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【制作過程公開】『NASU本 前田高志のデザイン』制作の裏側 第1回 金藤良秀

オンラインサロン・前田デザイン室で日夜制作が進められてきた『NASU本 前田高志のデザイン』、通称「NASU本(ナスボン)」。このnoteは、その制作に携わったクリエイターたちの活動の記録を、前田デザイン室公式noteのマガジンに集約していく形で公開する連載企画です!


第1回目は僕、金藤良秀から!

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ぼくは現在ライターをしているのですが、じつは昨年の2018年11月までぼくは物流企業に勤務していました。12月からフリーライターになり、今年の1月から前田デザイン室に入会。ぼくが入ったときにはすでにNASU本の制作が始まっており、おくればせながら制作メンバーの一員として参加することになりました。

「ライター」と名乗っていたこともあり、ライティングで携わらせていただくことに。ぼくのNASU本制作の第一歩は、PR TIMESへ掲載するプレスリリースの構成からライティングでした。


ポートフォリオの1行目

「やります!」と手を挙げたところからスタートしたプレスリリースライティング。2月15日から26日の約10日間での作業です。

「NASU本とは何か」を簡潔に伝えて読者の興味をひく

そんな文章を書く必要がありました。途中から入った身だったこともあり、本来ならNASU本制作の発端をイチから調べるのですが、以前、ぼく個人から前田さんへの取材をしたことがあったのです。その下調べでNASU本の意義や特徴をつかんでいたこともあり、プレスリリースで書く内容にはあまり迷いませんでした。

2月25日(月)、渋谷のCAMPFIREにて出版制作発表会が開催。当日はぼくも所属する編集・ライティングチーム「WORDS」の竹村俊助さんから前田さんへ祝辞が届いていました。ご本人は別の予定があり欠席のため、メンバーとしてではありませんが、ぼくのほうから代読をさせていただきました。

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ひとまずは盛況に終わり、翌日無事にプレスリリースが公開。自分の文章がほぼそのままWEB上に掲載されているのがちょっとうれしい。つながりも実績もない状態でしたが、このプレスリリース制作がぼくの前田デザイン室における“ポートフォリオの1行目”となりました。


デザイン思考の言語化

次に取り掛かったのはNASU本の中身となる本文のライティングです。

NASU本の正式タイトルは『NASU本 前田高志のデザイン』。デザイナー・前田高志の集大成となる書籍であり、漫画家・前田高志の新出発となる書です。このライティングに求められるのは、前田さんのデザイン思考を的確に言語化することでした。ここにかなり苦労しました。

NASU本には1,000字程度の節が17個あります。ぼくの担当した箇所は、「デザイナーズマンションってなんやねん」、「デザインは情報バズーカだ」の2ヶ所。なかでも「デザインは情報バズーカだ」はかなり修正を重ねました。

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▲イラスト「デザインは情報バズーカだ」(作画:前田高志)

情報バズーカとは、デザインによって伝わる情報の「速さ」と「衝撃」、そして「細やかさ」の3つを言い表した例えです。

デザインには必ず目的があり、その目的を果たす細やかな仕掛けが組まれています。本文ではそれを「心遣い」と言っています。色合いや構成など、見た瞬間に受け手はどんな印象をもつだろうか。そんな心遣いの塊ともいえるデザインの大玉を、一気に打ち出して見る者に衝撃を与える。それがデザインという情報バズーカなのだと。そういう内容になっています。

素人のぼくが言うのもおこがましいのですが、前田さんはまさにデザインのプロで、お話をきけばきくほど、デザインとはなにかを的確に捉えていることがわかります。

しかし、苦心したのは実際の具体例を挙げることでした。

デザインで情報を一気に放つ。衝撃を与える。裏にいくつもの仕掛けを組む。......頭のなかではイメージできても、実際にどういうことが当てはまるのか、伝わった瞬間とはなにか。言語化しようとするとどうしても抽象的になるのです。あぁでもない、こうでもないと苦悶しているとき、ぼくの頭にはこんな言葉が浮かんでいました。

自分の専門外だから

書籍に限らずWEB記事でも同じだと思いますが、「著者にどれだけハマっているのか?」が勝負の分かれ目になります。いわゆる、“憑依”するレベルまで自分の心を近づけ、知れる限りの相手を知る。著者の思想にどんな表現が最も合うのか、それを探す行為です。これは前田さんも尊敬する幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんの発言から学んだことです。

そうであるのに、「専門外」というのを言い訳にして、人に相談するときの盾にしていました。それに気づきもせず容認していた自分に辟易しました。ライターの本分は、著者や取材対象者に成り代わって書くことです。

これでは絶対にいいものはつくれない

そう思ってからは、二度とこんな言い訳はしないと誓いました。



イチから書くつもりでの再スタートでした。浜田綾さんをとおしてオンラインで前田さんへの追加取材をさせていただき、noteやブログ、ツイッター、取材動画など、前田さんの言葉をもう一度たどって読み返しました。

移動中や歯を磨く時間も、作業をしていないときは常に前田さんの音源を聞いて生活し、一つひとつ、文章を形にすることができました。ほんの2,000字、たった2節を担当しただけかもしれませんが妥協できなかったのです。おかげで具体例もイメージの湧くようなものになったのではないかと思います。


前デに入る以前、フリーになりたての頃、ぼくは出版社などで書籍づくりをしようと考えていました。そんな矢先に前田デザイン室に入会し、いわゆる出版社の書籍づくりとはちがいますが、オンラインサロンのつくる新しい出版に携わったことには、何か大きな意味を感じています。

浜田編集長のもと、前デのクリエイターが総出になって、こんな非常識なやり方でつくっている前代未聞の書籍「NASU本」は、きっとこれからの出版の常識を変える一手になると思っています。


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【『NASU本 前田高志のデザイン』クラウドファンディングサイト】

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