プロ雀士超技巧伝・堀慎吾⑥「オーラス親でピンフテンパイ外す!?」(文・須田良規)
<毎日面白いなぁファイナルは>
毎日毎日Mリーグのファイナルが面白すぎてダメです。
他のことが何もできません。
僕はヨメにいつもこの時間は子供の面倒を見てもらって、ずっと試合に没頭しています。とんでもないパパです。
選手の方も何でこんなに毎回めちゃくちゃに面白くできるんですかね。
変なアドレナリン出てないですか。寿命が縮んでないですか。
さてさて、今回取り上げるのはそのファイナルシリーズの4回戦目。
2024年5月7日(火)の第2試合になります。
話題になった堀くんのあの牌姿です。
試合前のトータルスコアはこんな感じ。
U-NEXT Piratesが抜けて首位、次いでEX風林火山。
離されているKADOKAWAサクラナイツと赤坂ドリブンズは、かなりトップにこだわりたい状況でした。
で、南4局の1本場。
ラス親の堀くんが37300点持ちのトップ目。
南家のドリブンズ・園田賢選手と、北家の風林火山・松ヶ瀬隆弥選手は、それぞれ7000点差、11600点差です。
共にトップの可能性は十分あり、
特に園田選手が狙ってくることは当然ですよね。
<話題になった堀くんの手牌進行>
で、堀くんの手です。
3巡目にしてもうこのテンパイ。タンヤオのみの2p8pシャンポン待ちです。
2pは1枚既に出ていますね。
堀くんはこのとき、
「園田さんからだけアガるつもりだった」
とのこと。
ただそれも相当渋々だそうです。
堀くんはこの局流局して伏せればトップ確定なので、実際しょうもない手でアガって連荘したくはないのです。
このへんは、Mリーグというアガり止めのないルールならではの感覚ですよね。
そういうわけで5巡目にツモ4mと来たとき、ノータイムでシャンポンテンパイを外しました。
元よりあまりアガりたくもない2000点の手ですから、どうせなら打点をつけて好形で決め手にしたいところです。
次巡にドラの9mツモ切りをしたあと、すぐツモ7pと来ます。
やりましたね。ピンフで張り返しました。
端にかかった好形リャンメン、6pならタンピンになりますし、十分でしょう。
しかし堀くんは少考してます。
えー不満?
じゃあ後半オリての流局も視野に入れて、ダマとか?
でもちょっと先が長いからやっぱリーチじゃない? ダマで出てアガりたくないよね。
7pツモ切り。
ぶはっ!!!マジか。
次巡、ツモ6m。
25m待ちでリーチ!! うおおおメンタンピンで復活だよ。
そしてなんとその同巡にPirates・鈴木優選手がツモ9pでテンパイし、一発で2m切り追っかけリーチ。
「ロン!ですねぇ~」(CV:渋)
どひゃーなんじゃこりゃ。
日本中でこのアガリは驚嘆を呼んだんじゃないでしょうか。
<堀くんに理由を聞いてみた>
堀くんがどういう思考をしていたのか、たいへん興味深いですよね。
いつものように聞いてみました。毎度毎度ご苦労様です。
堀くんが7pを引いた瞬間の状況はこうです。
「まずこの69pという待ちですが・・・松ヶ瀬さんがピンズの染め手で、
2pが3枚見え、6p7p8pが2枚ずつ見えています。
園田さんが4p6pとターツを落としていることも踏まえると、
(園田さんも含め)全員が持っている可能性のある高めの6pでアガれる感じはしませんでした」
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