果たして落語家は食えているのか?

落語家って全部で何人いるの?
とよく聞かれます。

正確に調べた訳ではありませんが
約1000人と答えてます。

東京は落語協会、落語芸術協会
協会には所属していない
立川流に円楽一門会などで
800名ぐらいでしょうか。

大阪では上方落語協会に
所属している方、所属していない方で
250人ぐらいいるでしょう。

合計で1050人ですが
プラスマイナス10%と考えて
いつも大まかに
1000人ぐらいと答えています。

ただ芸名は持っていても
実際には活動していない方もいるので
あくまでも名簿上での話です。

活動していない方は果たして
何をしているのでしょうか?

これも調査した訳ではないので
何ともハッキリとした答えは
持ち合わせてないのですが、
開店休業中といえばいいのでしょうか。

仕事がないからアルバイトをする。
するとアルバイトで出世して
社員になってしまったとか。
これはよく聞くパターンですね。

確定申告のシーズンですが
税務署では収入が多い方が本業、
少ない方が副業という認識です。
上記の場合は落語は
副業になってしまいます。

他には女性落語家だと
結婚〜妊娠〜出産〜子育て
で活動出来ないというのもあります。

これもあるあるなんですが
そもそもお金持ちであるから
仕事を取りに行く事はなく
どしっと構えて来た仕事だけをやる。

親から受け継いでマンション経営を
している方もいます。

これも結構あるあるですが
奥様が表でしっかり仕事をされて
普段は専業主夫で家事や子育てをし
たまに落語家として活動している。

こんな話がありまして
ある噺家さんに
地方での仕事をお願いすると
泊まりがNGで断られた事がありました。

理由は朝、小学校の通学路で
黄色の「交通安全」の旗を
持たないといけないからとの事。
奥様が朝早く仕事に出掛けてしまうので
自分はそのサポートをしないといけないと。

それぞれのご家庭で
色んな事情があるんだなと思いました。

先程書きました約1000人の落語家で
食えていけているのは
果たして何人なんでしょうね。

東京の噺家は人数が多くても
仕事の数も多いし
出演料も高いですからね。

寄席の出演料は
東京も大阪も安いですよ(笑)

隅々までとはいいませんが
それなりにやっていけてると思います。

大阪の場合は人数は250人程ですが
仕事の数も少ないですし
出演料も東京と比べると
安いと思います。

なので食えない人は
東京に比べると多いでしょうね。

これは円楽師匠がご存命の際に
打ち上げの席で話されてたのですが
「落語国取りゲーム」だとしたら
上方落語は近畿圏内大阪、兵庫、
京都、和歌山、滋賀ぐらいでしょ、
それ以外ほとんどの地域は
江戸落語が押さえてるだよ。
と言っておられました。

その通りだなと思います。

落語家の場合は
仕事のキャッチボールがほとんど。
落語会は1人では成り立たないので
呼んでもらったら呼んであげる。
これが出来るコミニケーション能力の高い
噺家はやっていけるのです。

私の場合はキャッチボールが
出来ない噺家なんで...
壁に向かってひたすら
ボールを投げてますよ(笑)
というより客席に向かって
どんどんボールを投げ込んでます。

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