新倉真治

音楽と小説をやってる。 Twitter〈@fenekkou〉

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マガジン

  • Pastel*Planet データベース

    これまでに発表した音楽のデータなど。

  • 日記的な文章をテキトーに放り込むヤツ

    日記的な文章をテキトーに放り込むヤツ。 取り敢えず鰹のたたきは美味い。

  • セルフライナーノーツ

    これまでの曲のライナーノーツ的なアレ。 取り敢えず湯豆腐は美味い。

  • 『for hazuki』

    3月24日に名古屋国際会議場で行われる「名古屋コミティア54」で発表予定の『for hazuki』という小説です。 【あらすじ】 無人の音楽室で無意味にピアノを弾いていた主人公は、校内をパトロールしていた風紀委員の宮部葉月に注意を受ける。主人公は彼女の放つ雰囲気に、何か自分に似たものを感じていた。

  • 二次創作シリーズ

    二次創作で作った作品達です。多分Keyのばっかりになると思うけど。

最近の記事

  • 固定された記事

『for hazuki』前編

宮部葉月がトラックに轢かれた。 それは八月の終わり頃の夕暮れ時の事だった。幸い一命は取り留めたものの、それからもうすぐ二ヶ月となる十月中旬の今でも、昏睡状態で眠ったままでいる。 僕が彼女と出会ったのは、高校一年の三月の終業式の前日だった。放課後のグラウンドからは運動部の掛け声やらが聞こえてきていて、そしてそれとは対照的に、校舎の中はひどく閑散としていた。僕は何の気まぐれか、特に理由もなく無人の音楽室に行き、特に理由もなくピアノを弾いていた。ドビュッシーを弾いていたとか、ラヴ

    • Pastel*Planet 0.01-finishied a la carte- トラックリスト・歌詞

      〈トラックリスト〉 1.Parade!!! 2.セカイのアニマ 3.シャウト☆新興終末教 4.グッドバイ・サマーライツ 5.サルトメモリア 6.for hazuki 7.マイルーム 8.終わりの輪廻 〈歌詞〉 【2.セカイのアニマ】 ココロ高鳴るステップを踏んで ウタを歌うのイノチのウタを キミもワタシもミライ目指して 歩いて行くの カコもミライも流転していて 全てのイノチもまた廻って ワタシのウタもキミのコトバも 巡り巡ってく キミのココロ黒いアマグモが覆っても ワタ

      • Pastel*Planet 0.03-Guardians of ego- トラックリスト・歌詞

        〈トラックリスト〉 1.Theme of Memory 2.うたはねむる 3.ねぇ、オルガ 4.The Planetarium 5.アフターオール 6.At the end of a Jouney 7.地球儀を回して 8.Flower of Doomsday 〈歌詞〉 【2.うたはねむる】 ぼくはゆめをみてる いのちのゆめをみてる うたはねむる ぼくはゆめをみてる しぬゆめをみてる すべてのいのち わたしはうたう 【3.ねぇ、オルガ】 古びた恋の歌、 寒い真冬の夜の

        • 『for hazuki』番外編その二「高校二年、二月某日、音楽室にて」

          「はぁ、疲れた」 昼休みの音楽室に、葉月のため息が吸い込まれていく。午前最後の授業は体育だったので、それで疲れたのだろう。 「そういえば、女子の体育はバスケットボールだったっけ」 「ええ。よくあんなに走り回れるものね」 「確かに、運動部の人とかの体力はすごいからね。お疲れ様」 そして、僕らはそれぞれの弁当をぱくつく。最近は僕も葉月も、昼休みや放課後になると、決まって音楽室にいるようになった。昼休みは昼食をとったり、雑談をしたりして、放課後には、授業の予習復習やテスト勉強なんか

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        『for hazuki』前編

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          5本
        • 『for hazuki』
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          1本

        記事

          Pastel*Planet 0.05-In between dream and dream-歌詞

          【2:セカイのアニマ】 ココロ高鳴るステップを踏んで ウタを歌うのイノチのウタを キミもワタシもミライ目指して 歩いて行くの カコもミライも流転していて 全てのイノチもまた廻って ワタシのウタもキミのコトバも 巡り巡ってく キミのココロ黒いアマグモが覆っても ワタシのウタで晴らしてあげる ウチュウを廻る蒼いホシ ワタシのウタで包み込んで きっとワタシはキミの行く先を 明るく照らしだす ダレカのこぼしたナミダ ワタシタチのウタで拭うの もっとセカイをエガオで満たすの シ

          Pastel*Planet 0.05-In between dream and dream-歌詞

          【サマポケ二次創作】次の夏休みにもまた

          4月20日に行われたKey系同人イベント「Key Island」で発行された、ゆきゆき様主催のサマポケアンソロジー企画『Sea, Our Memory』に掲載させてもらったサマポケSSです。 -次の夏休みにもまた- 「まもなく鳥白町漁港に到着します」 フェリーのアナウンスが聞こえた。 このアナウンスを聞くのも、もう何度目かのことになる。 夜は大分涼しくなってきているものの、まだ日の登っている内は少し暑かった。海風が気持ち良い。 あの夏休み以来、俺は週末になると決まって鳥白

          【サマポケ二次創作】次の夏休みにもまた

          『for hazuki』番外編「もしものもしも、僕の恋人があの日死んでいたら」

          ニュースを見て、宮部が死んだことを知って、誰に掴みかかってこんなことは嘘だと叫び散らせば良いのかも見当がつかなかった僕は、自分の部屋で布団を被って、膝を抱えていた。目は開いているが、目の前に広がる景色は昨日の公園のそれで、僕の隣には宮部がいる。それは言うまでもなく夢だ。現実ではない。何しろ今、現実は救いがたいほどに、絶望的なのだから。 震えが止まらない。いきなり何かが抜け落ちた喪失感と、それに骨抜きにされて形を崩した感情に、心が押しつぶされそうになる。 「助けて……」 誰に宛

          『for hazuki』番外編「もしものもしも、僕の恋人があの日死んでいたら」

          SLN第五弾「アフターオール」から「Flower of Doomsday」までについて

          セルフライナーノーツ、第五回の今回は3stアルバム『Pastel*Planet 0.03-Guardians of ego-』から、後半の4曲について解説しようと思う。 【「アフターオール」について】 以前にどこかで話していたような気がするが、私はいつかボーカロイドオペラのような作品を作りたいと考えている。これはその中のアリアから一曲を、アルバム用にアレンジしたものである。 歌詞のテーマは「人間」と「個人主義」で、原題は「防衛機構」だった。例えば「辺りは騒然として、だけど誰

          SLN第五弾「アフターオール」から「Flower of Doomsday」までについて

          SLN第四弾「Theme of Memory」から「The Planeterium」までについて

          セルフライナーノーツ第四回は3stアルバム『Pastel*Planet 0.03-Guardians of ego』から、前半の四曲を解説しようと思う。 【「Theme of Memory」について】 この曲は「サルトメモリア」と同様に「とある物語」の一つのテーマとして制作したものである。同じフレーズを繰り返すバリエーション的な曲であるが。それはこの物語のテーマや、ストーリーにリンクしている。そこらへんは、また今後にこの物語を発表するまで、楽しみに待っていていただきたい。

          SLN第四弾「Theme of Memory」から「The Planeterium」までについて

          SLN第三弾『noiz』について。

          セルフライナーノーツも3回目である。今回は2stアルバム『noiz』について、解説しようと思う。 noizの構成は、1つのノイズが6分間流れ続けるのを、10トラック繋げる、というもので、そのためアルバムを通した再生時間は60分となっている。そのため、このアルバムを、時間を図るタイマー代わりに使用していただいて構わない。 ノイズミュージックで、私がよく聴いているものは、ノイズが、リズムトラックのようになっているものや、時間が経つにつれアナログ的な変化が音に発生するものだ。だ

          SLN第三弾『noiz』について。

          SLN第二弾「サルトメモリア」から「終わりの輪廻」までについて。

          前回に引き続き、1stアルバム『Pastel*Planet0.01-finished a la carte-』から後の4曲を解説しようと思う。 【「サルトメモリア」について】 この曲は、私の中で構想を練っていたとある物語の、オープニングを意識して作曲したものである。その「とある物語」については、今後なんらかの形で発表したいと思っているが、何しろストーリーがとてつもなく長いので、どうしたものかと模索中である。 そのため、これについては、歌詞についての言及はしないでおく。 曲に

          SLN第二弾「サルトメモリア」から「終わりの輪廻」までについて。

          SLN第一弾「Palade!!!」から「グッドバイ・サマーライツ」までについて。

          セルフライナーノーツ一回目の今回は、1stアルバム『Pastel*Planet0.01-finished a la carte-』から始めの四曲を解説しようと思う。 【一曲目「Palade!!!」について】 アルバムのリードトラックとして制作した作品で、元々は夢の中で何と無しに思いついたメロディをベースに作曲した。 特徴は、曲中でのノイズの扱い方だろうか。導入部のフレーズに使われている、シ・ド・ファ・ミという音それぞれに一つ、ノイズを割り当て、それをフレーズに合わせて組み込

          SLN第一弾「Palade!!!」から「グッドバイ・サマーライツ」までについて。

          あとがき

          ここ数年、座右の銘といいますか、そんな感じのアレが「全てはどうなるか次第」と非常に楽天的な漆畑公望です。はじめまして。こんにちは。 今回の『for hazuki』は以前に音楽活動の方で発表した1stアルバム『Pastel*Planet0.01-finished a la carte』の六曲目のピアノソロ曲を作曲する際にイメージしたストーリーを筆に起こしたものです。 ですので、いつか私がまた同人即売会などに参加する時には、アルバムを買って、それを聞いていただけると、面白いので

          あとがき

          『for hazuki』後編

          僕は何を血迷ったのか、気づいたら宮部が事故に遭った現場に来ていた。人気のない十字路だ。今ではきれいに掃除がされたのか、何事もなかったかのように、道路としての体をなしている。僕はそこから美術館の近くの駅までの道を歩いた。何も目に入らなかった。ただ夏のうだるような暑さだけが僕にまとわりついてきて、鬱陶しい。しかしちゃんと意識していないと、その鬱陶しさも忘れそうだ。駅に着いた。そこから僕は美術館まで歩いた。どうも僕は昨日宮部が歩いたであろう道をたどっているようだった。人は困った時に

          『for hazuki』後編