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最強戦ーー息子にファイナルで戦う姿を見せたい【朝倉康心】


シンプルに生きることが難しい


今年の最強戦。
人選は色々と言われているが個人的には何にも気にならない。というより、僕自身がMリーグにもパイレーツにも未練がないというのが大きいと思う。
誤ツモ事件でのやらかしとインタビューでの不適切な態度、成績の不振、練習不足、Mリーガーとしての適性のなさなどで、晩年の自分はそもそも自分自身でMリーグにふさわしくないと思っていた。
そう思いながら戦っているのは色んなものに対する冒涜で、礼儀を欠いているなという思いもあったが。

なので、自分がクビになったチームと新しく入った選手に対してどうこう思える立場ではないのだ。自分が監督だったら間違いなく自分をクビにしている。

なので遺恨というものはない。
チームの側からすると僕は気まずい相手ではあると思うが、僕側からは特に負の感情はない。
しいて言うなら、自分たちが在籍中にめちゃくちゃ勝って正論パンチしてた小林さんが、抜けた後に急に勝てなくなってなんでやねんという感情くらいである。

他の記事でも書いたが、今の自分は麻雀牌を触る機会がほとんどない。勉強会も一切できていないし、タイトル戦にも出ていない。麻雀プロと呼んでいいのかもわからない存在だ。
最強戦も当然勝ちたいし、あっさり負けるのは悔しい。
でも心のどこかで、現役バリバリの選手に圧倒的な力の差を見せてほしい。旧パイレーツとの格の違いを見せて圧倒的に勝ってほしい、という想いもあるような気がする。

自分の麻雀へのまだ残っている悔しさの部分、麻雀に心血を注いでいる選手が報われてほしいという本音の部分、全く勝っている姿を見せられていないのに、それでも応援してくれるファンの方への申し訳なさと勝った姿を見せたいという想い、息子にファイナルで戦う姿を見せたいという想い、など色々な思いが混ざっていて、なかなかスッキリ割り切れるものではないのだと思う。

でもそれでいいのかもしれない。感情なんて0か100で決められるものじゃないし、多くの人は雑念を捨てて割り切ったふりをしているだけなんだろう。

昔はもっとシンプルに麻雀のことばかり考えて生きていたけど、色んなことを経験しすぎて今の自分にはシンプルに生きることが難しい。

色んなものを抱えてベストを尽くす、そんな最強戦にしたいと思う。
負け役になるとしても、いい麻雀を打たなければ勝者が報われない。
勝つなら勝つ資格のある麻雀を、負けるなら勝者が称えられるような麻雀を打ちたいなと思います。

最強戦は今回で最後かもしれないと思う理由

さて、金本さんから書いてほしいと言われたテーマがあるのでそれにもお答えしなければ。

「昔は精密で強いと思われたが今はネタキャラ化してないか?
最強戦も今回で最後やろ?
どうせ負けてヘラツイートするんやろう?」

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