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「激白熱対談!!  対戦相手にフォーカスを当てる軍師、 頭脳ゲームとして王道を追う賢者。勝利のための異なる道とは!?」勝又健志・園田賢対談スペシャル企画(1)

近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。6回目となる今回は、Mリーグでも屈指の理論派雀士である、勝又健志(EX風林火山)・園田賢(赤坂ドリブンズ)に来ていただいた。勝利への道筋、そして麻雀の深淵を追い求めている2人ではあるが、そのアプローチ方法は違う。対談はときに異なる意見を通わせながら当初の予定時間を大幅にオーバーし、互いの意見をぶつけ合った。(全3回の1回目/#2、#3へ)
[文・東川亮]

■偶然で隣の席だった初めての出会い

――お二人は、Mリーグ前に接点はあったのですか。
 
園田 そんなに深くはないですけど。会ったのは1回じゃないかな。たぶん他の人も踏まえて、歌舞伎町だったか…。
 
勝又 高田馬場だと思うよ。僕は僕で練習会をしていて、賢ちゃんも別で練習会をしていて、そのあとにご飯を食べに行った場所がたまたま同じ店の隣の席だったから、じゃあ一緒にご飯を食べようか、となったのが最初だったと思います。

 若手時代とかだと、もしかしたらどこかのタイトル戦で一緒になっていたこともあるかもしれないですけど、初めて会ったという認識で言うとそこですね。

園田 そのときのかっちゃんがすごく印象的だったんですよ。僕はお酒を飲んでいたけどかっちゃんは飲んでいなくて、「勝又さん、お酒飲まないんですね」って聞いたら、「だって今日、勉強会の振り返りを家に帰ってやるでしょ。そのときにお酒が入っていたらダメじゃん」みたいなことを言っていて、すごくストイックだなって思ったんです。

 で、そのときにいろいろしゃべって仲良くなって、そのあともう1軒行ったよね。そしたらそこでは飲み出して。 

勝又 それはもう、時間的に「今日は無理だな」って諦めたんです。まあ、もともとお酒はめったに飲まないんですよ。全く飲めないわけでもないですけど、あまり好きでもないし。 

――それはいつぐらいの話ですか。

 園田 Mリーグが始まる2年前くらい? 

勝又 7、8年くらい前、という気がします。具体的には全く覚えていないですけど。 

園田 Mリーグが始まる前で、プロ団体日本一決定戦、駅伝、駅伝、Mリーグですよね。駅伝くらいのときかもしれない。 

――そこから意気投合したのですか。 

勝又 結構行動範囲が似ていて、街中でバッタリ会ったときとかはしゃべりますけど、ご飯に誘うとかはMリーグが始まるまでは一回もありませんでした。でも、2人ともおしゃべりが好きですし、会えばよくしゃべるんですよ。2人ともタバコを吸うので、今だと喫煙所とかで。 

園田 かっちゃんは、表ではおしゃべりが好きなのを隠しているんですよ。なによあのいつもの対局後のインタビュー。

 勝又 インタビューは真面目に答えているだけだから。おしゃべりは好きだけど、インタビューはおしゃべりというか、聞かれたことに答える場じゃん。 

■それぞれの麻雀観、「期待値」と「数字」

 ――お二人は、それぞれに独自の麻雀観をお持ちだと思うのですが。たとえば、園田さんの「期待値を追う」とか。 

勝又 麻雀観は結構似ていますよ。今、「期待値」という言葉が出ましたけど、期待値は麻雀を打っている人なら全員が考えていることなんですよ。ただ、その期待値って具体的に計算できるものではなくて、明確に「期待値プラス435点」とか言える人は一人もいないはず。

 その期待値の根拠をどこに求めるかがそれぞれに違うわけです。自分の手や河の状況、相手の仕草をどのくらいの割合で根拠に入れるか、それこそ「流れ」を入れる人もいますよね。 

園田 ドリブンズで「期待値を追う」みたいな感じのことをたろうさんが言って、「それいいね、ドリブンズで言っていこう」という感じになって、ドリブンズは「期待値を追う」みたいな感じになっていますけど、それって当たり前なんですよ。

 期待値って「確率×報酬」だから、報酬の部分を半荘の成績100パーセントじゃなくて、半荘の成績90、楽しむ満足10、みたいに期待値の報酬として見ているとすれば、それも期待値を追っていると言えるものね。結局全ては期待値だし、日々の活動も全部期待値を追っていると言えるんですよ。 

勝又 体感の期待値を考えるときに、どの要素を取り込むかが大事だと思うんですけど、そこで取り込んでいる要素がお互い似ているよね、という感じです。

 ――園田さんのほうが、より研究された数字を取り入れている印象があります。 

園田 いろいろな数字のデータがあると思うんですけど、僕はそれがよく分からないんです。ずっと競技の世界でやってきているので、たとえば「天鳳」のデータで、何巡目のカンチャン待ちリーチはリーチしたらアガリ率がどうのこうのです、というデータがあったとして、そのデータを僕らはどうやって役立てればいいの?とは思っているんですよね。

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