チャプター1-36
あの頃の事を思い出すと、なぜか微笑みがこぼれる。
決して楽しいことばかりじゃなかったのにね。
いや、むしろその最中は、結構苦しかったよね。
それでも、思い出すと微笑んでしまうのは、私の脳内で、「物語化」されてしまっているからかしら?
ぺりぺりとくっついた唇をはがすようにして、もう一度煙草をくわえ直す。
ふぅぅぅ~~~とため息を隠すように、煙を吐き出す。
専務のことを考えていた。
女性でも能力のある奴は、どんどん上昇志向を持って向かっていけばいい。・・・よく聞く言葉だ。
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