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先週のkinologue【8/7-13】

土曜に「ひとり出版者」noteをアップしたせいか、昨日が日曜日だとすっかり忘れて「先週の」に逆戻り。先週は8/11に「マイヤ・イソラと旅する手帖」を発売したのが、もちろんハイライト。発売日前に吉祥寺にて営業に繰り出す。『365日のシンプルライフ』DVDブックを販売して貰っていたアップリンク吉祥寺のショップでも販売して貰うことに。その前に久しぶりに、懐かしの名店まめ蔵でカレー。

いつもお世話になっている吉祥寺在住・いぐちさんとランチ

発売日は毎回11日と決めているというのはnoteに書いたが、祝日なのは色々失敗だった。前日21時頃に配信視聴用動画の凡ミスが発覚。急いで担当者に連絡し、夜中まで確認を続けながら当日早朝までに何とか事なきを得た。担当の方には帰省前の夜中にご迷惑をかけて本当に申し訳なかった。そんな最中にも、オフィシャルshopに注文がどんどん来た。前日までの予約特典をつけたためだと思われ、嬉しい半面、動画がどうなるかわからない状況だと不安も募る。しかし、この「最終的には何とかなる」で生きているのはホント良くない。そのうち運が尽きる日が来るだろうと戦々恐々とする。発売日後も毎日せっせと発送作業を続けている。書店からの注文も続いている。大好きな京都・一乗寺の恵文社からも初注文。店頭に並んでいるのを見てみたい。

このポスター、なかなかすごい。

ずっと気になっていた『To Leslie』を観た。このポスター上部の情報を知っていたのでその目で見たこともあると思うが、確かに主演女優は表情豊かで魅力的だった。語りすぎない余白があり、多様性があり、社会性があり、辛い話もやさしい語り口で今っぽくて良い映画。それよりも気になったのは、このポスタービジュアル。写真はオリジナルビジュアルを踏襲しているようだが、物語らない大胆さ。目立ちはするが、画像に合っている気はしない朱色とのコンビネーション(オリジナルは同系色でまとめている)。上部の売りと一番下のストーリーコピー1行が全てなのか。タイトルもそのままだし。「人生の夜明けはみじめであたたかい」というコピーは鑑賞後に見ると沁みる良いコピー。おしゃれポスターを望む劇場が多いなかで、久しぶりに見た潔さ。動員が良ければアリだろうが、どうなのかな。

レトロスペクティブ、何本観られるかな。

普通に面白いレベルの『To Leslie』に若干辛口なのも『奇跡の海』を観たせいか。劇場で観るのは、公開当時にシネマライズで観て以来。確かユーロスペースの配給だった。これがあっての『ダンサー・イン・ザ・ダーク』なのは間違いない。しかしお客さん、少なかったなぁ、ざんねん。知られてないのかな。エミリー・ワトソン演じるベスは愛するヤンに「全てを与える」。その行き過ぎた純粋さからくる「犠牲」と制御できない感情ゆえに「病気」とされている。兄が亡くなって混乱した時は入院させられていた。劇中当時(1970年代設定)のスコットランドの小さな村では「病気」扱いだが、軽い知的障害者なのだろう。現在放映中のドラマ「初恋、ざらり」でご贔屓女優の小野花梨ちゃんが演じている役に重なる。ベスの抑圧された環境や無自覚さに比べると現代は変わったと思うところもあるが、自己肯定感が低く「役に立つ」ことにこだわるのは変わってない気がする。7章(+エピローグ)立てで章ごとのインターバル映像が微妙に変化して美しいのが印象的で、密度が濃く、圧倒させる傑作だと改めて思った。大好き。しかしラース・フォン・トリアーの女性をギリギリまで追い詰め、犠牲とさせる作風は、正直イマドキじゃない。優しい作風が多いなかで、初めて観る若い観客たちの目にはどう映るのか、楽しみだ。


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