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ケネスvs警察【文・ヨメス】

ケネスと付き合って1ヶ月が経とうとしていた。

当時、私は夜勤のアルバイトをしており、ケネスも夜型だったので、明け方にデートをすることが多かった。

その日も、夜勤明けの私を、ケネスは車で迎えに来てくれた。

停車し、フロントガラス越しに手を振るケネス。

そのフロントガラスの前に並べられた大量の鼻紙が、まだ薄暗い街の中に白く浮かび上がっている。

そう、誰がいったか知らないが、ケネスの車は別名「ゴミ箱」と呼ばれていた。

助手席の下も、その名に恥じぬくらい大量のゴミで埋め尽くされている。

この頃には私も慣れたもので、ケネスの車に乗る可能性のある時は、サンダルを履かないように気を付けていた。

うっかりゴミの中の紙コップを踏んづけてしまうと、中から中途半端に残ったコーヒーが溢れ出し、足が汚れてしまうからである。

世の中には、車内土禁を徹底し、車が汚れないように気をつけている人もいるというのに、ケネスの車ときたら、人間の方が汚れないように気をつけなくてはならないのだ。困ったものである。

しかし、順応性が高い割に、彼氏の車を掃除してあげようという甲斐甲斐しさもない私は、ブーツを履くなどして、うまく対応していた。

私が車に乗り込むと、ケネスは夜の街を走り出した。

あてはない。

ドライブをしながら2人だけの時間を過ごすだけでも、十分楽しい時期であった。

路肩に車を止め、缶コーヒーなどを飲みながらあれこれしゃべっていると、事件が起きた。

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