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PKC26レポート

こんにちはkinghaloです。今回は、先日行われたPKCのデータのまとめが終了したので公開したいと思います。
PKCってなんぞや?という方に簡単に説明させていただくと、「KC前に数十人規模で勝敗付けながら無限にポイントバトルやってデータを合体させれば環境把握が完ぺきにできるんじゃね?」という試みです。
よくある大会データなんかだと分布や勝率と言っても多くて128人、数十試合程度なものですが、今回のPKCでは3446試合のデータを基にして詳細なレポートを作成しています。
そもそもKCのためのレポートを作る目的で開催していますから、トーナメント形式の大会のおまけとしてのレポートとは質、量ともに大きく違います。
また、参加者には厳しい参加条件を設けています
具体的には、過去1年間のKCで上位500位以上に入ったことがある、もしくは直近のKCで400戦以上走った(=モチベーションが非常に高いこと)です。
この結果、1試合の質も保証されています。今回は、18名の金アイコン保持者と20名以上の銀アイコン保持者が集まった上、参加者の人数も70人を超えました。
やはり、実力者同士の試合とそうでない試合とでは結果が大きく変わるのが遊戯王です。実力者同士の試合だからこそデッキのポテンシャルを正確に計ることができるのではないでしょうか?
レポートでは各テーマの詳細な対面勝率の他、優秀な成績を収めたデッキのレシピを全て掲載している上、入賞デッキ毎の詳細な試合データも別途まとめています。
PKC参加者の中から毎回金アイコンが出ていますから、今回も世界最強のデッキが眠っているかもしれません。
前回のPKC参加者の中からも複数名の金アイコン、銀アイコン獲得者が誕生しました。
KCカップに本格的に取り組むのであれば、必ず手に入れるべき内容だと思っています。
実際にどのようなものなのかを詳しく知りたい方のために、前回、前々回のレポートを公開しておきます。これを見ればより優秀なレポートであることがわかるはずです。

分布

分布はこのようになりました。
なんと前回に引き続きカオスソルジャーがトップシェアです。
天敵であったオッドアイズの衰退と共にシェアを伸ばしたようです。前期にこのデッキが勝ち切れなかった原因の1つに、オッドアイズがトップメタとして存在していたことが間違いなくあります。今回のKCでは本命として期待できそうです。
次点でシェアが多かったのが新テーマのオルターガイストやイビルツインです。その次に無限起動やヴァレットなどの昔からのテーマ群が続きます。
その他のデッキも種類が多く、一時期と比べるとかなりデッキの種類が増えた印象です。まだ新弾が出てから1週間程度ですから、各テーマの研究が進み切っておらず、その他のテーマ群のポテンシャルにも期待できそうです。

ラッシュデュエルの実装により前回のKCから新弾の登場ペースが変わり、1弾分の追加のみで迎える今回のKCですが、その分過去テーマの緩和、スキルの追加、アーカイブスキルの実装、新カードの配布など様々な方法で環境に変化を与えようという運営の意思が感じとれます。その分いつもと感触が違うKCになる可能性が高く、準備期間の短さも相まって今回のデータは貴重なデータと言えるはずです。

これから下で公開するデータの数値についてですが参加者の入力ミス等によりデータに錯誤が生じている場合があります。
±3%程度で目安として見てもらえればと思います。

主要テーマの勝率と相性表

カオスソルジャー脅威の勝率56%、圧倒的です。新弾3テーマにしっかりと勝ち越しながらも、分布表で唯一30%代の大きく不利が出ているテーマがありません。今回のデータでは、光るものはあるものの何かに不利なテーマが多く、どの対面にも満遍なく勝率が出せている点はかなり魅力です。
加えて1試合が短く試行回数も稼げるため、今回のKCでは間違いなくトップメタになるでしょう。ただしミラーが非常に淡泊なゲームになりがちで、構築が煮詰まり切って全員似たり寄ったりな点から、カオスソルジャーを使っていれば間違いなく勝てる!とはならないのがKCです。ここから一歩他のプレイヤーと差を付ける戦略が必要になるでしょう。

オルターガイストは実装時の期待度と比較するとかなり微妙な戦績ですね。
やはりメインフェイズ2が無いのが厳しいのでしょうか?本来初動と返し札の2つの役割をこなすメリュシークがどちらかの役割しか選択できません。この点が勝率にダイレクトに影響しているように感じます。本来のデュエルリンクスであればこの点を埋め合わせてくれるスキルがもらえているはずなのですが、良いスキルをもらえなかったことや、罠が重要なテーマであるにも関わらずリミット3を使用できない点も問題点として挙げられます。
環境的にはバウンスが致命打になり辛いカオスソルジャーが跋扈しているのも向かい風でしょうか。マギストスを召喚された時点で罠をはくことを要求されますし、その後に開闢が出てきてしまうとバウンスしても大して意味がないのでどうしても後手に回ってしまいます。

イビルツインは新テーマでは一番勝率が出ているテーマですね。カオスソルジャーと比べるとやや劣る数値ですが、この試行回数でしっかりと勝ち越せているのは十分強いテーマと言えるのではないでしょうか。
苦手なのはヴァレットのような、打点の物量で押してくるテーマのようです。特にヴァレットはリンクリィラで対象に取ってしまうと効果を使われてしまうので除去もし辛くジリ貧になります。
環境で一番アーカイブスキルと相性が良いため、KCでは更に本領を発揮する可能性が高いです。その点も踏まえて考察していく必要があるでしょう。

無限起動は全体の勝率は負け越しているものの、カオスソルジャーに勝ち越せている数少ないテーマです。カオスソルジャーに墓所封印の刺さりがいい点と超接地展開への解答が少ない点が有効に働いているようです。
一方でイビルツインにはボコボコにされていますね。イビルツインの手札誘発採用率が高いことや、リィラ1枚に簡単に着地狩りされる点がきつい理由でしょうか。KC本番でイビルツインのシェアが全く無いということはさすがに考えられないため、無限起動を使用する上でこの点が明確に課題となりそうです。

前環境の王者であるヴァレットはなんともパっとしない勝率ですね。カモにしていたオッドアイズが環境から消えたのが原因でしょうか。罠デッキの宿命ではありますが、トレーサーや罠を引けていないと勝てない引きムラが誤魔化し辛い対面が増えたようにも思います。しかしヴェーラーやクロウが刺さり辛いという点は追い風ですね。環境次第では活躍することもありそうです。

ガンドラオルフェも高い勝率を記録しています。いつまでこのテーマはいるのでしょうか。
イビルツイン以外の各テーマに勝ち越していて追い風のようです。ただしこのデッキもイビルツインに大きく負け越していますね。良くも悪くも安定しているテーマなので、安定して一定以上の妨害数を構えるテーマは苦手といったところでしょうか。

詳細テーマ勝率

青眼、ユベルなどのスキル追加組もいまいち勝率が出せていません。
どうにも全体のインフレが進んだ結果、エクストラの縛りが厳しいテーマはなかなか苦しいゲームになってきていると感じます。

オッドアイズもなかなかにすごい勝率が出ています。試行回数が少ないので上振れといえばそれまでですが無視できないデータでしょう。安定感が落ちた一方でコズミックやワーニングポイントの採用率が落ちたので後手の通りが良くなったというところでしょうか。上手く環境の隙間を通していけるパワーはありそうですね。

前環境のダークホース枠だったベアルクティは、対カオスソルジャーの勝率がなんと前回のPKCから62%→22%と大幅減です。上振れた際のパワーの高さは相変わらずですが、弱初動に刺さる手札誘発が致命的な模様です。さすがに今期は苦しいかもしれません。

オルターガイストはスキル選びに苦労していますね、なかなかデッキにぴったりとハマるスキルが見つかっていないようです。回ってしまえば打点も罠の供給もあまり関係がないと思うので、増強αが一番マシには見えます。

イビルツインは星の勇者型がいまいちな結果になりました。先攻は十分すぎるぐらい強いので、先攻用スキルは過剰といったところでしょうか。アーカイブスキルが2種類も採用圏内なせいでバレし難いだけでなくスキルもバレにくく何をどこまでケアするかがかなり難しそうです。KC向きな予感がしますね。

1時間毎のシェア率の変化のグラフ

環境の変化を予測するためにPKCの各パートでの1時間毎のシェア率の変化をグラフにしてみたので確認してみましょう。

無限起動が増えるとカオスソルジャーが減りがちな以外はシェアがあまり動いていないように見えます。カオスソルジャーを使用していたプレイヤー以外は周りのテーマに関係なく新テーマを試したかったというところでしょうか。


先後別勝率

前回のPKCでは先攻の勝率が48%、後攻の勝率が52%と比較的先後のバランスが取れていた環境でしたが、一転して先攻環境になってしまったようです。続いてデッキ毎の先後別勝率を見ていきましょう。

特筆すべきはイビルツインの先攻勝率でしょうか。試行回数を重ねていくと基本的に45~55%あたりに落ち着くデュエルリンクスにおいて先攻勝率70%は驚異的な数値です。過去のPKCのデータを遡ってみましたが、ロアーが使えた転生炎獣ですら先攻の勝率は60%でした。ちなみにマーメイドが使えたオルフェゴールの先攻勝率が57%です。
これで後攻の勝率も高ければ健全なゲーム性と言えるのですが、なかなかそうはいかないもので38%とかなり低めです。残念ながら今回のKCは青いコインを祈るゲームになりそうな予感です。

入賞構築

とにかくカオスソルジャーの入賞が多かったです。試行回数が稼げる上に明確な不利も少ないため圧倒的人気です。
構築も手札誘発に好みが出るぐらいで、ほぼほぼ固まってきていますね。エクストラの半分を持っていくことから構築に固定枠を作りがちですし、そろそろエンディミオン出張ギミックも怒られそうな予感がします。

カオスソルジャー以外の入賞デッキとして、オッドアイズがとんでもない戦績を叩き出しています。カオスソルジャー側もブラッドローズへの解答としてヴェーラーを手に入れているのですが、ラグでヴェーラーを確認してから深淵へいけてしまう上にブラッドローズに当てるためにドクロバットが出てきても温存しないといけないため実際の勝率にさほど影響していないのかもしれません。

無限起動がカオスソルジャーに大きく勝ち越しての入賞です。このデッキを使う上で、いかにイビルツインが少ない時間帯に走り続けるかというのはポイントになりそうです。

まとめと展望

今回のKCはタイトなスケジュールで、良くも悪くも各テーマの研究が進み切っていないようにも感じました。
またヴェーラーのような汎用的な手札誘発が実装されてから初のKCなので、ヴェーラーがきつくない意外なテーマが勝ちあがるといったこともありそうです。
本番まであと4日、まだまだ詰められる点が多いKCだと思うのでお互いしっかりと準備して本番に向かいましょう!

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