就活生だった頃の私
4月になり、私は2回目の3年生になった。休学したためである。
私の周りの同期は、一般的な就職活動をしない人の方が多い。
が、それでも、「〜〜会社にエントリーしたよ」「あの合説は〜〜だった」といった話がいやでも耳に入る。
私はかつて、就職活動を早くから始めた人間だった。
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大学に入学してすぐ、第1志望に落ちた私は、自分の将来が少し不安だった。
なので、大学が主催する3年生向けの就活セミナーに行ったりした。
「自己分析」「インターン」「ES」「選考」「面接」など、就活用語と全体像を理解して、「就活ってこんな感じなんだ」と知って満足した。
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大学2年生のとき、尊敬している経営者がいる会社の選考を受けた。
一次選考兼説明会では、取締役のプレゼンを聞いたり、座談会で各事業部の社員とお話しすることができて、とても楽しかった。
「就活っていろんな人の話を聞けてお得だな」とか思ったりしていた。
人生のモチベーショングラフと、生きづらさに関するケース課題を書いて帰ると、その日の夕方には「ぜひ次の選考に進んでいただきたい」という旨のメールが届いた。
採用市場において、自分の価値が少なからずあるとわかり、少し安心した。
その後、二次選考を受けた。
面接官は、ITメガベンチャーから数ヶ月前に転職した人事の方で、当時3年生の方と1対2で面接を受けた。
面接といっても、和やかな雰囲気で、「今までがんばったこと」「将来どんなことに取り組みたいか」など、自分のことを優しく引き出してもらえた。
もう一人の学生が、留学経験と児童ボランティアの経験をお話ししていて、「こんな素敵なことをしてきた人もいるもんだ」と思った。その人は今、フリーランスとして働いており、陰ながら応援させていただいている。
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数日後、電話で合格の連絡をいただいたものの、「まだ2年生なので、次の選考に進むこともできますが、長期インターンの選考を受けてみませんか」とご提案いただいた。
当時の収入源がアルバイトだったので、非常に魅力的なお話だったが、AIESECの活動と両立できないと思い、辞退することに。
三次選考に進むこともできたが、二次選考のときに小さな違和感を覚え、それも辞退した。
小さな違和感とは、「この会社が求めている自分は、本当の自分ではない」というものだった。
選考のとき、ありのままの姿でいることよりも通ることを優先してしまい、なんとなく、「この会社っぽい自分」を演じる自分がいた。実際はそんなことないのに、「こういう価値観を大切にしています」というようなことを生き生きと喋ってしまい、それがおそらく評価された。
直感的に、「現状では残り3つの選考に通らない」と悟ったのもあったが、罪悪感と息苦しさを感じ、私は逃げるようにその会社から離れた。
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昨年の冬、一度だけ就活イベントに行った。
就活をしようと思ってしたのではなく、興味のある会社の方と会ってみたかったからだった。
選考を受ける意思はなかったけど、その場でお話しさせていただいた経営者の方に、「今度東京の本社においでよ」と言われた。
そして、東京で人事の方と面談し、自分の夢とキャリアの展望を伝えると、「留学後にまた受けにきてほしい」と言ってもらえた。
自分の軸にはかなりフィットしていて、尊敬する起業家の方が過去にいたこともあり、即答したい気持ちだったが、未来の自分の意思はわからないので、「また、帰国後に検討させてください」ということを伝えた。
ちなみに、私が20卒で新卒入社するなら、このような軸を置く。
①スキルが身につくか
- 経営、編集、ライティング、デザイン、ブランディング
②理念(Vision / Mission)
- インクルージョン、平和、自由、可能性を広げる、など
③風土(文化、行動規範、Values)
- イノベーティブ、オープンネス、学習意欲、理想主義
④勤務地
- 東京、海外
⑤ワークスタイル・ライフスタイル
- 意思に応じて無限に働ける、フレックスやリモートを柔軟に活用
⑥収入・福利厚生
- 割愛
優先順位や傾斜が曖昧な部分があったり、最終的には直感(感情)で決めるタイプなので、どれくらい使えるかはわからないけれど。
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少なからず就活をしてみて思うことは、「ご縁」というものの存在を認めざるをえないということだ。とても入りたいと思った会社が実は合わなかったり、特に意思を持たずに関わった会社が意外と魅力的だったり、いろんな偶然と出会う。
そんな旅のような就職活動が、私は好きだ。
というか、未知と遭遇する旅のような人生が好きだ。
長い旅路の中、「どんな道を選ぼうか」という気持ちを忘れず、生きたい。
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