おかずとずー子のどうでもいい話
「ああ、爽やかな朝!!!
3月って空気が透明な感じがするわねえ~~~」
「何聞いたふうなこと言ってるのよ。
今日もまたあーたの存在と同じ位、なんかムシムシしてるわねッ!!!」
「・・・あのさ、折角の爽やかさを、初手から台無しにするのは
本当にいけないことだと思うわ。あたし。」
「私はここの所、ちょっと風邪気味で気分が荒れ荒れなのッ!!」
「そんなこと、私に関係あるーー????」
「だって、あーたと私とは、一心同体。」
「やだわ~~~~
あーたってさ、与えられることばっか考えてると、
ほ~~~んと嫌な女になるわよ~~って見本だわね。」
「ふんッ!
与えるなら「ご馳走様」ってこっちが言うまで、とことん与えて欲しいものだわね。」
「まあ!なんて図々しい!!!」
「・・・ところで」
「そうそう。
今日はちょっと、特定の映画のお話を離れて
おしゃべりしましょうかってことなんだけど。」
「・・・ってか、いっつも雑談よね。あたしたち。」
「しッ!!!
黙ってりゃ気付かない人だっているのよ。」
「そうかしら~~????」
「・・・そもそも私たちが映画好きになったのは・・・」
「TVが、滅法面白くなくなったから~~~」
「そうねえ。
最近じゃTVって、いろんな規制がかかってるみたいで、ぴーとかぷーとか。
でさ、妙な所は垂れ流しだしーーー」
「そうよねえ。
なんか、澱んでいるって感じ」
「だもんで、あたし達の気持ちは、どんどん映画の方へと。
ねえ、そもそも貴方にとって、映画って何???」
「・・・えらくまたでっかい質問!!!
そうねえ。
やっぱり映画ってのは、私にとって
「娯楽」で「逃避」だわね。」
「あら、結構真面目に答えたわね。
そうねえ。
映画はまず娯楽だわよね。
でも、逃避って???」
「逃避ってのはさー、いろんな人生を覗き見たりなんだりってのが映画の醍醐味・・・・ではあるんだけれど、それはあくまで、あくまで「物語」な訳でさ。
そこで、妙に醗酵して「判ったつもり」になるのは、ぶぶぶぶーーーってこと。「その気になる」のは、大間違いだと思うの。
これでもあたし、常日頃から「映画は逃避」と自分に言い聞かせてるのよ~~ってこと。」
「あ~~ら、そうなの???
あたしはまた、あーたの人生そのもののテーマかと思ったわよ。
逃避ってのが」
「何を言い出すの!!!
そんな所で核心突かれても嬉しくないわよッ!失礼しちゃうわねー。
あのさ、別に映画でなくてもいいのよ。
なくてもいいんだけどさー。最近、私の中にはテーマがあってさ。」
「何??
もうジャバザハット化しないって決心???」
「そうそう。」
「今更!!!」
「そうなのよ。今更よねえ~~~・・・って、違うわよッ!!!
そうじゃなくてさ、なんか最近、年齢的なこともあるんだろうけれど、立て続けに色々考えさせられる出来事とか、あたしの人生、ふりかえさせられるような映画に当たったってこともあってさ~~
結局人生は・・・」
「あのさ、その大上段に上から『「結局人生は」って』判ったような言い方すること自体が、ダメだと私は思うんだけどー」
「いいじゃない。
私は気がついたことをちょっとお話してるだけなんだからー」
「まあ、いいわ。
で、何よ」
「つまりさー
やっぱり「コミュニケーション」なのよ。」
「???」
「映画見て、いえ別に映画じゃなくてもいいんだけれど
小説でも、漫画でも、何だっていいんだけれども
一番怖いのが「自分が判ったつもりになって、現実でコミュニケートできない」ってことだったりするような気がするの。」
「ふむ。」
「例えばさ、映画観てる時にさ、人はいろいろ考える訳じゃない??
私だったら、この主人公のようにはならないとかさ
で、そうやって色々考えても、自分のリアルな人生において巧く対処できないのが現実でさ。
それをなんか自己弁護しちゃうっていうかさ。
人生の言い訳の仕方を映画とか、小説とか漫画とかそういうので磨き上げちゃうと、益々状況は悪くなるっていう当たり前のことを肝に銘じておかないとってことね。一つは。」
「あ、それって、あーたがジャバなのに、気持ちは女王様で、でも現実じゃ大貧民で下女ってことを指しているのね????」
「・・・あのさ、少なくとも、私はジャバを自覚してるわよ。」
「あ!言い訳~~~~!!」
「・・・とにかく、私が言いたいのは
言うまでもなく「大切なのはリアル」であるってことね。」
「そりゃまあ、あーたが言うまでもなく、当たり前のことだわね。」
「でさ、「リアル」な世界の中でさ、やっぱりコミュニケート不全がここまで叫ばれるってのはさ」
「うん」
「やーーっぱり、
与えることより「与えられる」ことを重視する人間が増えてきたからだと思うの。
与えられないと「どっか違う所」でチャンスがあれば、何とかなるんだ的なさーー」
「まあね。筆頭であるあーたが言ってりゃ、世話ないって思うけどーー」
「・・・現実はさー
完璧な人間なんていないし
完璧な家庭もないし
完璧な関係なんてないのよね。
だからこそ「紡いでいく」っていう
それが、その姿勢が大事な訳じゃない???」
「何??
今日は熱いわねえ。」
「だってさーー本当に大事なのは、「紡いでいく」っていう「意志」だもの。
私が今の今まで映画の中で何か学んだものがあるとしたら、
本当にそれだけだわ。」
「うん。」
「なんかさ、自分の状況は自分で招いたもんじゃないっていう不幸だって
確かにあると私は思うけれども・・・でもさ、コミュニケート不全っていう奴は、決して相手だけの問題じゃないわよね。」
「それはあーた、身にしみている訳ね」
「コホン。
巧く行かない事を、状況のせいにしても、何も変らない。
与えることを怖がっていては、何も伝わらない。
逆に言えばさ、正しく伝えることが出来れば、物言わぬ動物でも、感謝で返してくるってことなのよー」
「・・・」
「なんかさ~~~~
その一手間、その言葉を惜しむってことが、現実のコミュニケート不全を招いているんだとしたら、やっぱりそれはもったいないことだわよね。
それはさ物作りでも、料理でも、創造することにおいては、なんでも一緒だわってあたしは思ったりするわ。
だって伝えたいって気持ちの向こう側に「リアル」があれば
一手間は絶対に必要になってくるもの~~~。」
「ぶーたれているだけでは、言いたいことは伝わらないってことね」
「そうよ。だからあーたも、少しはきちんと説明して頂戴!!!
風邪ひいてしんどいからって、私にあたったところで何も解決しないでしょッ!!!
風邪引いたんだったら、薬を飲むとか、医者に行くとか、ちゃんとした
「解決策」を見極めることが大切じゃないの!。
あーたみたいに、周りに当たって、周りが
「どうしたの~~~???
しんどいの~~~~???
大丈夫~~~????」ってチヤホヤしてくれるのを待ってるなんて、とんでも8分、歩いて5分だわよッ!!!」
「・・・・ごめんなさい。」
「わかりゃいいけど。」
「あのさ、お詫びにちょっと小耳に挟んだ話」
「何???」
「今度、ジョシュ・ハートネットがやる映画って」
「あ、スカ子と別れて、あの子もやる気になったの???」
「やる気かどうかは知らないけれど
何でもチェット・ベイカー物なんですって!!!」
「きゃーーーー!!!マジ???」
「噂だけどーーーThe Chet Baker Storyって題で、チェットの伝記物。
今製作会社が彼と交渉中だとか」
「あーた、風邪大丈夫~~~???
ってか、それって結局「ブルーに生まれついて」ってタイトルで
イーサン・ホークがチェット・ベイカーやったのよ!!
もうとっくに公開されてるわよ~~!!」
「・・・・・・コミュニケーション不全ねえ~~・・・。
あーたに関してはネタがあればいいのね。
とりあえず、ネタがあれば。
・・・・・はーーーーーーーー」
「おほほほほほほ~~~♪」
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