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食べて、祈って、恋をして

「あ”~~~~~~~ッ!!!!」

「耳元で叫ばないでちょうだいッ!!なんなの、一体!」

ジュリアロバーツって、年をとればとるほど
「厄介な女」に成り下がってるわよねええ~~~!!」

「あーた、天下のオスカー女優に向かって、何を言い出すのよ」

「だーって、こんなしょーーーーーーーーーもない作品に、
嬉々として主演するなんてさあ~~~~」

「・・・・気に入らなかったのね???」

「気に入らないわよッ!!!一体誰が気に入るってのよ!こんな話し!!」

「あら、あーたはそういうけど・・・」

「言ったんさい!!誰が気に入るって???」

「・・・・うう。だけどこれ、世界的なベストセラー、
待望の映画化なのよ~」

「世界的なベストセラー???
ばっかじゃないの???

もうさーーーまず言いたいのは、この作品、無駄に、長いッ!!!」

「・・・あー確かに長かったわねー」

「これさあ

『ニューヨークで活躍する女性ジャーナリストが、
仕事にプライベートに忙しい日々を送っていたが、
心のどこかに満足しきれない思いを抱いていた。
「昔はもっと毎日が輝いていたのに・・・」と。

ある日、彼女はすべてを捨てて
ニューヨークからイタリア、インド、そしてバリ島へ
“本当の自分”を探しに1年間の旅に出ることを決意する。

イタリアでは、体型を気にせずグルメ三昧、
インドでは瞑想に耽り、
最後に訪れたバリ島では思いがけない出逢いが待っていたのだが・・・。』
(amazon解説参照)

って話しなんだけどさあ~~~~」

「・・・うん」

「もうさ、この紹介記事から、すでに臭うじゃない???」

「臭う???」

ここではないどこか

本当の自分

みつけるために旅行

そして
インドで瞑想・・・

ぎゃ~~~~~~~~~~ッ!!!!」

「だから、耳元で叫ばないでったら!!!!」

「もうさ
キラキラさん、いらっしゃ~~い!!!

これは、キラキラさんの
キラキラさんによる
キラキラさんのための映画、と言っても過言ではないわ!!」

「そんな、口から泡飛ばして言わいでも。」

「キラキラさんが好きそうなもの全部ぶちこんで、煮込んで煮込んで、そして焦がして、全部台無しにしてるってのが、この映画。」

「あーた、こ、怖い。」

「そもそも、NYでジャーナリストで多忙を極めてるって女が、
自分の心がからっぽになったって、旅に出なくちゃ!!って
ギャースカ言うシーンからして、
お前は、馬鹿か???って」

「ちょっと~~。
あ~~た、言葉には気をつけてよ~~」

「だってさー、仮にもジャーナリストを名乗る女が、さー。
そんなこと言い出す~~???
周りの人間、大迷惑よ!!

これ、無駄に長いってのも、薄っぺらい動機のヒロインの男性遍歴を見せて
観客に動機を納得させようとしているがゆえ・・・なんだろうけど」

「・・・うん」

「ぜーーーーーんぜん、全く、これっぽっちも、蟻の頭ほども、
感情移入なんかできませんッ!!!」

「・・・言い切ったわね」

「言い切ったわよ」

「で、さあ、旅に出たら出たで」

「ああ、イタリア、ローマ!!」

「美食の都に居ながら、料理がちーーーーーーーっとも、
美味しそうじゃないッ!!!」

「・・・・」

「いや、料理は美味しそうなのよ。
食の都にまで、アホな動機でのこのこ出かけて行ったってのに、
ジュリアの食べ方が、さー
ちーーーーーーーーーっとも美味しそうじゃないの!!!」

「確かにあのスパゲッティを食べるシーンはどうかな?って、私も思ったわ」

「細かくカット割りして、リピートして見せるんだけど、
せっかくのお料理が、台・無・し!!!

「カロリーなんか気にしないで、食べたいものを食べる」って、その言葉の意気や良し!!!・・・・なんだけど、ジュリアの食べ方が、もう~~~!!
その言葉を裏切ってる!!!」

「・・・うん」

「本当の食いしん坊って、食べ方ひとつで判るものよ。
食べることは、生命力に繋がる行為なんだから、
ある種官能的な行為でさえあるのに、そこが貧しい。
わざわざ、旅に出なくたって、美味しいものを美味しく食べる、
感じる能力があれば、大抵の事は大丈夫だって、
子供でも知っているような事を、ま~~~ったく判ってないッ!!

あのスパゲッティのシーンで、ジュリアは自身が、
いかにぎすぎすしたつまんない女に成り下がったかを、
自分で全世界の人間に、証明したようなもんよ」

「そこまで言う??」

「言いますッ!!」

「で、舞台は変わって、インド」

「瞑想」

「なんだろね。
「目に見えぬ世界」をなんとな~く語れば、「深み」が出せるなんて、
本気で思ってるのかしら。

思ってるとしたら、この原作者も相当痛いわよね。

もうさー
ほんと、この手のキラキラさんって、日本だけかと思ってたけど、
そうじゃないのね~~~。開いた口がふさがらないとは、この事よ!!」

「まあ、そういう意味では、インターナショナルな映画よね」

「・・・・あーた、本気で言ってるの??
とにかく繰り返すけど、肝心のヒロインに、
ちーーーーーーーっとも共感ができないわけよ。
ぜーーーーーんぜん、全く、これっぽっちも、蟻の頭ほども、ね!!

な~~の~~に~~~!!!
この薄っぺらな女が、まあ、もてるもてる」

「もててたわねえ~~~」

「どこがいいんだ。こんなめんどくせえ、独りうっとり女」

「・・・だからーーーー」

「とにかく
キラキラさんは、キラキラさんのままでいててOK。
ただ、その日常を抜け出し、一歩を踏み出せば
男が放っておかないわよ~~~っていう、
みんなでこのうっとりを共有しましょうっていう、キラキラ洗脳映画」

「・・・私は、ほんっと知らないからね」

「きっと日本じゃ黒幕に、瀬戸内・・」

「きゃーーーーー!!!!やめてッ!!!!」

「でもさー、唯一、ハビエル・バルデムって、いままでどーこがいいんだって思ってたけど、この映画でちょっといいかも~~って思っちゃったわ」

「なんか、でっかい手のひらとか、広い背中とか、まあ、あのペネロペを落とした男だしね。吸引力あったわよね」

「とにかく。
天下の愚作。
大駄作だと、私は思うわ」

「きゃーーーーーー!!!」

「けど、こういう女や、こういう考え方が好きな層は、一定数
いつの時代にも、存在するのよね。
日本にもアメリカにも、キラキラさんは生きているってことが判っただけでも、面白いかも、だわね」

「・・・って、嫌そうに言うわけね」

「私、ジュリアのスパゲッティシーンを見て、「あら美味しそう♪」って思う人間とは、生涯友達にはなれないわ。」

「・・・サボテンブラザースをけなす人とも、生涯友達になれないって言うし、あーたそんなこと言っていたら、どんどん範囲が狭まって、
ぼっち度がマシマシよ」

「狭まって結構!!!マシマシで結構!!
そんでもって、旅だたんで結構!!!
日常上等!!!
マンネリバンザイ!!!」

「・・・ふううううう~~~~~~~」

「どんだけ愚作か、ぜひとも、貴方の目で確かめて!!」

「あ、そこに着地~~~!?」

「ジュリアの厄介さ加減を、「可愛い」なんて、私はどうすっころんでも
思えないし、こんな不味そうに食事をする女、きっとベッドでだって
マ・グ・ロだと思う~~~」

「きゃーーーーー!!!
もう、もう、もう、もう、今日は
閉店ガラガラ~~~!!!」

「ノーリスク、ノーリターン」

「もうううううううう~~!!!」

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