Kick DrumとBassの周波数の考察

Kickの周波数

Kickで鍵になる要素は、Boom、Smack、Clickの3つだ。以下でそれぞれの要素とその周波数を解説していく。

「Boom」<対象周波数:50 - 60 Hz -OR- 100 Hz>
ローエンドの「ドスン」という音。クリーンでモダンなサウンドの場合は50 - 60 Hzをブーストすると良いだろう。従来の力強いKickサウンドだともう少し上の100 Hzあたりだろうか。この帯域をコントロールするには基本的にはピーキングだが、胴鳴りが弱い場合にはローシェルビングを試してみるのもあり。ただしサブの帯域があいまいになってしまうので、やりすぎは禁物。

「Smack」<対象周波数:3 - 5 kHz>
主にKickの「アタック」音を作り、人の耳がKickを感じ取る部分。周波数的には3 - 5 kHzをチェックしてみよう。Kick専用マイクでレコーディングされたKickは、この帯域にPresenceの「バン」という音があることが多い。Qを狭めにしたピーキングでKickのPresence検出してみるのもいいだろう。

「Click」<対象周波数:6 - 8 kHz>
ビーターがドラムヘッドを叩く音。緻密なミキシングの中では、Smackと連動してKickを明瞭にする部分だ。6 - 8 kHz付近にある。Smack同様、狭いQでのピーキング検出が有効だが、Kickのマイクにかぶっているスネアの響き線の音を調整するにはハイシェルフも効果的だろう。

なお、これら3要素のほかにマイナス要素として「Mud」がある。ミキシング、特にKickにおいては音がmuddyになるのを避け、クリアになるように仕上げるのが鉄則だ。250 - 300 Hzの狭い帯域にあることが多いので、ピーキングで探してみてはどうだろうか。

ソース:http://www.benvesco.com/blog/mixing/2007/mix-recipes-kick-drum-eq-and-compression/

Bassの周波数

Bassの場合、鍵になるEQ帯域は以下の8つだ。

1. Boomy (40 Hz – 90 Hz)
2. Fat (75 Hz – 150 Hz)
3. Thin (40 Hz – 180 Hz)
4. Power (40 Hz – 150 Hz)
5. Impact (40 Hz – 150 Hz)
6. Clarity (190 Hz – 800 Hz)
7. Presence (800 Hz – 6.5 kHz)
8. Attack (120 Hz – 4.1 kHz)

ほとんどの帯域は200 Hz以下に集中しているが、Presenceは6.5 kHzに達するなど意外と幅広い帯域にまたがっていることがわかる。この中で最も重要なキーは6番目の「Clarity」だと言えるだろう。

デジタルEQでは自由に周波数をコントロールできるが、アナログEQでは使用できるEQ帯域に制限がある。Mid(中域)は1バンド、ないしはLow Mid + High Midの2バンドになることが多いのではないだろうか。1バンドのEQでは「Clarity」と「Presence」を改善するように努めよう。2バンドだとより詳細な調整ができる。1バンドと同様に「Clarity」と「Presence」の改善、それと太さに着目するのも良いかもしれない。

ソース:https://www.behindthemixer.com/art-bass-eq-using-eight-key-frequency-ranges/

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