箱の鍵が壊れてしまった。なかには自我という鎖をしまっておいた。やつらは生命維持装置なみに暴虐でしかない。いま静かな箱の底には時を経たワイヤーカッターだけが、わたしを待っていてくれる。ひとは皆、いつか気づく。何よりも、ずっと傍らにあるものに最期は感謝するんだ。挨拶はこうだ。疲れた。