食器=陶磁器と言う概念にあえて殴り込みをかけたい僕

「食器のルーツ」と言う語句でgoogle検索をしたら
↓ページが トップに出て来ました。
食器の歴史を紐解いてみよう - オフィス用品の教科書

その記事では
「食器の歴史はとても古いです。日本で初めて食器が登場したのは縄文時代の縄文土器です。」
とあるのですが
先日、僕の記事で紹介した通り、縄文土器は世界初の陶磁器なので、上の記事に当てはめると世界で最初に食器を用いたのは縄文人ってことになりますね。

ちょっと意地悪な書き出しをしてしまいましたが、
冒頭のページは「食器」=陶磁器って前提で記事を書かれているみたいです。

僕が知りたかったのは、道具として、食事に用いた器のルーツだったのでちょっと残念。

しかし、それ程、食器と言えば一般的には陶磁器が前提になってしまうのですね

因みに、木器は腐って土に還ってしまうので、なかなか遺跡から出土することはないみたいですが、
それでも縄文中期の遺跡から食器として使われていたのではないかと推察される木器が出土しているみたいです。
縄文時代の木の器―石狩紅葉山49号遺跡から

縄文時代もかなり昔ですが、
それ以前の人類が全く何も使わずに直接手づかみで食事をしていたとするのも不自然ですし
やはり、最初の食器は何らかの木製品(木器)を使っていたと解釈できるのではないでしょうか。

なので、日本あたりでは縄文の頃に土器が発明され、
次第に食器の主役は木器から陶磁器に置き換わって行った言うのが筋だと思われます。

現代では更にプラスティックが木製食器の最後の牙城、汁椀までも脅かし、
うちの娘に至っては、漆塗りのお椀に向かって
「えっ、これ、木でできてるの_」と言う始末ですから悲しいです。

それでも↓な嬉しい記事も見つけました。
食器を木製にしたら家族のQOLが向上したので食器を入れ替えているお話

また、最近では大舘の曲げわっぱがお弁当箱として見直されて人気があるみたいです。


さてさて、ここからが今日の本題、僕の作る木製食器のお話です。

木製食器と言うと、前述の縄文遺跡出土品にしても、主婦ブロガーさんの紹介している物にしても
ほとんどが一つの木の塊(ブロック)からノミや彫刻刀あるいは木工旋盤などで削り出したものです。〜タイプA

対して、僕の木工は他の作品を見ていただければ分かるように
木材を製材して板状になった(した)状態から切り出して接着し立体(容器)にしています。〜タイプB
つまり、塊から削り出してダイレクトに形状かするのではなく
一旦板状ににして、接着・組み立てにより器にするのです。

利点としては
ブロックからの削り出しに対して圧倒的に材料の消費が少ないことです。
欠点としては
工程が複雑多技になることです。

一般的にはタイプAがほとんです

ただ上記の利点/欠点は作る側の問題で
使う側=消費者の立場に立てば関係ないことですね。

使う側の立場に立って重要なのは使いやすさ・耐朽性・価格・そして安全性

使いやすさについては
木材が主材料である点に代わりはないので
食洗機や電子レンジが使えないと言った木製食器の欠点は同等でしょう
あとは形状に依るところが大きいと思います。

価格については
タイプAは原材料費の割合が大きくなると思うので
原木が安価なら製品も安価、原木に拘ればそれはそのまま製品価格にはね返えると思います
タイプBは板材から形にしていくので材料のロスが少なく
その点でAに比べ材料費の影響力は少なく選択肢が広がりますが、形状が複雑になり作業工程が増えればそのまま価格に跳ね返ります。
つまりタイプBの物づくりは、単に最終形態だけではなく、そこに至るプロセスまでしっかりデザインしないとただの自己満足になってしまいます。
その意味で、
大舘の曲げわっぱはニューヨーク近代美術館に貯蔵されても良い程のグッドデザインだと僕はリスペクトしています。

そして、耐久性や安全性について
タイプA・B最大の違いは接着と言う工程があることです
(*タイプAでもブロック状に集成する場合は接着工程があります。)
つまり
接着の強度や、接着剤の安全性と言ったことが大きな課題になります。

逆に言えば、その問題がクリアーできれば、
あとは製作工程も含めたデザイン次第!と言うことではないでしょうか?


最重要課題=接着剤
については、後日、別記事とさせていただきます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
その後の僕の木製食器への挑戦について、もしご興味を持たれたならば、
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