トリツカレ男

お知らせと思い出です。

わたしの次回出演作品の情報が公開されました。

上演スケジュールやチケットの発売日、配役なども発表になっております。

そうか。「トリツカレ男」を上演するのか。

キャラメルボックスで初めて上演されたのが2007年。入団三年目くらいの、うら若き頃のわたしも出演していました。役はピエトロでした。

当時、原付で稽古場に通っていて、ある日遅刻しそうになり、稽古場手前の交差点を二段階右折を無視して曲がるところをおまわりさんに目撃され、稽古場の真ん前でおまわりさんに呼び止められ事情聴取されているところを、たくさんの劇団員に目撃された思い出が昨日のように思い出されます。

それから、この公演の稽古中に、ふるさとのおじいちゃんが亡くなったこと。

今まで上演したことがない世界観に「いま稽古しているこの作品は面白いんだろうか」って、先輩と怯えたこと。

衣装制作が間に合わなくて、劇場入りしても居残りで、スタッフ分け問わずみんなでお針子したこと。

初日のあと、出演していない先輩劇団員に「これがキャラメルボックスだ」って、判を押してもらったこと。

「トリツカレ男を見て一緒にやりたいと思いました!」って言って、後輩の劇団員が入団してきたこと。

思い出が頭の引き出しからどんどん零れ落ちていくわたしですが、この公演にいたっては、なんだか落ちないシミのようにこびりついています。


電話口でわたしの配役を聞いたときは「うへっ」って言ったと思います。

恐縮と同時に、みぞおちの端のさらに端のほうにある「やる気導線」に火が点く感覚でした。

共演者の名前を聞かせられるたびに、導線の火花が大きくなっていく感覚もありました。

大きく深呼吸して、稽古場の扉を開けようと思います。

「トリツカレ男」を見たことがある人もない人も。

楽しみにして劇場の扉を開けに来てください。

配信とかもあるといいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?