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シンボリクリスエスが覆した天皇賞秋の常識

今年で種牡馬引退が発表されたシンボリクリスエス。名門藤沢厩舎で最も活躍した名馬だ。ちなみに当時は強すぎて穴党の私はあまり馬券を買うことのなかった馬だが、今年は取り上げなければならない。

明日10月27日東京競馬場で行われる秋の天皇賞はG1馬10頭、強い馬たちが見事に勢揃いし注目が集まっている。特に現在日本最強馬と言われている昨年の四冠馬4歳牝馬アーモンドアイと今年の3歳最強馬の呼び名が高いサートゥルナーリアの2強対決実現で世の中ヒートアップしているわけだ。

秋の天皇賞は大好きなレースの一つだ。一番の理由は3歳も交えた中距離馬とマイラーが一堂に会する頂上決戦、普段対戦しないチャンピオンホース同士が激突する舞台でもあるからだ。府中の2000メートルの長い直線は幾多もの名勝負を演出してきた。

シンボリクリスエスは秋の天皇賞を2度制覇している。そして彼は秋天の常識を3つ覆している。

一つ目は3歳で挑んだ2002年のレース、96年サンデーサイレンス産駒のバブルガムフェロー以来の3歳での秋天制覇を成し遂げた。実にそれから十七年間、3歳で秋天を勝った馬はいない。当時の一番人気は札幌記念を快勝した二冠牝馬4歳テイエムオーシャンだった。シンボリクリスエスは当時2000メートルの神戸新聞杯を圧勝して挑んだ。何か今年と似ているシチュエーションだった。この年だけ中山競馬場開催。

二つ目は4歳で挑んだ2003年のレースだ。これは6月の宝塚記念以来のぶっつけで臨み、見事に勝ったのだ。天皇賞秋の主なステップレースは東の毎日王冠、西は京都大賞典、それにオールカマーや札幌記念などがあり、夏以降一度も使わずにぶっつけで挑んだ馬は凡走するケースがほとんどであった。今では牧場などが進化し一度も叩くことなく勝つケースも増えてはいるが、この時代にシンボリクリスエスが厳しい流れの秋天を難なく勝ってしまったことに驚いたものだ。

三つ目は大外枠発走で勝ったことだ。府中2000メートルコースといえばスタートから最初のカーブまでが短く外枠は圧倒的に不利となる。かつてメジロマックイーンに跨がった武豊でさえ焦って斜行してしまうほどだ。この不利をシンボリクリスエスはあっさり克服して圧勝した。

3歳とぶっつけ、そして大外枠。どれも秋天を勝てないという常識。この3つの常識を覆して2年連続天皇賞秋を制覇したシンボリクリスエス。

彼のレースを観ながら明日の天皇賞を予想する。楽しい夜になりそうだ。

明日は久々に府中競馬場に行って参ります。


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