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新宿租界のZ李さん【ドキュメントM】

この記事は近代麻雀4月30日発売号に掲載されます。

Z李さんという男性がいる。新宿租界というグループの代表で、公営ギャンブルの予想やキムチなどの食品販売、保護猫カフェの運営など、その活躍は幅広い。このZ李さんが大の麻雀好きで「近代麻雀」の愛読者と聞き、お話を伺った。

 

麻雀を始めたのは中学生の時

 取材を始めてすぐ、

「近代麻雀、ずっと読んでるんですよ。漫画の『むこうぶち』が大好きで、特に江崎とノガミの秀が好きです」

と言われて驚いた。特に江崎については、

「一回傀にやられて、漁船に乗って、戻ってきてまたやられて、すごいなあと思ってます」

と、思い入れがあるようだ。

そもそも麻雀歴は長いのだろうか?

「麻雀は中学生のときにはもう覚えてましたよ。
俺のうちは母子家庭で、保険の外交員をやってた母は夜は早く寝てしまうんで、勝手に外に行ってもあまり怒られなかったんです。
で、同じ団地の同級生の家に夜中に集まってやってました。
その家にはこたつと麻雀セットがあって、お父さんがタクシー運転手、お母さんがホステスさんで夜中に留守のことが結構多かったんです。
その家の7つ上のお兄ちゃんがイカサマを披露してくれた時に、カッコいいなって思いました。

単純なやつですよ。
自分の前に役牌を爆弾にして抜いてきたり、何度も目の前の山でエレベーターして早アガリしたり、カンした時にドラ表示牌を握ったやつと入れ替えたりとか。そういうのをその日の終わりに種明かししてくれました。

モラルの問題とかじゃないんです。
同じ団地の子供の遊びなんですけど、『何をしてでも負けないぞ』っていう姿勢がかっこいいと思いましたね。ゲームを勝ち抜くために、こういうやり方もあるんだってことを覚えました」

 中学卒業後、高校に入ったもののすぐに中退。

「16過ぎると今までの団地の友達以外にも交友関係広がるじゃないですか。新しいコミュニティでは麻雀教えるのが俺だったりして、その頃はバイトしたり悪いことしたりで金を持っていることも多かったから、お金の取り合いってなるとそこらへんからですね。

友達の友達の先輩とか、遠いやつが同卓したらインチキして小遣い稼いでましたね。
堂々とやっちゃうと握っても何してもバレないってのがわかってからは簡単でした。

実家の庭のプレハブに住んでた友達がいて、だいたいそいつの部屋で麻雀して荒稼ぎしてました」

 

フリーで負け悔しくて人読みを覚える

 その頃、セットのイカサマ麻雀以外に、フリーでも打ち始めた。

「南千住に千点500円の店があって、ちょっと遠かったけど単車で行ったりしてましたね。その頃は年齢確認なんかなかったから。

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