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野辺送り

光りない下生えは湿りを失わない。彼女は泣いていた。

月星日らの影は陰に抑えられ、一陣すら沼川すら音はない。わたしは黙す。


影はたれと、彼女は云う。
わたしは月、然にあらず。
彼女は影だった。

わたしは陰に、



野辺送り。