【プロフィール】きのコの場合【性愛の求道者】

九州生まれ九州育ちの30代。中高一貫の女子校から大学・大学院を経て、就職を期に上京。機械メーカーのスタッフ職。

Xジェンダーでパンセクシュアル。発達障害の診断もち。趣味はセックス、サバイバルゲーム、カラオケ、ポールダンス、ボルダリング、ウィップクラッキング、緊縛。好きな食べ物はぽてち、杏仁豆腐、豚骨ラーメン。

こんな感じで生きてきた

バリキャリの母親から激しい愛情とスパルタ教育(身体に傷痕が残るような暴力を含む)を受けつつ、塾と習いごと漬けの生活のなか、学年トップの成績で小学校時代を過ごす。

中学「お受験」で第一志望校に落ち、人生最初の挫折。中高一貫の私立お嬢様校に入り、クラスメイトの女の子に一目惚れ、信者のように崇めつつ、自分のセクシュアリティに悩む日々。成績はいいものの髪を染めたりピアスを開けたり、停学の危機を何度もかいくぐりながら6年間をやり過ごし地元の旧帝大へ。

18歳でいわゆる「大学デビュー」し、初めて恋人ができる。しかし他の人たちにも恋する自分に気づき「うわっ…私の貞操観念、なさすぎ…?」と悩みはじめる。

Wikipediaで「ポリアモリー」という概念を知る。コレだ!!!と目から鱗が落ちるも「いやいや、こんなの許されるはずない。バレないうちにこの『悪い病気』を治さないと」と胸にしまい込む。しかし途切れない恋人、止まらない浮気、消えない罪悪感に苦しむ。

20歳でアメリカ留学。留学先でギニア人の恋人ができるが、デートレイプされ妊娠、中絶。「私が死なせたものは何だったのか?人間、それとも…人間って何?」と悩み、帰国して大学院で生命倫理学を修める。

社会人になり、「浮気性」を治したい一心で結婚するも、他の人たちへの恋心と性欲を抑えきれず1年半で離婚。「終わった、まともな人生のレールから外れてしまった…」と人生に絶望する。

そしてドン底からの、ほとんど開きなおりに近い覚悟。

「これ以上自分を隠したり治そうとしたり、自己否定していたら死ぬしかない。もう、『ポリアモリー』の自分を受け入れてあげよう。最期に孤独死したとしても、自分の人生のケツは自分で拭くしかない。一度きりの人生、自分に正直に生きたい!!」

恋人や周囲へ、ポリアモリーをカミングアウトしはじめる。ポリアモリーに関する交流会「ポリーラウンジ」運営への参加、メディアへの出演、ネット記事「私、恋人が2人います。」の連載などの活動を始め今にいたる。

自分のココに困ってる

自己病名「noblesse oblige」コンプレックス。恵まれて育った以上、自分は社会に恩返ししなければならない、自分のセックスと金と愛は社会に捧げるべき公共財だ、と思っている。

売られたセックスは買う。結果、誰からも相手にされない人たちの「セックスのセーフティーネット」に。自分より強い男、頭の良い男に憧れつつも、「この人は私にしか救ってあげられない…」と子宮が反応するのは弱い男、バカな男、貧しい男。

「セックスで社会貢献する!セックスで世界を救うんだ!」志は高いけれど何かがつらい、何かがおかしい…

こんな感じで生きていきたい

複数の人を同時に好きになっちゃうポリアモリー。しかも、好きになったら秘密の片想いでいられない。両想いになりたい、セックスもしたい。

ポリアモリーであることで人を傷付けないでいたいし、自分も幸せでありたい。そもそもポリアモリーであることとは別に、セックスが好きだし、それを非難されることなく好きでいたい。最終的には「ポリアモリー」って言葉がなくても、誰もが好きな人たちとオープンに愛し合ったりセックスしたりできる世界にしたい。

好きな人たちを、恋人たちもそうでない人たちも大切にして、一緒に生きていきたい。みんなで家族のように暮らして、もしかしたら子育てもみんなでできたらいいなぁ。血縁にも法的婚姻制度にもとらわれない、あたらしい「家族みたいなつながり」を作りたい。

性と愛については生涯の求道者でありたい。剣道や柔道のように、一生かけても極めつくせない道だと思う。80歳になった自分がどんなふうに人を愛し、どんなセックスをしているのか考えるとワクワクする。

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