ここがすごいよロックマンワールド2

 アドベントカレンダー3日目担当、キノガです。

 さっそくですが皆様、「ロックマンワールド2」と言うとどんなイメージを抱いていますか?

 「キンキンBGM」「史上最悪のボス曲」「謎着地音」「謎挙動」「謎世界観」「もっさり」「最低難易度」「ロボット三原則無視」「土下座なし」「クイントなんていない」「サクガーン(笑)」などなど、あまりいい印象を持ってないのではないでしょうか。

 極めつけは「R20」における稲船氏のコメント。
 >やっぱりロックマンはロックマンをよくわかってる人間が作らなあかん
 >それはゲームの出来に表れるからユーザーが一番わかってると思う
 >上がってくるゲームの出来がよくなかったんで、俺が描いたデザインにもモチベーションの低さが出とる
ボロクソですね。

 しかし私は声を大にして言いたい。
  ロックマンワールド2は非常によくできた面白いゲームである!
 この記事を通してロックマンワールド2を見直すきっかけになっていただけたら幸いです。
 あわよくば改めて遊び直して「面白かったよ!」なんて感想までいただけたら飛び上がって喜んじゃいます。

 ……思い出補正がたくさん働いているのも確かでして、私が初めて遊んだロックマンがワールド2だったのです。まだゲーム経験値も高くなく、当時は最初の4ボスの誰にもなかなかたどり着けなかった記憶があります。それが今ではこんなにヒッフッハヒッフッハ。
 当時唐突に「お前こーゆーの好きだろ?」と買い与えてくれたじーちゃんに感謝しないと。ありがとうじーちゃん! ロックマンに出会えたおかげで今こんなにもたくさんの素敵な人たちに囲まれてるよ!

 与太話はさておき、本題に入りましょう。
※「ロックマンワールド2」の略称として「W2」を使います。
※記事の性質上他作品との比較、批判が入ります。ご了承ください。


BGMが良い!

 まってブラウザ閉じないで。
 賛否両論と言われるW2のBGM。冒頭でボス曲は史上最悪と述べましたが私はそれも含めて全曲好きです。全体に関してはやはり好みの問題でしかないと思いますが、ここは誰もが良いと思うだろう箇所があります。

タイトル画面=ラストステージ

熱いでしょ!?

 エグゼ流星に限らず様々なRPG、アニメーション作品でもよく使われる手法ですね。しかしよく使われるということは王道であり、多くの人が好むものだとも考えられます。やはり、熱いんですよ。もともとこの曲が哀愁まみれの泣きメロまみれであることもあって、終盤でかかると心が踊るのです。

 また、ロックマン30周年記念ライブにおいて松前真奈美さんが「泣きのメロディーこそがロックマンの曲」とおっしゃっていました。W2はタイトル曲に限らず泣きメロが多い作品です。その点から見てもW2は実にロックマンらしく、分かっている人が作ったのだろうと感じられます。


意地悪でなく遊びやすい!

 最低難易度と言われてしまう易しさも遊びやすさと言えます。初ロックマンに是非オススメしたいとさえ思います。
 易しい易しいと言われつつもロックマンの難しいと言われる部分はきちんと盛り込んであります。落下直後のトゲがあるメタルマンステージ、足場から少しはみ出してギリギリジャンプしないと届かない箇所のあるクラッシュマンステージ、ブーンブロックに磁力引き寄せまであるマグネットマンステージなどなど。W2を遊べばきちんとロックマン経験値はたまり、他でも通用します。

 また、W2は他作品と比べて様々な仕様の違いがあり賛否が生まれています。私は遊びやすさに繋がっていると考えます。

・のけぞり距離が少ない
 狭い足場でダメージを受けてのけぞることで落下死はロックマンでよくあることです。W2ではのけぞっても大きく後退することがないので事故は他より少なくて済みます。ピピやチビィに囲まれてダメージを受け続けていても先へは進めたりします。

・回復アイテムを取った際に停止しない
 不意に空中でアイテムを取得して落下する事故がなくなっています。

・スライディング
 2準拠のステージをスライディングありで遊べるのはW2だけです。プレスもピピもピエロボットもクックもモールも抜けやすい!

・スライディング中ダメージを受けても終わりまでのけぞらない
 ダメージを受けた直後の無敵時間でやり過ごすテクニックは他作品でもありますね。W2ではスライディングするだけで遠くへ抜けられるのです。
 文章だとわかりづらいですが、ダメージを受けた直後から一定時間ののけぞり発生中にスライディングから立ち上がると、残っているのけぞり時間分だけのけぞります。そこでなるべくスライディングの出だしでいきなりダメージを受けるようにすれば敵を倒さずともガンガン前へ進めます。
 上記の2のザコを抜けやすいのはこの仕様も影響していると言えます。

・はしごに捕まっている最中に食らっても上を入力していれば落ちない
 何度も登ることにならずストレスがなくなっています。

・ラッシュジェットがほぼ3仕様
 上下左右に自由に動けるのはもちろん。ジャンプしつづけることでエネルギーの節約もできます。最も高性能なラッシュジェットが3だけでなくW2でも使えるのです! 見た目がちっこくてかわいいのも個人的に好き。
 3と違うのは水中で使えないこと。ラッシュマリンとの差別化が3より上手いと言えます。ラッシュマリンそのものが不要なんて言わないで!

・ブーンブロックがすり抜け床
 他作品ではラッシュジェットなどで抜けようとしても引っかかることが多く見受けられます。W2ではすり抜けられるためそのような事故はありません。また、タップマンステージの回るコマもすり抜けられるのでラッシュジェットで安全に抜けられます。


特殊武器とザコ敵について

 W2は2,3と比べて特殊武器に多少の変更があります。また、ザコも仕様の変更や弱点の追加などがあり、結果として遊びやすさに繋がっています。

・メタルブレードを撃っても止まらない
 2では立ち止まりますがW2では歩きながら撃てます。元々強かったメタルブレードがさらに扱いやすくなってしまっています。

・リーフシールドが貫通する
 2では有効な敵に当たると消えます。W2では貫通し、重なっていると連続でダメージが入るため非常に強力です。

・タップスピンが使いやすい
 3であった武器ゲージが一気に減る仕様がなくなっています。弱点ボスであるニードルマンで事故が起こることはないはず。また、効かない敵に使用しても変な挙動で吹き飛ばされることはなく、「キンキン」と弾かれているSEも鳴るためわかりやすくなっています。優しい。

・クックをメタルブレード1発で倒せる
 2ではクックにメタルブレードは無効でクラッシュボムで倒すくらいしかありませんでしたが、W2ではおかげで非常に倒しやすくなっています。メタルブレードは倒せれば貫通するためスライディングで追うとクックを次々撃破でき、クックが現れる場面は非常に気持ちのいい箇所になっています。

・マタサブロウをリーフシールド1発で倒せる
 2では3発です。また2では他にも特に有効な武器がありません。最大チャージアトミックファイヤーはなぜか弾かれる始末! バスター連射で押し切るのが最善手なのだと思います。
 それがW2ではリーフシールド1発です! 画面外から撃っておけば押し戻されることもなく突破できます。快適!

・コマサブロウを倒す手段が豊富
 3ではジェミニレーザー1発なもののなかなか当てづらく、マグネットミサイルは3発で燃費が悪く、シャドーブレード3発に落ち着くかと思います。 
 W2ではリーフシールドでほぼ1発、エアーシューターで2発、メタルブレードで3発です。2の武器が大活躍します。リーフシールドはコマも貫通するので非常に強力ですし、斜め上にいることの多いコマサブロウにはエアーシューターも有効です。しかもこれらの武器はコマサブロウに会う頃には必ず持っています。

・メカッケロを倒しやすい(気がする)
 3ではメカッケロにバスターがなかなか当たらず苦戦したこともあるのではないでしょうか。サーチスネークはなぜか当たらず、マグネットミサイルもなぜか当たらず、弾が大きいはずのシャドーブレードも当たらず、ニードルキャノンは不安定、最善手がタップスピンかもしれない意外と強敵なのがメカッケロです。
 上手く説明できませんがW2ではよくバスターにあたってくれます。意識して遊んでみれば分かるはず。

・タマが優しい
 3ではまともに戦うと結構な苦戦を強いられるタマ。ジャンフェスの壇上でチャレンジモードのタマを突破できなかった人がいたのも記憶に新しいのではないでしょうか。誰ですかタップスピンが弱点なんて教える人たちは!
 W2では毛糸玉をひとつしか出さないため戦いやすいです。一方で体力は1.5倍ほどになっていますが攻撃が簡単になった分調整されているのでしょう。さらに2体登場するうちの1体はスライディングで無視できてしまいます。タマの表情も心なしか優しくなっている気がします。


ステージ攻略順について

 ロックマンにはいくつかパターンがあり、2のように様々な攻略順が考えられるものやW4のように明らかに「この順番で遊んでね」と導線が引かれているものがあります。W2は後者のパターンで非常に美しい攻略順ができあがります。冗長になってしまいますがせっかくなので記述します。

 前半:メタル→ウッド→エアー→クラッシュ 
 まずメタルマンを倒すとラッシュマリンが手に入ります。メタルブレードが弱点であるウッドマンのステージには水中があり、マリンを使用すると難所を楽々突破できます。ウッドマンステージはメタルブレードが弱点のザコばかりです。クックにメタルブレードが有効になったのはこの順が考慮されているのではないかと私は考えています。ボス弱点に従いエアーマンステージに行くと、リーフシールドが弱点のザコばかりです。エアーマンを倒すとラッシュジェットが手に入ります。残ったクラッシュマンステージでは上へ進んだりリフトを無視したりするのにジェットが大活躍します。

 後半:マグネット→タップ→ハード→ニードル
 3の特殊武器が全然必要ないのがマグネットマンステージとタップマンステージ。どちらが先でも良いですが2ステージ攻略します。タップをハードより先に攻略するのはハードマンステージの帰ってきたモンキングにタップスピンを使いたいためです。ハードナックルはニードルマンステージで少々使うかなーくらいで個人的には完全にクイント用です。ニードルキャノンは使いません。マグネットマンはメタルブレードが第二弱点で天井に張り付いていても当てられることからこちらの方が有効です。

 特に前半の美しさは目を見張るものがあります。2のようなパターンの作品ではボス弱点が手に入っても別にほしいサポートアイテムが手に入らないなどとジレンマを抱えていたりするものです。
 もちろんこれが絶対だというつもりはありませんが、W2はキレイな流れを作ることのできる作品だと思います。


ワイリーステージ以降の武器ゲージ管理が楽しい

 以下某wikiから引用
 >ボスを倒しても武器エネルギーが回復しなかったり他作品と比べて妙な仕様がある。単純に作り込みが甘い。
 ちげーだろ!?

 
まず間違いとして前半4ステージではきちんと回復します。後半4ステージではおっしゃる通りボスを倒しても回復しません。なぜかって? ワイリーステージだからだよ!! ちゃんと基地に入る演出あったでしょ?
 他の作品でもワイリーステージ攻略中は最後まで武器エネルギーは回復しないことが多いです。それに倣っているだけですね。

 特殊武器はロックマンの楽しさとも言えます。5のようにM缶をバンバン使って特殊武器全開でヒャッハーするのもよし。2のようにじっくりかっちり使う武器を見定めて、クラッシュボムが枯渇して大変なことになったりというのもよし。
 W2は2のようにゲージ管理まで考えられるものだと思います。最後のステージをクリアするころにはほとんどの武器がなくなっていることでしょう。バスターオンリーでも容易にクリアできてしまうため私自身ここになかなか気づけませんでしたが、気づくとその良さが分かります。
 特にクラッシュボムの管理が難しいと思います。ゲージの関係上最大4発しか撃てませんが、有効な敵も多く活躍します。他所ではよく「爆風の使い道もなければ破壊できる壁もなく使えない武器」とされています。しかし「連射は効かず弾数も撃てないが非常に強力な武器」としてちゃんと機能しています。


その他言いたいだけ

・ラッシュマリン
 3にはなかった慣性がついています。ふわんふわん動きます。ラッシュジェットと差別化したかったというのが見えてきますね。

・カミナリゴロー
 エアーシューターの軌道上から出現することが多いカミナリゴロー。2のとき「こいつにエアーシューター使えたらなあ」と思ったことありませんか? W2ならワイリーステージに出現するのでそれが叶います! しかも一撃! 弱点武器!

・クイント
 クイントの体力は32もあります。32です! GB作品の他のボスの体力は最大19、FCでも28です。最強です! 7のシロクマシーンGTVと同じです!! ……あれ?

・サクガーン
 サクガーンは強いぞ。スクワームもカミナリゴローもニューショットマンも一撃で倒せるんだぞ。ハンマージョーも帰ってきたモンキングも一撃で倒せるんだぞ! ジャイアントスプリンガーだけはちょっと苦手なんだ。
 ワイリーマシンにも是非使ってね! ロックバスターの2倍もダメージを与えられるよ!


最後に

 おまけとして私のプレイ動画を載せておきます。時間のない方でも是非ラストステージ(24:25~)は見ていただきたい。見どころは武器のなくなりようと最後の最後。他にもネタを仕込みつつ特殊武器を使いまくった遊び方をしています。

※GCプレイヤー+配信機材はラグがひどいんです。(言い訳)

 「ここがすごいよ」というよりは自分が言いたいこと全部言っただけになってしまいました。
 さて、こんな長ったらしい文をここまで読んでくれた貴方ならロックマンワールド2が遊びたくなっているはずです。遊びましょう。


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