃえ!!。
えいえいおー!だぜ。

「・・・・うん。
そうだね。そうするわ。」

うちのなんか、昨日の残りもんだけど
豪華、海老天2本入りだよ。

「・・・・それはちょっと・・・あんた、その身体なんだから
控えたほうが良くない??」

・・・

・・・

いやん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?