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若手プロに知ってもらいたいこと 常に頭を使え

【切り返さない2割の運転手さん】

 最近、タクシー配車アプリをよく使うんですよ。
 特に「この先、道路の幅が狭いため自動車の通り抜けができません」という看板がある通りの途中の建物に呼ぶことが多いのですが、10台に1台か2台の割合で「なんでなん?」という運転手さんがいらっしゃいます。
 そこは一方通行ではないのですが、前から自動車が来たらすれ違えないほど狭い道です。そのかわり横道があって、そこで車を切り返すことが可能です。しかも、そこは行き止まりになっているので、周辺の住人以外は車で入っていかない道路なのです。
 以上のことはカーナビやスマホの地図を見れば明らかなので、8割以上の運転手さんは行き止まりの路地に入り、切り返して待っていてくれます。そうしておいてくれると、乗ってすぐ発進してもらえるので、お互いに時間の無駄がなくていいですよね。
 でも、2割ぐらいの人が、なぜかそれをやってくれないんですよね。
 酷い時は、前から来る車に押し戻されて、バックしてどんどん幹線道路の方に戻って行こうとするタクシーもいました。
 私のアプリに「到着しました」という通知が入ってから3分ぐらいは経過しており、その人、3分もずっとそこにいて、挙句の果てに前から来た車に押し戻されようとしているんですよ。
 慌ててその車の方に走っていき、身振り手振りで横道の方に誘導しました。そうしないとその人は、幹線道路まで50メートル以上、バックして戻っていきそうな勢いだったからです。
 その時もですよ。お尻から入ってきてくれれば、もう切り返さなくて良いのですが、頭から入ってくるんですよ。
 え?
 またこっちで切り返さなアカンやん。
 私もさすがに身振り手振りだけでは「ケツから入れて」と伝えることができず「まあええわ」と諦めてしまいました。
 そもそも、わざわざ路地にまで車を来させるのには意味があります。
 雨が降っていたり、真夏で異常に暑かったり。そのどちらかなのですが、その日は大雨で、傘を持っていなかったから入り口にビタづけしてほしかったんですよ。
 なのに、結局は濡れてしまいました。
 さすがにイライラしましたが、こういうのって、その人を責めてもまったく意味がないんですよ。悪気があるわけじゃないし、要するに何も考えていないから、こんなことになるわけです。
 その人とは、おそらく二度と会うことはないでしょう。
 だから私が何かを言っても、まったく私にメリットはありません。
 ちなみに、私は「切り返してね」という意味を込めて「目的地」を入力するようにしています。
 さすがに「行き止まり」の方向に行くわけはないと思ってはいましたが、もしかしたらそれで気づいてくれるかもしれません。
 だから「目的地」を入れているのですが、ダメな運転手さんの割合は変わりません。やはり10回呼ぶと1回か2回は「切り返して待つ」ということができないんです。

【大会受付での考えられない行為】

 これを読んだ皆さんは「気が利かんなー」と思うかもしれませんが、もしかしたら、皆さんも同じようなことをしてしまっているかもしれません。
 少なくとも、私が「麻雀最強戦全日本プロ選手権」の予選会で受付をしている中で、いくつか「何でそうなるの?」と思うことがあります。
 

①長い列に待っている間に参加費を用意しない人

 これ、ボーっとしすぎなんですよ。エレベーターの中で財布を出してお金を出しておけ、とまでは言いませんが、たとえばラーメン屋の券売機の前で並んでいる時、とりあえず千円札と小銭は出しておくじゃないですか。それと同じで、自分の番が来てからカバンをあけて財布を出して、お金を出して、というのは「考えなさすぎ」だと私は思います。
 

②卓番号を決める札を引く時に山の真ん中らへんから取ろうとする人

 卓番号の抽選札を混ぜて、4つの山を作っておき、そのどれかから引いてくださいと言うのですが、まれに「一番上じゃなくて真ん中から引いていいですか」と聞いてくる人がいます。
 気持ちは分かるのですが、絶対に山がくずれてややこしいことになるんですよ。
 そして、そういう「選びたい」という気持ちを満足させるために、わざわざ山を4つに分けているので、どうか「4つの山のどれかの、1番上の札を引いてください」とお願いすることにしています。
 これをやってしまう人は「考えなし」ではなく「こだわりが強すぎ」なのでしょう。
 

③抽選札を持って行ってしまう人

 自分より前の人が引いた札は、表向きにしてテーブルに並べてあります。
 それを見れば「ああ、ここに置くのね」と察することができる人がほとんどなのですが、結構な人数が抽選札を持ち去ろうとします。
 いやいや、ラミネート加工してあるし、どう見ても使い捨ての札じゃないんだから、持って行ったらアカンでしょ。
 しかも、前にたくさんの札たちが置いてあるわけだから、そこに置くでしょう普通は。
 あまりにも、そうやって持って行く人が多いので、紙に「抽選札は持って行かないでください」と書いて札のすぐ横に置いておいたのですが、それでも多くの人が札を持ち去ろうとしました。
 仕方がないので、私はもう「札は持っていかれるもの」と思って、引いた人の札に、ほぼ同時に手を伸ばすようにしています。
 

④表向きの札を引こうとする人

 これが一番、考えられないのですが、すでに抽選が終わって表向きにして置いてある札を引こうとする人が64人中1人ぐらい存在するんですよ。
 いやいや、それやったら自分の意思で卓番号を選べるやん。抽選じゃないやん。
 さすがに、本人も「あああああ」と間違いに気づいてあたふたするのですが、私にとっては「考えられない事象」です。

 ほら、もう、ちょっと「受付」しただけでこれですよ。こんなにもツッコミどころがあるんですよ。
 プロ雀士に限らず、麻雀を打つ人って、めちゃくちゃ頭を使う習慣があるわけじゃないですか。対局中は、相手の手出し、ツモ切りを覚えながら、自分の手牌の「次の一手」を何通りか考えて、鳴くべき牌が出たら即座に「ポン」と発声して。そんなマルチタスクの権化みたいなゲームをやっているのだから、脳はフル回転しているはずなんですよ。
 なのに、なぜ、卓を離れたらそんなにダメになるんでしょうか。

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