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【中小企業診断士】二次試験285点合格の②解法

割引あり

こんにちは。キニモンです。前回公開した「勉強法」を多くの方に見ていただけたので、今回はその②「解法」についての記事をまとめました。
「解法」というのは「80分の過ごし方」のことです。試験開始から終了まで、何を考え、どんな作業を、どんな順番で、どのくらい時間をかけて行なっていたか。という僕の二次試験「攻略の型」についての紹介となります。
単に時間の使い方だけではなく、その①で行った失敗分析で確立していた「要素選択や回答文作成の手法」も盛り込んで記録したものです。
今回も楽しんでいただけると嬉しいです。


筆記用具

最初は使っていたアイテムの紹介から。本番で安定した型を披露するために、僕は過去問の時も毎回同じ筆記具を使っていました。二次試験は長時間の過酷な試験ですので、少しでも使いやすく安心できるものを使うべきだと思います。僕が机の上に置いていた筆記具を、おすすめ順に紹介します。

蛍光ペン

ぺんてる ノック式ハンディラインS 5色セット
一番重視したのが蛍光ペンです。僕の手順では、予件文のキーワードを漏れなく分類することが重要なので、キーワードを色分けして塗る作業が必要になります。このペンは、以下のポイントが二次試験にベストマッチだと思っています。

  • ノック式なので蓋がなく、蓋を落としたりする心配がないところ

  • 転がらないところ

  • 5色入っていてリーズナブルなところ

シャープペン

三菱 クルトガ0.5 ラバーグリップ
試験中は時間がなく焦りながらも、ちゃんと読める文字で文章を書く必要があるのですが…意外と回答用紙のマスが狭くて、芯が太くなってくると細かい漢字が書きにくかったりします。クルトガは書いてると「芯が自動で回転する」ので、芯が太くならないんですよね。文房具屋ではじめて見た時はびっくりしました。日本の文房具はすごい。
「回転を信じろ。回転は無限の力だ(ジャイロ・ツェペリ)」

消しゴム

トンボ MONO 10個入り
消しゴムは正直どれでも大差ないと思うのですが、二次試験で回答用紙に消しゴムをかけるときは、隣の行にかからないように狙ったところだけを消す必要があるので、本番では角が尖った新品の消しゴムを使っていました。4つの事例用に新品のMONO消しを4つ、持参していました。

定規はなんでもいいと思ったので、家にあった適当なやつを使っていました。定規は、二次試験界隈で有名な「設問用紙破り」に使用するのですが、それはまた後の章で触れたいと思います。


解法

合格者の中でも解法は本当に人それぞれで、皆試行錯誤しながら自分の型を見つけているようです。ブログ等を見ると本当に多くの解法が紹介されています。
それらに優劣はなく、自分がしっくりきたものが自分にとっての正解なのだと思います。なので今これを読んでいる方には、僕の解法もサンプルの1つとして試していただき、崩し離れて、自分のスタイルを見つけていただければ幸いです。

1.設問確認(3分)

はじめに受験番号を記入したら、予件文よりも先に設問に目を通します。ここはさらっと3分以内を目処に終わらせていました。
ここに8〜10分程度かけて回答の方向性を作ってから予件文を読む、のが主流?なのかもしれませんが、そのやり方は僕には合いませんでした。このタイミングで色々整理しても、予件文読んでるうちに忘れちゃうんだもの。それに僕は予件文を読んでいる時はキーワードの炙り出し作業に100%集中するので、設問の内容や回答の方向性を頭の片隅に残しながら読むなんてできませんでした。そうしようとすると読むのが遅くなったり注意散漫になったりしちゃう。だから割り切って、設問確認はさっと済ませて早めに与件文の確認に入るようにしていました。
だから3分以内。この作業はあまり重視していませんでした。

2.予件文の確認(7分)

予件文は、キーワードに蛍光ペンでマークをしながら一周読みます。その作業に平均して7〜8分かかる、というのが僕の実測値でした。
キーワードの塗り方には、以下のようにSWOT+1の法則を設けていました。

  • 赤:強み

  • 青:弱み

  • 緑:機会

  • 黄:脅威

  • オレンジ:経営者の意思・顧客のニーズ

色を分ける理由は、後工程で行う回答骨子作成の際にキーワードを探しやすくすること。また色塗り作業の手順を明確に保つこと。の2つです。
SWOT+1で塗り分けることで、自分がやっている作業を機械化し、ブレずに作業をすることができるような気がしていました。(1色で塗ると、自分が何を塗っているのかだんだんぼやけてくる)

読んでる最中は、ストーリーは普通に読み物として流れを頭に入れながら、あとは法則に従ってキーワードをマークしていきます。この「キーワードの特定」が上手にできるようになることが、僕の解法の中で最も重要な作業です。ここで特定した要素を使って回答文を組み立てますので、塗り外すとその分、点数を落とすことになります。
仕分けたキーワードの中には、「一応塗っとこかな?」という薄いワードもあれば「これは間違いなく使う!」という濃いワードもあります。色を塗ってしまうと区別がつかなくなってしまうので、「これは」と思ったワードには面倒でも蛍光ペンの上からシャーペンでグルっと囲って見落とさないようにしていました。「色は塗ってたのに回答に使い損ねた」というミスが、過去問で何度かあったためです。

<わざわざ書いてある要素は絶対使う>
塗るべきワードの特定には訓練が必要だと思いますが、過去問を何度か解いているうちに、コツがわかるようになってくると思います。「わざわざ」書いてあるようなSWOT+1要素は絶対に使います。「なんかうまくいかなかったようなことが書いてあるけど、この状況なら仕方ないよね」なんてことはありません。二次試験にひっかけ問題はありません。「できていない」って書いてあったら絶対に対策します。「手作業でやってる」と書いてあったら絶対に自動化(機械化)します。「離職率高い」と書いてあったら絶対に下げます。「横のつながりがない」と書いてあったら絶対に作ります。「汎用器具使ってる」と書いてあったら絶対に専用器具使います。予件文の確認作業でやることは、とにかくそれらを漏らさずに炙り出すことです。

3.骨子作成の前に

予件文へのマークが終わったら再度設問用紙に戻り、設問を見ながら回答の骨組みを作ります。

骨子を作り始める前に、必ずすることが2つあります。
1つ目はフレームワークを書き並べることです。内容は事例ごとに異なりますが、予め決めているフレームワークを設問用紙にの脇に書き出しておき、骨子作成のガイドラインとします。
2つ目は、設問文の中に含まれているキーワードにも与件文と同様にSWOT+1マークをすることです。設問文中のキーワードも経営者の意思などが書いてあり、回答要素として使う場合があるためです。

<設問用紙破り>
筆記用具の章で触れた「設問用紙破り」はこのタイミングで、必要に応じてやります。僕は予め破るとは決めておらず、骨子作りの段階で、そのほうが良いと感じたら破くことにしていました。問題冊子の作りによっては、破くことで予件文がバラバラになってしまうこともあるため、必ずしも破いた方が扱いやすいとは思いません。もし破くことを忘れたとしても、それは問題なかったということだからそれでいいんです。ちなみに僕は、本番の試験(R5)では事例Ⅱのみ破っていました。
問題用紙破りについては、一発合格道場のこちらの記事がとても参考になります。

<骨子作成の制限時間>
この骨子作りには時間制限を設け、ある時間になったら回答作成に移行します。僕はこの目安時間を、設問の数によって変えていました。大問1つあたり回答記入の時間を10分残すこととしており、大問が4つなら40分残して回答記入に移行する。5つなら50分残して移行する。という具合です。
その理由は、設問数が多い過去問の方が、回答記入にかかる時間が足りなくなる事が多いことに気づいたからです。設問の文字制限が120文字でも100文字でも1設問にかかる時間はあまり変わりません。それよりも設問の数が多い方が時間がかかります。そのため、回答記入に移行するタイムリミットは設問数によって変える、というのが僕の型です。

4.骨子作成

前置きが長くなりました。骨子作成でやることは、マークしたキーワード(要素)を設問ごとに割り振る作業です。各設問ごとに、予件文のどの要素を使うかを決めていきます。
基本的にはピックアップした要素は(勢い余って塗りすぎたものを除き)漏れなく回答文で使うことを目指します。そのため予件文中のキーワードの横に、使った設問番号を書き込んでいきます。要素を集めながら、文章の骨子を組み立てて行きます。

<作成の順序>
骨子は原則、第一問から順に作っていきます。前半の問題が分析系、後半の問題が戦略系である事が多く、前半の分析が後半の戦略につながっていく事が多いからです。ただし、悩む問題があれば飛ばして自信がある(確度の高い)設問の骨子を先に作るようにしていました。そうすることで、自信がある問題で要素を消化し、使わなければならない要素の数を減らした状態で、難しい設問の骨子を考える事ができるためです。(パズルは、ピースが少ない方が易しいという考え方)

<作成方法>
骨子の作り方は、設問ページの余白に「与件から拾った要素を殴り書きで書き並べ、それをどの順序で書くか決める」という方法でした。最初は粗々で思いついた順に要素を書くのですが、そのままでは文章にならないので、回答文の形を考えながらその要素を書く順序を入れ替え、頭の中で「よし文章にできそう」と思ったところで完了としていました。順番の入れ替えは①②③と要素の前に書いたり、要素同士を矢印で繋いだりして表現していました。
僕が最も高得点だった、R5事例Ⅲの設問ページPDFを本文の最後に添付しています。本番で作成した骨子メモが参照できます。再現答案と比較して見て頂くことで、骨子をどのように作り回答文を作成したのかが読み取れます。(要素の順序を①②③で入れ替えたり、矢印で繋いだりしているのが読み取れると思います)

<被りは良いが漏れはNG>
マークした要素は各設問に「漏れなく被りなく」割り振れる事が望ましいですが、そううまくいかない事がほとんどです。そんな時、僕は設問の回答要素が「被る」ことは許容していました。設問2と設問3の回答の内容がダダ被りしていても問題ない、ということです。両方で加点される可能性もありますし、最悪どちらかでは拾えます。逆に、許容してはいけないのは「漏れ」の方です。漏れは1点にもなりません。そのため、要素の中で未使用のものがないかを、回答文作成に移行する前に最終チェックします。(特に、予件文確認時にグルッとしたキーワードは絶対に漏らさないように確認します。上述した通り、それは絶対にどこかの設問で使うべき要素だからです)
「ぜっぜっぜっ絶!対!ひゃくパーセントです(ボインゴ)」

<骨子作成のタイミングについて>
僕は「使う要素を並べながら解答骨子を作る」というスタイルでしたが、「最初の設問確認の時点で解答骨子(文の形)を先に決めておく」というやり方が主流なのかもしれません。かの野網 美帆子先生のテキストでは、そのように骨子を先に作る解法となっていました。ただ、僕もその方法を試したのですが、どうしても文の形に縛られてキーワードを割り振り漏らしてしまったり、最初の想定通りの形に作れなかった時のリカバリがうまくできなかったりして、やめてしまいました。やはり人によって、スタイルには相性があるのだと思います。

*この先の「5.回答文作成」「6.ファイナルペーパー(Excelファイル)」と、おまけの「R5事例Ⅲ本番骨子+80点再現答案(PDFファイル)」は、申し訳ないのですが有料ページにさせていただきました。ファイナルペーパーの内容は知識系ではなく、各事例共通で意識していたことと回答文パターンとなっています。
「ちょっと参考になったし、まあ珈琲一杯くらい奢ってやるか」という心優しい方は、ご検討いただけますと幸いです。

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